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コンサルティング最前線

価値総合研究所 目黒義和さんに聞く
個人の生活から社会システムまで「価値」を創造するコンサルティングを目指す

取材・文:村橋保春

【第2回】中小企業診断士に求めるのは「ビジネスモデル化支援」

取材日:2008年9月12日

コンサルタントという仕事のあり方

― 次に、目黒様が考えるコンサルタントという仕事のあり方についてお教えください。

目黒氏:コンサルタントという仕事はお客様の喜ぶ顔を見たい、お役に立ちますという気持ちを持ってあたることが大切だと思っています。また、痒いところに手が届く知識やノウハウ、ネットワークを持っていることがコンサルタントに求められる姿勢とも思っています。 もちろん、痒いところには色々なものがありますので、いろんなことに対応できるよう、ゼネラルな観点を持つことやフットワークが軽いことが求められると考えます。また、コンサルタントとして高い専門性を持つことは非常に大切なことですが、今の時代は一つの専門性だけで仕事を進めていくにはきついと思います。たとえば、コンサルタントが相談を受けたときに、自分自身が相談内容にふさわしい情報を詳しく提供し、様々な解決の道筋をキチンと示せればベストですが、課題やニーズも多様化していますので、一人で全てに対応することは、ある意味、限界があるともいえます。ただし、自分がわからないこと、できないことについて、それはわかりません、できませんと単純に答えるのではなく、何らかの解決方法をとることができないといけません。この場合は、自分に代わって的確なアドバイスをしてくれる人と組む、あるいは、相談内容に活用できる資料や文献の在り処を探し出して自ら勉強して解決の糸口を探すなどが求められると思います。

目黒義和さん

そして、そうしたことができるかできないかは、関心のある分野を幅広く持っているかということになると思います。つまり、スペシャリストとしての専門性を持つ一方で、ゼネラリストとして、ある一定以上の知識や技術、ネットワークを複数の分野において持つ努力をすることが大切ではないかということです。
 ゼネラリストになるポイントは、何でも積極的に興味を持ち、コンサルタント自身の専門領域や関連する分野を起点として興味を広げていくことです。特に最初は意識して自分自身を訓練することも必要かもしれません。例えば、マラソンが好きで大会に参加するような人であれば、どうしてこの大会とあの大会は参加者数や競技者層が違うのかと考えてみたとします。それは、その地域の位置や交通の便利さ、コースの景色、走りやすさ、開催実績やスポンサーの違いなどいろんな要素の影響があるかと思います。そして、それを調べてみる。また旅行が好きな人であれば、今いる街とこの間行った街との違いを見て見る。たとえば町並みなら、家の形なのか、意匠なのか、並びなのか、並木なのか、後に見える山の植生なのか。歩いている人達なのか。その要因を見つけて、理由を調べて見る。すると、新しいおもしろい発見をすることができます。ちょっと見方、捉え方を変えるだけで、面白い発見ができ、これをきっかけに、色々な見方や知見、興味が増えると思います。
 また、ネットワークは、広げることがなかなか難しく、あわせて維持することも難しいものです。私自身も中々できていません(笑)。ただ、出会いを大切にして、ちょっとした挨拶、年賀状、暑中お見舞いなども含め、地道な努力を積み重ねることは大切だと思います。私自身、若い頃はよく上司からは用がなくても電話するようにと言われました。メールは便利なようで印象に残らないので、今でもヒアリングの後にお礼の意思を伝える場合などは電話をするようにしています。

中小企業診断士に期待すること

― それでは、最後に中小企業診断士に期待されることをお聞かせいただけますか。

目黒氏:中小企業診断士とは、中小企業の経営について様々なアドバイスをする方だと思っています。
 たとえば、大きな会社の場合は、人事や財務・経理、営業などそれぞれ担当者を置き、専門的に事業運営を進めることができますが、小さいと会社にはそうした余裕がありません。一人で何役もこなすことが求められます。ただ、色々な一人で何役もこなすことは大変ですので、色々な場面での対応策の検討や、それに必要なスキルやノウハウが不足してしまうケースが多々あるかと思います。そして、このような中小企業の方々がもつ様々な悩みを気軽に相談できる人の代表として中小企業診断士というコンサルタントがあると思います。

目黒義和さん

地域の活性化の場合もそうですが、企業経営を大きく捉えると、事業を通じて利益を出す、すなわち、お金儲けをして、そこで暮らし続けられる仕組みを持続させていくことが大切だと思います。もちろん、いずれの事業もやりがいや生きがいを伴うことは大切ですが、現実社会で暮らしていくには、人は収入を得なければなりませんし、収入を得るには、会社は利益を出さなければなりません。例えば、お団子を作る事業では、お団子を作るだけではなく、売ることが必要になってきます。ただ、いくらおいしいお団子を作れても、接客が下手だと売れません。おいしいお団子が売れてはじめて収入となります。もちろん、接客が上手でもお団子がおいしくなければ、2度目は売れません。つまり、収入を得るには、ものづくりのプロという部分と、商売のプロという部分が必要になる訳です。しかし、この両輪をキチンと揃えるのは中々大変ですし、実際問題としてご苦労されているケースが多々見られています。
このため、私どももそうですが、中小企業診断士の方には、地域でがんばる人達をしっかりサポートしていただき、町の味方として活躍されることを期待したいと思います。

(おわり)

プロフィール・会社概要

目黒 義和さん:株式会社価値総合研究所 パブリックコンサルティング部門第一事業部 事業部長  主席研究員

目黒 義和(めぐろ よしかず)/日本大学文理学部地理学科卒業。日本大学文理学部、住信基礎研究所等を経て、1999年に価値総合研究所入社。専門領域は、農山漁村問題、高齢者福祉、中心市街地活性化、都市計画・まちづくり等。近年は、都市農山漁村交流を機軸に地域活性化方策の調査研究やコンサルティングを展開。

会社名 株式会社 価値総合研究所
資本金 7,500万円
所在地 東京都港区三田3-4-10 リーラヒジリザカ7階