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コンサルティング最前線

価値総合研究所 目黒義和さんに聞く
個人の生活から社会システムまで「価値」を創造するコンサルティングを目指す

取材・文:村橋保春

【第1回】コンサルティングファームとしての活躍

取材日:2008年9月12日

本コンテンツ第1回目は、政策から地域の生活まで幅広いコンサルティング業務を進めておられる価値総合研究所の目黒義和主席研究員に、コンサルティングファームとしての変遷やコンサルタントとしての考え方についてお聞きしました。

同社の歴史

― 貴社のコンサルティングファームとしての活躍のご様子を通じて、今後の診断士としての活動のヒントをいただければと思います。さっそくですが、まず御社の歴史からお話を聞かせてください。

目黒義和さん

目黒氏:弊社は、1983年に日本長期信用銀行のグループ会社として設立された株式会社長銀経営研究所が前身となります。その後、1993年のコンサルティング機能の分社化によって、株式会社長銀総研コンサルティングとなり、1999年には、株式会社アサツーディ・ケイの資本参加を受け、長銀(現 株式会社新生銀行)との合弁会社として、株式会社価値総合研究所に社名を変更しました。さらには、2001年MEBO(Management Employee Bye Out)により役職員が全株式を取得し、完全な独立経営に移行し今日に至っています。社会情勢などの影響を受けて、当社もいろいろ形を変えてきましたが、特定の存在に影響されない自立したコンサルティングサービスを提供できる体制を整えることができました。
 社名を価値総合研究所としたのは、価値を創造するお手伝いをする会社になりたいとする考えに基づいています。ここでいう『価値』とは、個人の生活をより豊かにするための「生活価値創造」、ビジネスの新しい枠組みを構築する「事業価値創造」、企業が新しい時代に生残っていくための「市場価値創造」、このようなことを通じて企業価値を高める「企業価値創造」、また、社会システムの効率化・活性化をもたらす「社会価値創造」といったあらゆる「価値の創造」をイメージしています。私どものコンサルティングを通じて、クライアントの皆様にこうした価値を感じていただければ、何よりありがたいと思います。

コンサルティングの特徴

― 御社が実施されているコンサルティングの特徴とはどのようなものでしょうか。

目黒氏:当社で実施するコンサルティングは、主として企業経営のお手伝いをするマネジメントコンサルティング部門と、主として行政(中央官庁・地方自治体)などの政策づくり等のお手伝いをするパブリックコンサルティング部門の2つに分かれています。
 マネジメントコンサルティング部門では、企業の経営戦略・経営計画、内部管理・経営改善、新規事業・新商品開発、給与改定、人事育成、経営育成などが含まれる人事制度再構築を中心にリサーチやコンサルティングを行っています。

パブリックコンサルティング部門では、産業・経済政策、国土・都市政策、地域振興政策、住宅政策、運輸・交通政策、エネルギー・環境、政策評価などに関するリサーチやコンサルティングを行っています。特に、日本の行政は、個人の生活から国づくりまで大変幅広いといえますので、当社はこうした広い守備範囲に関してすべてのお手伝いができるように努力を重ねています。
 そして、弊社では、この「官」と「民」、すなわち民間のコンサルティングと公共のコンサルティング、あるいは、様々な分野でのコンサルティングを担当したスタッフがチームでお手伝いすることにより、多様な視点を持ったコンサルティングを行うことが当社の強みと考えています。

コンサルタントの特徴と育成のポイント

― 次に、貴社に所属するコンサルタントの特徴とその育成方法にお話いただけますか。

目黒氏:私どものコンサルティングファームは、大企業から中小企業、官公庁などと大変幅広い皆さまのお困りごとの解決やご要望の実現に向けたお手伝いをさせていただいております。このため、私どもといたしましては、クライアントの皆さまからのご要望には、オールマイティーにこなすことをできるように心がけています。
 そして、私どもの業務は全て「こだわり」をもって取り組んでおります。その意味では、いわば「手作り」にこだわっていると思います。このため、コンサルタントの業務に対して、『標準的な報告書フォームがあって、その一部を焼き直したものをクライアントに提示する』などと言われる場合がありますが、そうした話を聞くにつけ非常に残念に感じます。私どもでは、クライアントの皆様のニーズに合わせて、そのつど必要なリサーチやコンサルティングを行いますので、定番のルーチンワークといったものはありません。同じようなテーマでもクライアントが違えば、当然、ご要望、たとえば、調査したい部分や欲しい情報、解決したい課題が異なりますので、焼き直しなどで対処できません。私どもでは、こうした姿勢を積み重ねることで、クライアントの皆様から信頼していていただけるようになるのだと考えます。

当社は規模の大きなコンサルティングファームではありませんので、大手のように部門間を人事異動させて人材育成することはできません。このため、様々な仕事、いわば実地を通じてノウハウ・スキルを向上させていく育成方法を取っています。場合によっては、育成の観点から、あるテーマを積極的に受託したり、敢えて任せて一人で行うケースもあります。特に、仕事の中には大切なことが溢れています。社内研修や外部研修なども行っておりますが、当然、仕事の方がクライアントの期待とそれに対する責任から真剣度合いがまったく違ってきますので、そういった緊張した環境の中で仕事をすることによりコンサルタントは育っていきます。

目黒義和さん

一方、私どもでは、得意とする領域一つを深めるだけではなく、複数の領域で様々なご期待にお応えできる力をつけるよう努力しています。もちろん、いきなり複数の領域といっても難しいので、今の自分の専門領域をコアにして、順に関係性の高い領域を増やしていく方法をとっています。特に、今のコンサルティングでは、一つの分野での知見だけでは対応が難しくなっています。たとえば、まちづくりにおいては、地域のためになるまちづくりの検討の仕方、建築や土木の知識、法制度、それらを作り、かつ維持するためのコスト計算、そのコストをカバーする仕組み、住民参加や合意形成に進め方などなど、様々な知識・ノウハウ、あるいは、ものの見方が必要となります。私どもではチームを組んで仕事を進めますが、一人のメンバーの専門領域が多ければ多いほど、様々な視点を盛り込むことが可能となります。

このように、コンサルタントには、そうした専門分野、パーツパーツをいかに増やしていくかが大切になってきますので、各コンサルタントには、それぞれ積極的にスキルを高めるように求めています。この場合、楽しくなければ良い仕事はできない・こだわりを持ってできないとも思っていますので、原則としては個人の意思を聞き、相談しながら、専門領域を増やしていく方法を進めています。もちろん会社ですから、会社として強化したい分野もあります。会社の意思としてスキルアップを求める場合もあると思います。ただ、当社では、主席・主任クラスのコンサルタントがチームの長となっており、それぞれの方針に基づき専門領域を増やすように努めており、会社はそれをフォローする形を取っています。
 コンサルタントの採用は、マネジメントコンサルティング部門とパブリックコンサルティング部門に区分して行っています。ただ、こうした区分は、必ずしも明確ではありませんので、再考する必要があると思っています。また、現在は、即戦力の観点で不足している人材と、育てる人材を採用しています。

プロフィール・会社概要

目黒 義和さん:株式会社価値総合研究所 パブリックコンサルティング部門第一事業部 事業部長  主席研究員

目黒 義和(めぐろ よしかず)/日本大学文理学部地理学科卒業。日本大学文理学部、住信基礎研究所等を経て、1999年に価値総合研究所入社。専門領域は、農山漁村問題、高齢者福祉、中心市街地活性化、都市計画・まちづくり等。近年は、都市農山漁村交流を機軸に地域活性化方策の調査研究やコンサルティングを展開。

会社名 株式会社 価値総合研究所
資本金 7,500万円
所在地 東京都港区三田3-4-10 リーラヒジリザカ7階