アンケートにみる診断士の実像

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第3章 年齢別にみる診断士の実態

茂木 君之・東京支部城南支会

ここでは、本アンケート調査の中から年齢にフォーカスし、診断士の実態に迫ってみた。

1.年齢構成の推移

 診断士が集まるイベントに出かけると、「最近、若手の診断士が増えてきたなぁ」との話を耳にすることが多い。この噂を検証するために、前回(2005年)と今回(2011年)のアンケート回答者の年齢構成を比較したのが図表1である。

 年齢構成に大きな変化はない。ともに50歳代の比率がもっとも高く、40歳代、60歳代と続いている。比率の変化もわずかだ。30歳代を見ると、むしろ微減している。なぜこのような噂を聞くことが多いのだろうか。ここで、1つの仮説が思い浮かんだ。「自分が年をとっていることを忘れてしまっているからではないか」というものだ。「自分より若い診断士が増えている」が、「若手の診断士が増えている」にすり替わっているのではないだろうか。

 感覚的に感じていることと、アンケート結果から判明した事実との間にどのような相違点があるのかを、今回の分析結果から知っていただければ幸いである。
 

2.年齢別にみた独立への意識

(1)独立している診断士の比率

 「問2.あなたの職業は」という質問がある。「1.プロコン経営(他資格兼業なし)」、「2.プロコン経営(他資格兼業あり)」と回答した診断士を「独立している診断士」と定義し、その比率を年齢別に比較したのが図表2である。

 全体では、2.5人に1人(40%)が「独立している診断士」であった。年齢別では、20歳代で12.5人に1人(8%)、30歳代で5.5人に1人(18%)、40歳代で4人に1人(26%)、50歳代で3人に1人(31%)が独立している。このように50歳代以下では、全体での比率(40%)に比べて低い結果となっている。一方、60歳代の62%、70歳代以上の80%という60歳代以上の独立比率の高さが、全体の比率を高めていることがわかる。年齢別に比率をみることで、全体データだけではわからなかった側面を知ることができる。

 また、50歳代と60歳代ではそれぞれ31%、62%と約2倍もの差があるが、これは60歳代で定年を迎え、それを機に独立する診断士が多いことが要因だろうと推測することができる。
 

(2)独立したい診断士の比率

 また、「問12.あなたは中小企業診断士として、今後独立する予定はありますか」という質問もある。独立していない診断士を対象にした質問項目である。ここで「独立したい」と回答している比率を年齢別に比較したのが図表3である。

 全体では2.5人に1人(38%)が「独立したい」と回答している。年齢別にみると、20歳代と30歳代で4.5人に1人(22%)、40歳代で3人に1人(31%)、50歳代では2人に1人(54%)まで上がる。それ以降は下降していき、60歳代で2人に1人(48%)に微減し、70歳代以上では11人に1人(9%)にまで下がっている。

 年齢が高くなるにつれて独立志向が高まっていき、50歳代でピークを迎えているが、60歳代から比率が減少している原因は、独立志向のあった診断士の多くがすでに独立してしまっているためと推測できる(60歳代では62%もの診断士が独立している)。すでに80%の診断士が独立している70歳代以上になると、その傾向はより顕著である。
 

(3)独立から距離を置く診断士の比率

 前述した「独立している診断士」と「独立したい診断士」の2つの結果を統合して考えてみる。前述のアンケート結果をもとに、簡便的に診断士を次の3つの分類に分けた。

  • 独立している(独立)
  • 独立していないが、独立したい(未独立&独立予定あり)
  • 独立していなく、独立の予定もない(未独立&独立予定なし)

 それぞれの比率を年齢別にまとめたのが図表4である。

 「独立していなく、独立の予定もない診断士(未独立&独立予定なし)」は、20歳代で72%、30歳代で64%、40歳代で51%、50歳代で32%、60歳代で20%、70歳代以上で18%となっている。20歳代、30歳代の若手では、「独立していなく、独立の予定もない診断士」が多数派であるが、50歳代になると逆に少数派になっている。若手の診断士も、数十年後には気持ちが移り変わる可能性が十分にあることを示唆する結果ではないだろうか。