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独立直後の診断士をレポート

駆け出し診断士の奮闘記

<駆け出し診断士の奮闘記(6)>

文:眞本 崇之(中小企業診断士)

【第1回】パパが選んだ独立の道[1]

2012年10月、独立を果たした私には、おそらくほかの独立診断士の方とは違うであろう、少し特異な事情がありました。

人生の転機となった2012年

最初に自己紹介を兼ねて、私の少し特異な事情をお伝えしておきたいと思います。

私は、大学卒業後に入社したIT企業に10年間勤務しながら、2011年4月に中小企業診断士資格を取得し、2012年10月、30代半ばにして独立しました。ここまでは、普通の人と何ら変わらない経歴だと思います。

私が言う「少し特異な事情」とは、ライフイベントが重なっている点にあります。2011年から同棲していた妻の妊娠がわかったのが、2012年3月末のこと。その後、5月に入籍し、7月に式を挙げ、9月に新婚旅行に行き、11月には待望の娘が誕生しました。2012年は、人生の一大イベントが2ヵ月おきにやってくるという、激動の1年でした。

妻に妊娠を告げられた際は、「どうしよう...」と迷いました。もちろん、結婚や出産に対する迷いではなく、会社員生活を継続するか、独立するかという迷いでした。

独立の決意

一般的には、ライフステージが変わるときに独立するなんて、タイミングが悪すぎるのではないか、と考えるでしょう。私は妻に妊娠を告げられた際、仕事と仕事以外の生活(家庭)をどちらも充実させたいと考えました。つまり、ワーク・ライフ・バランスを意識したのです。ワーク・ライフ・バランスとは、「仕事と生活の調和」と訳され、ライフステージに応じて多様な生き方を選択・実現することで、仕事だけでなく、家庭や地域生活などにおいても良い効果を出す考え方と取組み全般をいいます。

妻は、夜勤もあるシフト勤務の看護師だったため、生活リズムがバラバラでした。それをいいことに、私は働きながらも、診断士受験や資格取得後の診断士活動を自由にさせてもらっていたため、妻と過ごす時間が少なかったのです。このようなライフスタイルのまま、子どもが生まれてくると、家族をおざなりにしてしまうかもしれません。私は、妻に子育てを押しつけることや、家族と過ごす時間が少なく、子どもに寂しい思いをさせることは避けたかったため、当然何かを削らなければなりませんでした。

そんなとき、「独立して2~3年もすれば、何とか食べていけるようになる」という先輩診断士たちの言葉とともに、独立の選択肢が脳裏をよぎりました。もちろん、発言の裏には相当な努力や苦労が隠れていて、安易に受け入れるのは楽観的すぎるでしょう。しかし、私に独立を決意させる決定的な言葉となったことは、間違いありません。

「2~3年はうまく仕事を取ってこられないかもしれないけれど、子どもが産まれて手のかかる時期に、子どもと一緒に過ごせるチャンスでもある。仕事がなければ、貯金を切り崩すことになるけれど、収入がゼロにはならないだろうから、何とかやっていける。子どもが外に出るようになった頃に、自分のやりたい仕事が軌道に乗り、収入もそれなりに入ってくるようになれば、こんなに幸せなことはない」

私はこのような言葉で妻を説得し、会社に退職届を提出したのでした。

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