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独立直後の診断士をレポート

駆け出し診断士の奮闘記

<駆け出し診断士の奮闘記(6)>

文:眞本 崇之(中小企業診断士)

【第3回】日々学びながら、成長を実感[1]

連載最終回となる今回は、日常のさまざまな経験から私が得た学びについて、お伝えしたいと思います。

先輩の独立診断士の教え

資格を持っているだけで、すぐに仕事ができるとは限りません。

診断士試験に合格して以来、資格取得と実際の中小企業診断士の仕事の間には、技術・知識・経験などの面でギャップを感じることが、たびたびありました。このギャップを埋めるために、資格取得時からたくさんの診断実務をこなすことを意識してきました。独立後の仕事でも、多くの経営者にお会いし、コミュニケーションをとることに重点を置きました。さらに、経営者にお会いするために、先輩の独立診断士に同行してお手伝いをしながら、勉強させていただいたりもしています。

「独立すると、悪い部分を誰も指摘してくれない」という話もよく耳にします。幸いなことに私の周りには、ご指導くださる先輩方が多く、たくさんの学びを受けています。先輩診断士からの学びの1つに、「(A)当たり前を(B)馬鹿にせず(C)ちゃんとやる」という言葉がありました。先輩診断士が私に伝えてくれたメッセージ・「経営のABC」です。付箋紙に書かれたそのメッセージは、毎日目に入るように、アルミ製の小物入れの内側に貼っていました。

それまで、独立診断士として最前線で活躍するために必要なのは、知識の補充のために本を読んだり、スキルアップのために勉強会に参加したりしながら、経験を積み重ねていくことだろうと考えていました。おそらくそれも、要所要所では必要なことで、皆さん、陰で努力されていることと思います。しかし、本当に大切なのは、知識でもスキルでも経験でもなく、「当たり前を馬鹿にせずちゃんとやる」ことなのだと、メッセージそのものに加え、先輩診断士の所作にも心を動かされました。

コミュニケーションの失敗

仕事で失敗を感じることの1つに、コミュニケーション面があります。ITツールに慣れ親しんだ私にとって、特に欠かせないコミュニケーションツールが、Eメールです。かつての職場でも、社内やプロジェクト内、顧客とのコミュニケーションをEメールで済ませることが多く、また忙しい相手の時間を拘束することなく、都合に合わせて読んでいただけることから、いまでも多用しています。

しかし、独立し、「慣れ親しんだ会社・顧客と、慣れ親しんだやり方で仕事をする」環境から、「個人レベルでのお付き合いが多くなる」環境へと変わったことで、仕事の基本である対人能力が不足していることに気づかされました。

Eメールは、相手の顔が見えない一方的なコミュニケーションツールで、シンプルに伝えようとするあまりに言葉が少なくなり、冷たい印象を与えてしまうことがありました。また、表現が不十分であったり、誤解を招く使い方をしてしまったり、意図しない受け止め方をされてしまったりと、細かなニュアンスまで十分に伝えることができず、相手に不快な思いをさせてしまうこともありました。Eメールは、多くのメリットがある反面、気をつけて扱わなければ信用を失いかねないツールでもあると感じています。

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