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地元に根付いた活動報告

地産地診

(17)特別編・ゲストハウスを経営する診断士に聞く(2)比企智浩さん

取材・文:齊藤 睦美(中小企業診断士)竹内 覚(中小企業診断士)

【第2回】ゲストハウス×中小企業診断士で茨城県の観光振興に貢献

2017年11月24日更新(取材日:2017年7月23日)

地域に根づいた活動を行う中小企業診断士をご紹介する「地産地診」。今回は、茨城県石岡市でご活躍中の比企智浩さんにお話を伺っています。
第2回は、比企さんならではの活動内容や今後の展望、そして地方で独立を志す中小企業診断士の皆様へのメッセージをお聞かせいただきました。

ゲストハウス×中小企業診断士

―なぜ、ゲストハウスを開業しているのに診断士資格を取得されたのですか?

前職が信用調査会社だったため、診断士資格については自然と耳に入ってきました。初めは効果的な信用調査をしたいという想いで取得を目指しました。しかし、自分が起業する過程で「やりたいことで人の役に立てる喜び」を知りました。そこで勉強を続け、登録後は茨城県内の中小企業を中心にご支援をさせていただいています。

―「ゲストハウス×中小企業診断士」という組み合わせは、どのような場面で活かされていますか?

中小企業診断士がゲストハウス経営に活かされている点は、主に企業経営理論の知識です。起業時にはSWOT分析、4P分析などのフレームワークを使ったため、比較的客観的に意思決定ができたのではと思います。そのほかにも、運営管理と財務・会計が活かされています。具体的には、消耗品の発注タイミングの見極めや掃除などの作業工程の標準化、原価率を意識した食材仕入れなどです。また、総務省の「地域おこし協力隊」の合宿場所として提供し、起業セミナーの講師を務めました。任期満了後の創業の一助になれればと思っています。

ゲストハウス経営が中小企業診断士に活かされている点は、自らの起業の決断から創業、そして現在に至るまでの実体験そのものが診断士活動に活かされています。起業までの決断や創業準備で、自分自身が相当悩み、苦労をしましたので、中小企業診断士として創業支援にかかわるときも説得力のある助言ができます。

また、国の支援制度をまず自社で試すことで、具体的な支援ができます。たとえば、ゲストハウスで各種補助金や経営力向上計画を申請しました。採択や認定をされることでセミナーでも実例として紹介でき、より説得力のある話ができます。

―活動の軸となっているものは何でしょうか?

茨城の観光業を伸ばしていきたいという想いですね。中小企業診断士として活動しているときも、観光客にとって魅力的な個店を増やす支援をしたいという想いがあります。そうした活動の中で、魅力的な個店と自らのゲストハウスとのコラボ企画実現にもつながれば、という期待も抱いています。

―両者の組み合わせによる活動面での長所・短所をお聞かせください。

長所は、実学のノウハウを都度タイムリーに提供できることで、中小企業診断士として差別化を図れることです。茨城県の中小企業診断士協会をはじめ人とのつながりにも恵まれたおかげで、昨年は独立1年目ながら約30社の診断経験を積むことができました。

一方で短所は、多数の企業を支援することが難しい点です。ゲストハウスも経営しているため、専業の中小企業診断士より営業日が少ないからです。しかし、若手で起業して間もないですので、まずは実学に基づいた確実な支援が重要かと思っています。

―日々活動をされる中で、課題と感じているところはありますか?

総合コンサルティングのノウハウ不足です。最近は人事評価制度の構築依頼が増えてきています。しかし、構築するノウハウが自分には不足しており、現状では得意な中小企業診断士を紹介しています。本来の中小企業支援はスピード感が重要だと感じていますので、今後は総合的な支援ができるよう、経験や勉強を続けていきたいと考えています。

茨城県の観光振興に貢献したい

―今後は、どのような活動に力を入れていきたいとお考えですか?

1つ目は飲食業の起ち上げです。飲食も提供できるようにゲストハウスを改修し、地元の地域資源であるイノシシ鍋を提供できるようにしたいです。2つ目は、着地型観光業に特化した旅行業の起ち上げです。着地型観光業とは、その地域でおすすめの観光資源を基にした旅行商品や体験プログラムを企画・運営する業態のことです。地域に密着した旅行業を開始することで、茨城の観光振興に貢献していきたいと思っています。

―最後に、地方で独立を志す中小企業診断士の方へメッセージをお願いします。

まずは、地元の中小企業診断(士)協会に入会して自分の特徴を知ってもらい、仕事を紹介してもらえるよう努力することが大事だと感じています。また、ミラサポや(一社)中小企業診断協会のビジネスクリニック、エキスパートバンクに登録して支援実績を積み、支援ニーズの高いものをメニュー化していくこともおすすめです。地方には中小企業診断士が不足していると感じますので、他の中小企業診断士と差別化できるものが1つでもあれば、武器になるかと思います。

―本日はありがとうございました。

「やりたいことにチャレンジできる人を増やしたい」という比企さん。とても意志が強くタフな方だと感じました。独立2年目にして大活躍をされている比企さんに会い、私たちもとても良い刺激を受けました。

(おわり)

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プロフィール

比企 智浩さん

比企 智浩(ひき ともひろ)
noroshi代表。1989年生まれ。茨城県石岡市出身。大手信用調査会社に勤務後、独立。旅の経験から茨城の地域資源に可能性を感じ、古民家ゲストハウスjiccaをオープン。地域にかかわる里山イベントを開催し、地域の魅力を発信している。また、自身の創業経験を糧とし、中小企業診断士としてITと実学を用いた経営支援を実践している。


【会社名】noroshi
【所在地】茨城県石岡市加生野392-1
【E-mail】info@noroshi-c.com
【URL】http://noroshi-c.com 【ゲストハウスjiccaHP】http://jicca-gh.com