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地元に根付いた活動報告

地産地診

【第3回】地方で活躍する若手診断士として

2018年2月27日更新(取材日:2017年10月25日)

地域に根づいた活動を行う中小企業診断士の方々をご紹介する「地産地診」。最終回となる第3回は、薬剤師で、創業70年の(有)マルノ薬局代表取締役として地元に根付いた薬局経営を行う丸野桂太郎さんに、事業承継や若手診断士としての取組みについて伺いました。

―診断士資格を取得されたきっかけをお聞かせください。また、ご自身の薬局経営に中小企業診断士の知識をどのように活かされていらっしゃいますか?

私は、いずれは薬局を継がなければと思っていましたが、さまざまな世界を見たいと思い、一度は東京の製薬メーカーで営業職をしていました。その後、父が体調を崩し、2年で切り上げて帰ってきました。

実は、薬学部時代からコンサルタントの仕事に興味がありました。薬局のコンサルタントをしていた方が診断士資格を持っていたことから興味を持ち、大学院に通いながら独学で勉強をしました。

現在は、実際に3店舗を経営していますが、中小企業診断士の知識は役に立っていますね。たとえば、税理士さんと話すときにもバックグラウンドがわかっていますので、普通に会話をすることができます。

―後継者側として、事業承継を控えている会社に対してアドバイスはありますか?

周りにも、まさに事業承継に直面している企業があります。後継者が成長してくると、言葉は悪いかもしれませんが、親の存在を疎ましく感じたり、もっと自分でやりたいと思ったりするようになります。そのタイミングで親が手を引いていけば、うまく二代目が伸びていくと思います。

見ていると、「もっと二代目にやらせてあげても良いのになぁ」と思うことがあります。私の場合は、強制的に事業承継を行うこととなりましたが、60歳代でも70歳代でも元気な経営者はたくさんいらっしゃいますから、タイミングは難しいでしょうね。

―いずれコンサルティングもしたいという気持ちはありませんか?

コンサルティングの件については、田中博道会長がオープンで、保証協会等の事業の公募や薬局の案件があるときなどは電話で誘ってくださいますのでありがたいです。

薬局は特殊な業界で、基本的に薬の価格は決まっています。調剤薬局の原価は薬代と仕入れのウェイトが高いため、仕入れをどれだけ安くできるかが非常に重要です。たとえば仕入れが2億円ですと、2%違えば2百万円違ってくるわけで、大手はそこをシビアにやっています。あとは、どれだけ加算料をとっていくか、ですね。物販については、当社は結構やっているほうで、売上高の5%程度を占めています。

このように、仕入れと利益の関係性を考えたりすることも多くありますので、中小企業診断士という専門家が中に入ることで数%の利益を生むことができれば、会社を変えていくことにつながると感じています。

また、調剤薬局は資本力のある大手企業によるM&Aが広がっており、地域の薬局が突然、地元の人の知らない東京の会社に変わったりしています。地域医療においては地域とのつながりが大切だと考えていますので、そうした地元に密着した薬局の今後が気がかりですね。本来ならば、地域とのつながりのある事業は継承されるべきだと思います。

―薬局の差別化は難しそうですね。訪問事業などで差別化を意識されているのでしょうか?

そうですね。私の考えている経営の柱は、調剤、在宅、OTC(※)です。かかりつけ薬局を目指していましたので、OTCについては他の薬局さんよりもだいぶ強いと思っています。訪問事業は私が始めました。訪問による加算料がつくため、経営の安定を図り、3つの柱をしっかりと持ってやっていきたいです。

※OTC…一般用薬品(Over-the-counter drug)のこと

―若手の薬剤師の交流会やネットワークづくりもされていると伺いました。

父は薬剤師会で仕事をしていましたので、会社だけでなく人脈も残してくれました。人脈も鹿児島だけでなく、さまざまなところに残してくれたことは大きいですね。

他の業種もそうかもしれませんが、薬剤師もなかなか横のつながりがなく、若手同士のつながりも非常に少ないです。そこで、横へのつながりが生まれると面白いと思い、若手の薬剤師の交流会を企画しました。県内の20歳代の若手薬剤師を中心に、多いときは70名ほどが集まり、勉強をしながら、またお酒を飲みながら、楽しく交流していました。

―地方で活躍する若手診断士として、今後の抱負をお聞かせください。

中小企業診断士には独占業務がなく、名前は聞いたことがあるけれども何をしているのかわからない人が多い、という印象があります。保証協会や行政とのつながりをさらに強化して、「これは中小企業診断士にお願いする仕事だよね」という業務が増えていけば、認知度も上がっていくのではないでしょうか。今後もぜひ、診断士協会を盛り上げていきたいです。

(おわり)

プロフィール

丸野 桂太郎(まるの けいたろう)
鹿児島市生まれ。熊本大学薬学部を卒業後、製薬メーカーに入社し、医薬情報担当者として勤務。実家の薬局へ戻った後は、跡を継ぎ薬局経営をしながら、薬剤師会等の地域活動も積極的に行う。また、社会人大学院生として九州大学大学院医療経営・管理学を専攻し、医療経営・管理学修士(専門職)を取得。中小企業診断士、薬剤師。
事業所名:有限会社マルノ薬局
所在地:鹿児島市鴨池1丁目14番17号
TEL:099-256-9111
E-mail:maruno.k@maruno-ph.com