アンケートにみる診断士の実像

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第4章 データでみる企業内診断士の実態

石田 恵介・東京支部城南支会

 最終章となる本章では、本アンケート調査の中からコンサルタント業務に携わっている企業内診断士にフォーカスし、その実態を明らかにしてみたい。

 なおここでは、下図に示す「4.公務員〜8.民間企業(金融機関除く)」の合計1033名を「企業内診断士」と定義した。つまり、コンサルティング会社を除く企業、団体、自治体等に勤務する診断士資格保有者を「企業内診断士」ととらえたということだ。また、同じく下図の「1.プロコン(他資格兼業なし)〜3.コンサルティング会社等勤務」の合計936名を「プロコン」と定義した。

2.プロコンとの比較からみた企業内診断士

(1)顧問契約先の数

 問16では、「あなたが行っている顧問契約(中小企業が対象)についてお伺いします」と尋ねている。この結果をクロス集計したところ、プロコンでは55.5%と半数超が「顧問契約をしている」と回答している一方で、企業内診断士においても22名(9.8%)と、経営コンサルタント業務を行っている企業内診断士の約1割が顧問先を有していることがわかった。

 さらに、顧問先の数についてみてみると、プロコンが平均5.8社なのに対し、企業内診断士では1.7社、訪問日数はプロコンの4.3日に対し、企業内診断士は2.8日となっている。また、月額顧問料も同様にプロコンの136.5千円に対し、企業内診断士では60.4千円と半額以下になっている。

 中小企業と顧問契約を結び、顧客満足度の高いコンサルティングサービスを提供するためには、事前準備やアフターフォローなど毎月一定の時間を確保したうえで、継続的に支援していくことが求められる。労働時間の大半を経営コンサルタント業務にあてているプロコンに比べ、休日など勤務時間外で時間を捻出することが求められる企業内診断士にとっては、時間の確保が顧問先獲得の足かせとなっている状況が推測される。

 一方で、経営コンサルタント業務を行っている企業内診断士のうち、約1割の者が本業の仕事を抱えながらも平均1.7社、月2.8日、月額6万円を超える顧問報酬を得ていることは、注目に値する。
 

(2)コンサルティング報酬について

 次に、各業務における報酬額の最高額と平均額をみてみたい。なお、報酬額の差が質の高低を意味するものでもないことをあらかじめ断っておきたい。

 企業内診断士の平均報酬額をみてみると、おおよそ20千円前後で推移している。中には、診断業務の40.0千円や講演・教育訓練業務の48.3千円など、4万円以上の報酬を得ているケースもある。

 一方、プロコンの平均報酬額は、執筆を除く業務で50〜70千円の間で推移している。中には、講演・教育訓練業務の141.8千円、経営指導の118.8千円など、10万円を超える報酬を得ているケースもある。

 なお、明確に定義されていないが、本設問での報酬額は「1日あたり」、ないしは「1回あたり」と解釈して差し支えないと思われる。
 

(3)コンサルタント業務の年間売上

 続いて、コンサルタント業務を年間100日以上行っている場合の年間売上をみてみたい。

 まず、プロコンの売上であるが、300万円以内〜3,001万円以上までその状況はさまざまで、下のグラフのようになっている。

 一方、企業内診断士でも、コンサルタント業務を年間100日以上行っている者が26名おり、無回答の4名を除き、22名が有償でコンサルティングサービスを提供している。中でも301万円以上の売上が16名おり、うち1名は3,001万円以上を売り上げている。

 コンサルティング会社等への勤務者は対象から除いていることから、上記26名のほとんどが本業での収入を得ながら、副業としてのコンサルタント業務で売上を上げていると推測される。