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コンサルティング最前線

株式会社北海道二十一世紀総合研究所 取締役調査研究部長原田実さんに聞く
地域をリードするシンクタンクのあり方

取材・文:村橋保春

【第3回】地域におけるコンサルティングの展望

取材日:2008年9月20日

― 地域課題は多様であり、多面的ですので、地域で活躍するコンサルタントは柔軟性が必須課題ですね。

原田さん

原田氏:依頼を受ける業務には、クライアントが抱える課題について専門的知識をより多く持つ方がクライアントの中におられる場合があります。その方に相談すればいいのではないかと思うことがあるのですが、その課題を内部から解決することが難しいこともあるようですね。

こういった課題を解決するコンサルタントは、柔軟に物事を捉え、可能性や実現性の観点から、積極的に考えることのできる人であることが大切ですね。

それとコミュニケーション能力が大切です。クライアント自身が、なにか問題があるのだけれどもはっきりしないことが多い。コンサルティングの対象となる課題、相談したい問題点を見つけだすことも、コンサルタントの業務のうちだと考えます。

― そうしてみるとコンサルタントは、コーディネートも仕事なのでしょうか。

原田氏:コーディネートだけでは業務として成立しないので、コーディネートを通じてコンサルティングの質を高めていく、問題解決を進めていくという考え方はふさわしいかもしれません。

まあ考えてみると、確かにコーディネートという要素は大きいですね。

― コンサルタントに対して、リスクを負っていないから相応のリターンを得られないことがあるといった話がありますが、この点についてはいかがですか。

原田氏:確かにそうした考えを持つ人はおられます。これは、コンサルタント側に責任があり、クライアントにコンサルティングの内容をしっかり理解してもらい、その価値を了解してもらわなければなりません。

目に見えないものに、価値を理解してもらうことは大変です。けれど、この問題を解決しないと、クライアントにとっても、コンサルタントにとってもいい仕事ができないと考えるべきでしょう。

― 地域において、コンサルタントとして活動をする留意しておくこととしてはどのようなものがありますか。

原田氏:これは私自身の考えであり、違う意見があっていいと思うのですが、地域におけるコンサルタントは個別に前に出るよりは、組織の中にあって連携しあって活動することに重点を置いたほうがいいと考えます。

― 東京では名の知れたコンサルタントになって活躍されているコンサルタントもおられますが、どこが違うのでしょうか。

研究所風景

原田氏:東京は多くのコンサルティングファームやシンクタンクがあり、ある程度渡り歩くことも可能です。ただし、東京以外の地域ではそうしたことはなかなかできません。

先にお話したとおり、地域におけるコンサルティングはいろんなコンサルティング課題に対応しなければなりません。つまり、そのつどチームを作り、コンサルタント同士が智恵や経験を出し合って、ふさわしいコンサルティングを実施していきます。常に相互に協力関係にあるわけです。万能なコンサルタントはいませんから、必ず関係者に協力を仰がなければなりません。仲間のいないコンサルタントはいい仕事ができません。これも地域のコンサルティングの特徴といえます。

あまりかたぐるしく捉えられるといけませんが、やはりそれぞれの立場をわきまえる、そうしたコミュニケーション能力というのも大切です。

― コミュニケーション能力といってもいろんな要素を含みます。また、コンサルタントが委員会などを組成するときにしかるべき委員に加わっていただくこともコミュニケーション能力の範囲ですか。

原田氏:コミュニケーション能力でもありますが、どちらかというとコーディネート能力でしょう。ネットワークにもかかってきますし、常にいい人間関係を維持できるコンサルタントであることが求められるわけです。

― 地域におけるコンサルティング業務は、高い能力が必要であることがわかりました。そうしたコンサルタントを育成するにはどのようにすればよいでしょうか。

原田氏:これは難しい問題です。

弊社では、コンサルタント育成、人材育成の観点から、担当する業務は類似性の高い内容を担当してもらうようにしています。蓄積性に配慮しています。実際にはいろんな種類のコンサルティング業務を受託していますので、そのとおりにならない場合もあります。受託業務が主体の事業ですから、取り組みたいと考えていることと実際に求められていることの差が発生します。

― 業務を通じて育成していくことが中心ですか。

原田氏:コンサルタントは、業務を通じて経験を重ねて能力を高め、クライアントとのコミュニケーションの中からふさわしい関係作りを学んでいくものだと思います。業務に関わることが一番の育成方法だといえます。

(つづく)

プロフィール・会社概要

原田 実さん:株式会社北海道二十一世紀総合研究所 取締役調査研究部

原田 実(はらだ みのる)/昭和52 株式会社北海道環境保全エンジニアリングセンターに勤務後、一貫して北海道にあって、シンクタンク研究員または業務管理者として、地域産業振興・地域経済分析にかかる各種調査研究、事業化可能性にかかる各種調査(市場調査、事業化戦略)、環境・リサイクル産業に係る調査等に参加。この間、企業名は、 株式会社 たくぎん総合研究所、 株式会社 北海道二十一世紀総合研究所と名称が変更される。 平成元年から2年間は(財)北海道地域総合振興機構に出向し、産業振興に係る施策推進に係るマネージメントに関わる。平成11年7月 取締役。神奈川県出身
株式会社北海道二十一世紀総合研究所ホームページ:http://www.htri.co.jp/