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コンサルティング最前線

株式会社北海道二十一世紀総合研究所 取締役調査研究部長原田実さんに聞く
地域をリードするシンクタンクのあり方

取材・文:村橋保春

【第2回】北海道におけるシンクタンクとして(2)

取材日:2008年9月20日

― 主に、どのようなクライアントから業務を受託されておられるのですか。

原田氏:最近では、国、つまり経済産業省、国土交通省、内閣府などの機関からの受託が大きくなってきていますね。北海道内の自治体に関しては、どうしても財政的に厳しい状況にありますので、以前ほどの比重ではなくなってきていると思います。

自治体で調査や分析をする場合でも、国の支援事業として実施することが多かったといえます。経済状況、財政状況などの変化で、これまでの枠組みが変化してきています。

ただし、福祉関連の業務は、自治体にとって大切な分野ですので、こうした業務は継続して受託しています。

― 民間企業に関してはいかがですか。

研究所風景

原田氏:民間企業をクライアントとする業務は、われわれが拓銀と関係が深い頃は銀行を通して受託することが多かったですね。当時の経営コンサルティング部は、銀行からの出向者や中小企業診断士の方が、相談や指導に当たっていました。

今は、民間企業が新たな事業を起こす際に、事前のマーケット調査や事業計画を立てる際に、コンサルティングの依頼を受けることがあります。現在の北海道の民間企業は、新規事業に取り組むうえで、こうしたコストをかけるところが多くなれば、こうした業務の受注は増加するということになります。

純粋に民間企業ではありませんが、民間の団体からの依頼はある程度の業務ボリュームをもって受託しています。商工会議所や北海道経済連合会など、社会のあり方や方向性を民間の立場で考える場合に、お手伝いしています。最近では、北海道新幹線の開業効果などの調査研究を行ったりしています。

― 北海道には北海道二十一世紀総合研究所のほかにも、同様な特性を持ったシンクタンクやコンサルティングファームはありますか。

原田氏:われわれは株式会社形式を取っていますが、研究対象や手法に関して割と類似しているものとして2団体ありますね。ともに社団法人の組織形態をとっています。

業務的には似ていますが、社団法人は会員サービスなどについて執り行なっているのに対して、われわれは株式会社ですのでそういった要素を考慮することなく、調査研究を主としている特徴、違いがあります。

― 業務を進める上でのネットワークについてはどのようにされていますか。

原田氏:弊社の歴史から、拓銀時代の人たちとの関係、その後の北洋銀行との人的ネットワークなど、多くのご協力いただける方々、ネットワークがありますね。

また、弊社の株主構成も、北海道二十一世紀総合研究所として再出発したときに、北海道経済連合会の主要企業が株主になっていただき、北洋銀行、北海道電力をはじめ主だった株主からは役員をいただいている関係から、そうした企業間のネットワークもしっかりあります。

― 北海道における調査研究ではリーダーシップをとられているので、例えば、調査研究に力を発揮するスタッフを集めた外部組織、ネットワーク組織のようなものはお持ちですか。

原田氏:明確に組織として作っていることはありません。ただ、過去において弊社に勤務して、コンサルタントとして独立した者や大学で教員をしている者など、協力してくれる仲間は数多くいます。税理士や弁理士になった者もいます。相当数の人たちが弊社での勤務経験があり、けっこう多士済々の陣容なんですね。

弊社の歴史から、業容は拡大縮小を繰り返していったので、関係者は相当数おられる。業務に加わってもらうばかりでなく、転職先の企業でマネージャーとなりわれわれに業務にユーザーとして関わってくれる人もいますね。やはり、いろいろな意味で人間関係は良好であることが、コンサルティング業務にとって、特に大切ですね。

― 次に御社自身の組織の話となりますが、新しくコンサルタントを採用する時には、どのような基準をお持ちですか。

原田氏:たくぎん総合研究所であった当時には、取り扱い業務範囲も業務ボリュームも拡大していきましたので積極的な採用を繰り返しましたが、現在は多くの採用をしませんので、一般的な公募での採用をしています。

公募ですから、われわれが求める人物像、専門性、コンサルティング能力などを明らかにしていますが、多くの方々が応募してくださいます。

ただし、弊社のようにエリアを特定しているシンクタンクでは、あまり業務範囲を絞り込んでしまうと仕事がない場合が出てきますので、注意が必要です。地域は限定する代わりに、業務分野は幅広くしなければならない。そうした関係がありますね。

専門性は大事ですが、特定の専門性だけでコンサルタントを続けることが難しいのが、地方の特性と捉えてもらっていいと思います。

いろいろな業務に対応しなければなりませんから、こうした観点に立つと、専門性もさることながら、柔軟な思考と対応力が強く求められるといえます。

(つづく)

プロフィール・会社概要

原田 実さん:株式会社北海道二十一世紀総合研究所 取締役調査研究部

原田 実(はらだ みのる)/昭和52 株式会社北海道環境保全エンジニアリングセンターに勤務後、一貫して北海道にあって、シンクタンク研究員または業務管理者として、地域産業振興・地域経済分析にかかる各種調査研究、事業化可能性にかかる各種調査(市場調査、事業化戦略)、環境・リサイクル産業に係る調査等に参加。この間、企業名は、 株式会社 たくぎん総合研究所、 株式会社 北海道二十一世紀総合研究所と名称が変更される。 平成元年から2年間は(財)北海道地域総合振興機構に出向し、産業振興に係る施策推進に係るマネージメントに関わる。平成11年7月 取締役。神奈川県出身
株式会社北海道二十一世紀総合研究所ホームページ:http://www.htri.co.jp/