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地元に根付いた活動報告

地産地診

【第2回】ダブルライセンスを活かして

2018年2月20日更新(取材日:2017年10月25日)

地域に根づいた活動を行う中小企業診断士の方々をご紹介する「地産地診」。第2回は、中小企業診断士と司法書士のダブルライセンスを活かして、51歳のときに金融機関勤務から独立され、2つの専門性を掛け合わせて業務に取り組まれている月野木勝彦理事にお話を伺いました。

―中小企業診断士と司法書士の2つの資格をお持ちと伺いました。

資格を取得したのは、地元の鹿児島信用金庫に勤務していた当時のことです。職場の皆で、中小企業支援のために診断士試験を受けようという話になり、上司の勧めもあって受験したところ、合格しました。私は現在65歳ですが、受験したのは37~38歳の頃でした。

一緒に挑戦した仲間は受からず、引き続き勉強を続ける中、私は当時、本部の債権管理部で法務関連の仕事をしていたこともあり、司法書士試験も受けてみようと思いました。大学も法学部でしたので法律には興味があり、1998(平成10)年頃に合格して51歳のときに独立しました。

鹿児島県協会には、信用金庫にいた頃から加入しており、調査研究事業関係の仕事に携わっていました。

―ダブルライセンスだからこそ、やりやすい業務も多いのではないでしょうか?

そうですね。具体的には最近、合併の案件がありました。2つの企業は元々協力企業でしたが、どちらも単独では先行きが厳しく、一緒になれば何とかやっていけるのではないかと合併することになりました。事業承継のアドバイスと合併の登記手続きをうまく合わせて進められたのは、私が士業を2つ持っていたからだと思います。

もう1つは、司法書士としてのお客様で、名目上3名の取締役がいる会社を取締役会のない会社にしたいという相談でした。話を聞くうちに、昔は繁盛していたものの業績が上がらなくなって事業を縮小しており、今後どのようにすれば良いのかという経営相談まで受けました。登記手続きが中小企業診断士としての仕事につながった例ですね。

―細かい法律の話までできると、顧客側の信頼も厚くなりますね。ダブルライセンスでは、中小企業診断士と司法書士は相性が良いように思いますが、他の士業との相性はどのようにお考えですか?

税理士や弁護士、司法書士の資格を持っていると、どうしても専門性のある方向に引きずられやすいように思います。たとえば、お客様が苦しい状況で経営をどうするかとなったときに、弁護士であれば法的手続きや民事再生に、税理士であれば税務の面に、どうしても引きずられてしまいがちですが、お客様のニーズに合わせて持てるスキルや知識をうまく活用することが求められるのではないでしょうか。

県内には、中小企業診断士と税理士のダブルライセンスで会社を大きくされている方がいらっしゃいます。2つの資格を保有していることから金融機関との信頼関係も構築でき、バランス良く経営と税務の仕事で力を発揮されています。

―中小企業診断士は経営全般の話、税理士は税務の細かい話と、それぞれに役割があるように思います。

特に事業承継において、税理士は当然ながら、相続税や非上場株式の評価などに重きを置きます。一方で、経営者の話を聞いていくと、相続税に悩む以前に事業自体の承継について考えなければならないこともあります。

そのような場合は、まずはこれから経営をどうするかが問題です。どのように事業を維持・継続していくかが最大の問題で、家族経営であれば家族の方と問題を共有し、どのような方法で息子さんに事業を譲っていくことができるかが重要でしょう。そこでは、どうしても診断士的なコーディネーションスキルが必要になります。

―おっしゃるとおりですね。企業内診断士の頃から調査事業に参加されていたと伺いましたが、当時のことをもう少し詳しくお聞かせください。

中小企業診断士は、資格を取得してからもたくさんの勉強が必要です。そのような中で、会社の休みを使って自主勉強会をしていると、実際の現場で知識を活かしたいという欲が出てきます。

私は金融機関にいましたので、審査で上がってくるデータを見て分析することはできても、実際に会社に行って在庫や機械、人の流れを見ることはできませんでした。すると当然、実際に携わってみたいという気持ちになるわけです。「自分も実践経験を積まなければ」と痛感し、一方で協会内では、独立して頑張っている人たちから少しでも勉強をさせてもらい、ノウハウをいただきたいという気持ちがありました。

当時は、先輩診断士の方々からさまざまなことを教えていただき、本当に助けていただきました。皆さんがいらっしゃらなければ、私はここまでこられなかったと思います。

(つづく)

プロフィール

月野木 勝彦(つきのき かつひこ)
鹿児島信用金庫に28年間在職。その間、融資審査や債権管理業務を担当し、平成16年に独立、中小企業診断士と司法書士の業務を行っている。生活信条は、西郷南洲翁遺訓の輪読会に長年参加、私淑している。
事業所名:月野木司法書士事務所
所在地:鹿児島市吉野町2779番地8
TEL:099-213-9214
E-mail:k-urban@po5.synapse.ne.jp