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独立直後の診断士をレポート

駆け出し診断士の奮闘記

<駆け出し診断士の奮闘記(4)>

文:堀川 久美子(中小企業診断士)

【第2回】「市場のニーズと自分の提供価値とのパズル」[1]

診断士資格を取得し、独立を果たした私。チャンスを見つけては、中小企業診断士としての仕事を少しずつ増やしていきました。

さまざまな仕事にチャレンジ

行政依頼の調査報告

新規立ち上げを支援したブランドの初展示会にて
新規立ち上げを支援した
ブランドの初展示会にて

同じファッション業界出身で、面倒見のよい先輩診断士の方が、独立したばかりの私にさまざまな方を紹介してくださいました。そのうちのお1人で、調査会社を経営されている方からは、公的機関の調査のお仕事をいただく機会に恵まれました。

初めての案件は特に思い出深く、商店街でイベント時にアンケート調査を実施し、その結果をもとに報告書を作成し、納品するというものでした。10名ほどの調査スタッフにご協力いただいたのですが、短時間でノルマ件数の調査票を配布・回収しなくてはなりません。失敗できない緊張感の中、調査の段取りやポイントをスタッフの方々にいかにわかりやすく伝えるかを念頭に置き、資料を準備しました。当日はあいにくの悪天候に見舞われ、予想外の展開も発生しましたが、各現場の進捗状況把握と、遅れの見られる現場のケアに奔走した結果、何とか時間内にノルマ件数を達成することができました。

ここでの最大の学びは、短期決戦の現場を仕切るには、仕事のルールの意図をよく理解してもらい、各自のコミットメントを得ることが重要と改めて認識したことです。たとえば、「状況確認の電話を定期的に入れるので、電話に出てください」と指示するだけでは、現場が混乱を極めたときには優先度は自然と下がってしまいます。「3時間以内に、全調査地点で100件ずつ調査票を収集しなければ、この調査の価値はありません。万一予定どおりに進まない調査地点があれば、フォローする必要がありますので、現場の状況をリアルタイムに近い状態で把握することが重要なのです」と電話の重要性を理解してもらっていれば、携帯電話を肌身離さず持ったり、定期的に着信を確認したりする必要性など、対応の仕方は自らが考えてくれます。この経験は、後に講師業におけるインストラクションスキルを学んだ際にも思い出すこととなった、印象的なものでした。

ファッション関連の仕事

服飾雑貨(主に婦人用バッグ)のマーチャンダイザーや営業の経験を活かし、公的機関の専門家派遣で2つの案件に携わることができました。

1つ目は、ちょっとしたご縁からお誘いを受け、チームで服飾雑貨の商品開発をするというものでした。まさに私が仕事をしてきた領域でしたので、知識と経験をもとにアドバイスをさせていただきました。

2つ目は、登録していた公的機関の依頼で、服飾雑貨メーカーの商品開発の助言をするというものでした。1回のみの派遣でしたので、大枠での助言にとどまりましたが、私がかつて勤めていた企業とは違い、所変われば商品知識のある人材が不足している現状に直面しました。

商品開発のプロではないにしても、ターゲット顧客の属性にあたる人材がいればまだよいのですが、いない場合はまず、市場をよく分析する必要があります。そして、かかわるメンバーのチームワークと、それぞれの貢献度を引き出せるリーダーの存在も必要だと感じました。

また、かつての仕事関係者から直接ご依頼いただき、新ブランドの立ち上げにも携わらせていただいています。彼らから見れば、経験の浅い一スタッフだった私は、当初はほとんど発言力がなく、悔しい思いをしたことも多々ありました。しかし、中小企業診断士の勉強を進めるうちに知識もつき始め、事業の状況が変わっていったこともあって、売り方や商品企画についてだんだんと意見を求められるようになっていきました。残念ながら、そのときの事業は2年で打ち切りとなりましたが、いまも頼りにしていただけている事実は、私の中ではさまざまな面で成功体験となっています。信頼関係が揺らいだときも、諦めずに「絶対にこのブランドを成功させるんだ」としがみついた、その根性も買っていただけているようです。今後も、自分が貢献できると確信できる状況であれば信念を持ち、努力と働きかけで周囲にポジティブな変化をもたらしていける存在でありたいと思います。

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