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独立直後の診断士をレポート

駆け出し診断士の奮闘記

<駆け出し診断士の奮闘記(3)>

文:上野 光夫(中小企業診断士)

【第3回】2年目も起業支援を中心に活動したい[1]

独立開業1年目は、数々の失敗を経験しながらも、何とか目標としていたとおり、起業支援を柱とすることができた。開業2年目も、1人でも多くの成功する起業家を生み出せるよう、活動を続けていきたい。

いつの間にか「起業資金調達コンサルタント」のカラーがついた

「起業のための融資を受けたい」との相談が増える

起業資金調達セミナー
起業資金調達セミナー

私はこれまで、「起業支援を得意としています。特に資金調達に関しては、誰にも負けません」と言い続けてきました。リアルで人に会ったときはもちろんのこと、自分のホームページやフェイスブック等、ネット上でもそれをアピールしてきました。その結果、しだいに周囲から「起業支援をする人」と認知していただけるようになりました。

お客様からのご相談は、「起業したいけれど、資金が足りないので融資を受けたいのですが、どうしたらいいでしょうか」という、融資に関するものが多くなりました。特に、「金融機関に提出する事業計画書の書き方がわからない」という内容がもっとも多く、1人ひとりの起業家に合った事業計画書の作成方法をアドバイスすることが、私の主な仕事になったのです。

最近は、20~30代前半の若手起業家で、「ITやウェブ等に関するビジネスを始めたい」という方からの相談が増えています。ITリテラシーがあまり高くない私は、彼らのビジネスの内容を理解するまでに時間がかかります。まだ世に出ていないような、オリジナリティあふれるビジネスだからこそ、とてもわかりにくいのです。

でも、金融機関の担当者に理解してもらうには、専門用語を並べていてはダメです。「どのようなビジネスで、誰にどのような商品やサービスを提供し、どのようにして収益を得るのか」という内容をわかりやすく整理し、事業計画書に反映させることが重要です。私の役目は、起業家の斬新なビジネスの内容を、金融機関の担当者が理解できるように、「翻訳」することだと思って取り組んでいます。

他のコンサルタント等と提携する

このように、自身の専門分野をアピールし続けていると、他の士業(税理士・社会保険労務士・行政書士)やコンサルタント等から、「うちの事務所と提携してくれませんか」といった話が舞い込んでくるようになりました。

彼らは、クライアントから資金調達の相談を受けることが多いそうですが、「具体的なアドバイスをするノウハウがない」とのことで、「知恵を貸してほしい」、あるいは「仕事として受けてほしい」というのが提携の趣旨です。逆に私は、自らのクライアントを彼らに紹介することになります。

私は、「少しでも仕事につながるチャネルが広がれば」という考えで依頼を積極的に受け入れ、いまでは15人ほどの方と提携しています。その形態はさまざまで、きっちりと契約書を取り交わす場合もあれば、口頭だけで「何か出てきたらお願いしますね」という程度の緩い関係もあります。

現在は、彼らからいただいた仕事も多く、とてもありがたいことだと思います。単にビジネスライクに提携しただけでなく、一緒にランチをしたり飲みに行ったりして、お互いの人となりを理解したことが、実際の仕事につながったような気がします(おかげで、毎日飲みに行ってしまった週もありましたが...)。

退職して強く認識した日本政策金融公庫の存在意義

私は最近、元勤務先である日本政策金融公庫の支店に行くことが増えました。ドアから入って「いらっしゃいませ」と声をかけられると、自分が声をかける立場だった頃を思い出し、懐かしく感じます。時には、「声が小さいなぁ。もっと大きな声で!」と言いたくなるときもあります。

勤めていた頃も、「私たちは、中小企業のために役立つ仕事をしている」という意識はありましたが、融資を受ける側の立場に立って、あらためて日本政策金融公庫の存在意義を感じています。決して、元の勤務先だから、身びいきで言っているわけではありません。日本政策金融公庫は、リスクの高い「創業融資」に積極的だからです。

また、私が着目しているのは、日本政策金融公庫から融資を受けた企業の存続率の高さです。一般的には、「起業しても3年以内に70%は廃業する」といったことが、まことしやかに言われています。ところが、日本政策金融公庫が融資先を対象に調査している「新規開業パネル調査」では、「2006年に開業した企業のうち、開業5年目に廃業している割合は15.2%」という結果が出ています。つまり、80%以上の企業は生き残っているのです。そもそも、「3年以内に70%が廃業」という話自体が間違っているのかもしれませんが、少なくとも、日本政策金融公庫から融資を受けた企業は、かなりの確率で存続していることがわかります。

起業家が初めて融資を受ける際、選択肢は多くはありません。私は日本政策金融公庫に対して、「これからも多くの起業家を応援してほしい」と強く訴えるとともに、起業家に対しては、「日本政策金融公庫から融資を受けたら、存続できる確率が高くなりますよ」と伝えたいと思っています。

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