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独立直後の診断士をレポート

駆け出し診断士の奮闘記

<駆け出し診断士の奮闘記(7)>

文:大森 渚(中小企業診断士)

【第2回】販売促進専門の中小企業診断士へ[1]

診断士資格を取得した私は、2011年2月に開業届を出し、同年7月に完全に独立を果たします。

大森渚さん
「製品の良さと技術力を見せる」という
コンセプトで制作した製造業のWebサイト

しばらくは、長い受験勉強で得た知識を少しでも活かせればと、受験校で講師やテキスト制作の仕事を行っていました。しかしその間も、「自分の屋号で自分のビジネスをしたい」という気持ちが日増しに高まっていきます。私は2011年2月に開業届を出し、その年の7月に完全に独立しました。

私は7~8年、長唄三味線を習っており、師匠からいただいた芸名が「杵屋勝桜寿」(きねやかつおうじゅ)でした。そのため、「オージュ・コンサルティングオフィス」という屋号をつけました。

独立後は、オージュ・コンサルティングオフィス代表の肩書きを持つかたわら、横浜にあるコンサルティングファームにも所属することにしました。そこで、先輩方のお手伝いをしながら、少しずつコンサルタントとしての仕事を覚えていきました。通信販売会社で働いていたときに、商品販売サイトのWebディレクターをしていた経験や、受験勉強中にホームページ制作を請け負っていた経験があったことから、ホームページやネットショップに関するご支援の仕事が増えていき、少しずつ「販売促進専門の中小企業診断士」として認識されるようになりました。

こうして独立し、晴れて自営業者となった私ですが、その前には次々と壁が立ちはだかるようになりました。

第1の壁―お客様が動いてくれないという壁

コンサルタントとして一番つらいのは、こちらがどんな提案をしても、お客様に自主的に動いていただけないことです。

たとえば、月に1回お客様を訪問し、アドバイスをさせていただいたとしましょう。ある月に、万全の下調べをして完璧な資料を作り、問題点と改善点をお話しさせていただいたとします。ところが、次の月に行っても、何も変わっていない。そして、そのまた次の月に行っても...。これでは、何のためにご訪問させていただいているのかわかりません。こちらのアドバイスに反論でもしていただいたほうが、まだ発展性があるように思えます。

大森渚さん
「土産物店で目を引く高級感を出す」という
コンセプトで制作した食品加工業の店頭POP

1年目の私が、まさにその状態でした。お客様のホームページについて、「ここのコピーと写真をこのように変えたほうが、ターゲットに響くと思います」と言い、「それはいいですね」と言っていただいても、そこから何も変えていただけない。次にご訪問しても、「すみません、忙しくて手が回らず...」と言われてしまい、結局そのままになってしまう。

これでは、コンサルタントとして役に立っているのかどうかわかりません。また、お客様のお金も時間も無駄になってしまいます。私はさまざまな手を使って、お客様がどうにか動いてくださるようにしました。

まず、お客様のご希望があれば、コンサルティングの現場にホームページ制作会社の方にも来ていただき、その場で直接、修正内容を伝えられるようにしました。制作会社の立ち会いが難しい場合は、お客様がそのまま制作会社に渡せる資料を作成します。また、決まった制作会社がない場合は、私自身がホームページを制作したりもしました。

コンサルタント自身が制作までお手伝いしてしまうことには、賛否両論あると思います。しかしそのときは、「何も変わらないよりは、私が動いてしまったほうがいい」という気持ちでした。

幸い、私はWeb制作や画像加工の基本的な知識が多少ありましたので、簡単なWebサイトぐらいであれば作ることができました。こうして、私は良くも悪くも「自分で制作までしてしまう中小企業診断士」となったのでした。

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