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独立直後の診断士をレポート

駆け出し診断士の奮闘記

<駆け出し診断士の奮闘記(2)>

文:村上 知也(中小企業診断士)

【第3回】「自然体で進んでいけるといいと思います」[1]

1年間生き延びた

独立初年度の仕事時間の割合
独立初年度の仕事時間の割合

こうして、さまざまなことにチャレンジした独立1年目が終わった。「生き延びた? どうだろう? くたばらずに済んだかな...」というのが、知也の正直な感想だった。会社員時代の年収には、まだまだ及んでいない。

独立初年度を振り返ると、とにかく忙しかったことは間違いない。友人たちからは、「いろんな所に顔を出してるね」、「ソーシャルメディアの投稿を見ると、24時間働いてるみたい」、「同時並行でいろいろやってるよね」と言われる。たしかに、ずーっとバタバタしていたし、生活リズムもボロボロだった。1年目の仕事にかけた時間の割合をグラフにしてみると、右記のような感じだろうか(収入の割合ではないことに注意!)。

では、独立2年目を迎えて、どのような仕事をしていけばいいのだろうか。よく言われる中小企業診断士の3つの仕事である「書く」、「診る」、「話す」。どの順番で力を入れていけばよいのか、先輩診断士の方々にうかがってみると、人によって重きを置く順番が違うのがわかる。

「まずは"書く"ことで知識を深め、本や雑誌に掲載してもらうことで名前もアピールできるので、その後で診断活動に力を入れていくといいんじゃないかなぁ」

「コンサルタントの基本は"診る"だから、まずはたくさんの現場を経験しないと、リアリティのある話なんかできないと思うよ」

知也の1年目の方針は、「バランスよくやっていこう」というものだった。と言うより、「仕事を選ばず、依頼を受けたものは何でもやろう」である。1年間、いろいろな人々から、いろいろな機会を得て、感謝の念にたえない。でもその一方で、自分の方向性に不安も感じていた。

「自分はいったい、何屋さんになっていくんだろう...」

セミナーや研修では、「マーケティング」の話をすることが多い。最初に話すのは、顧客と商品の話だ。

「皆さんのお店では、顧客は明確ですか?」

「皆さんの会社の商品は、強みが明確ですか?」

セミナーが終わるたびに、自嘲してしまう。

「自分だって顧客は明確じゃないし、強みだって明確じゃないよな...」

自分を明確化するには?

セミナー風景

今後は、自分自身をもう一度見つめ直して、セルフブランディングをしないといけないのだろうか。自分にキャッチフレーズをつけて、「○○の分野が強い」と明確化したほうがいいのだろうか。

試しに、「iPhone診断士」というキャッチフレーズをつけた名刺もつくってはみたが、ちょっと恥ずかしく、痛々しい感じがするので、お蔵入りとなった。自分自身で無理矢理イメージを固定し、アピールしていくにしても、その内容に納得できていなければうまくいくはずもない。自分のイメージは、行動の結果として形成されていくべきだろう。

そこで、どのような分野の仕事が多いのか、あらためて振り返ってみる。

  • 数多くのセミナーを開催したが、半数はITにも関係するものだった。
  • 公的機関から派遣されたのは、Webマーケティングの支援が中心だった。
  • 知人から電話がかかってきたと思ったら、パソコンやネットワークのトラブルの相談だった。

etc......

13年もの間、IT会社に勤めてきた知也にとって、ITは趣味としては好きなものだ。しかし、中小企業診断士としては、もっと経営に関する仕事をしなければいけないという意識から、積極的なアピールはしてこなかったようだ。むしろ、「中小企業診断士としての自分って何だろう?」と考えすぎていたのではないだろうか。

知也はそう考え、自分のイメージをつくり上げるのではなく、好きな内容でどんどん活動していくことにした。たとえば、4コマ漫画を使い、経営用語の解説を行うブログをつくった。「マンガが描けるんですか?」と驚かれるが、ソフトを使っているだけで、絵としては誰もが描けるものだ。

「4コマ漫画でイメージする経営と情報」 http://blog.livedoor.jp/london33/

これは、賛否ありながらも、おおむね好評だと思う。

また、開催するセミナーも、無理に経営に近づけるのではなく、要望に応じて、IT関連のタイトルでやってみた。たとえば、「起業するのにFacebookが必要な理由(わけ)」というセミナー。これまでにやったセミナーの中で、何より演じていて非常に楽しかった。参加者の評価も高かったようだ。

そのほか、ITに関する中小企業診断士の研究会も立ち上げることにした。(研究会名はPIT、Practical ITの略で、より実践的なITに取り組みます!)

ブログにしても、セミナーにしても、研究会にしても、自分が好きなことをやって、それが受け入れられるのはとても嬉しいし、何より安心感がある。

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