経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

独立直後の診断士をレポート

駆け出し診断士の奮闘記

<駆け出し診断士の奮闘記(5)>

文:野村 幸司(中小企業診断士)

【第1回】「一生懸命頑張る経営者を本気で応援したい!」[1]

一生懸命頑張る経営者と銀行の通訳となれるような支援をしていきたいと考え、北海道・十勝での独立を決意しました。しかし、現実はそう甘いものではありませんでした。

診断士資格を目指したきっかけ

経営を勉強する手段として資格取得を思い立つ

講演風景
講演風景

私が診断士資格の取得を思い立ったのは、さかのぼること7年前、平成17(2005)年のことです。私は新卒で地方銀行に就職し、地方の支店で勤務した後、平成15(2003)年に東京の支店に配属となりました。それまでは主に、企業向け融資の渉外業務を担当していましたが、東京の支店では主に、業績が悪化してきた取引先に対する経営改善支援や事業再生支援といった業務を担当することになったのです。業績改善に向けた事業の再構築や、財務リストラを指導・アドバイスしていく中で、マーケティングやマネジメントといった経営に関する知識不足を痛感しました。そして、「さすがに生半可な知識では限界だな...」と感じ、いま一度「経営」を一から勉強しなければと思うようになりました。

勤めていた銀行には、毎年行われる選抜試験を経て、中小企業大学校東京校の中小企業診断士養成課程に派遣される制度がありました。私も資格の存在自体は知っていましたが、選抜されるほど優秀ではありませんでしたので(笑)、自分には関係ないと思っていました。その時点では、独立や起業はまったく考えておらず、また資格取得が目的というわけでもなく、経営の勉強をする手段として必要に駆られて勉強を始めたのが正直なところです。

思うように支援できないもどかしさ

私は業務上、業績が悪化してきた企業を担当する機会が多かったのですが、企業の業績悪化の原因が経営者の怠慢や放漫経営によるものであれば、ある意味で仕方のないことだと思います。しかし、業績の悪い企業であっても多くの経営者の方は朝から夜遅くまで、土日も休まず一生懸命に頑張っていて、それでも結果を出せない方が多いというのが実感です。皆さん、本当に頑張っています。

一方で銀行は、決算書等の数字でしっかりと結果を出さないと、「頑張っている」という評価ができないところです。また、結果を出せない取引先とは「銀行とお客さま」という関係でなく、「お金を貸している側と借りている側」、「債権者と債務者」という関係になってしまいます。担当者としては、「一生懸命に頑張っている経営者の方を何とか応援したい」と思っているのですが、当然ながら自分の思うようにはご支援できず、もどかしさを感じていました。

仲良くしていただいていた経営者のひと言

銀行では企業に対して何千万円や何億円というご融資をすることで、その企業と「運命共同体」になったような感覚を持つことがあります。また、経営改善に関するアドバイス等をして、「社長! これからもご支援しますから、一緒に頑張りましょう!」などと口走ることもあります。しかし、仲良くさせていただいていたある経営者の方から、「野村さんの言うことは正しいかもしれないが、あなたは銀行員というサラリーマンでしょ? サラリーマンには僕たちのような経営者の苦労や悩みはわからないよ」と言われたことがありました。仲良くしていただいたからこそ言ってもらえたことなのですが、そのときはとてもショックを受けました。

しかしまさにそのとおりで、「一緒に頑張りましょう!」などと、経営はそんな薄っぺらなものではありません。経営者という立場、後ろ盾のない恐怖心等、サラリーマンの自分には計り知れないものがあることに気づきました。それまでの自分をとても恥ずかしく感じたのを、いまでも覚えています。

私は銀行での業務を通じて、「一生懸命に頑張る経営者を応援する」ことにとてもやりがいを感じていました。その一方で、頑張る経営者の方を本気で支援していこうと思うと、銀行員という仕事に限界を感じるようになってきました。と同時に、診断士資格の勉強を進めているうちに、「せっかくだから合格して資格を取得したい」と思うようになりました。結局、試験合格までに2年間かかってしまいましたが、経営を体系的に勉強でき、銀行での業務にも大いに役立つものでした。

[ 1 ][ 2 ] >>

【関連サイト】

【こちらもオススメ!】

中小企業施策をストーリー形式でわかりやすく紹介しています。

J-Net21スタッフが、全国の省庁や都道府県庁、支援センター等の公的機関のサイトに発表されているWEB情報を収集し、リンク情報として紹介しています。