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中小企業診断士の広場

地元に根付いた活動報告

地産地診

(16)特別編・UIターン診断士に聞く(3)細野哲平さん(東京都→宮城県仙台市)

取材・文:松本 真也(中小企業診断士)

【第1回】地元愛に突き動かされたUターン

2016年12月20日更新(取材日:2016年9月19日)

地域に根づいた活動を行う中小企業診断士をご紹介する「地産地診」。今回は特別編として、「UIターンをした中小企業診断士」を取り上げています。第3弾となる今回は、東京都から地元の宮城県仙台市へUターン直後に診断士試験に合格し、現在は(一社)宮城県中小企業診断協会の理事として活躍されている、合同会社ジェイドキャット代表社員の細野哲平さんにお話を伺いました。
 第1回は、現在の活動状況や、Uターンに至ったきっかけなどをレポートします。

地方ならではの幅広い業務領域

―現在の仕事についてお聞かせください。

主に公的支援機関から仕事を受託しています。よろず支援拠点、商工会・商工会議所などを通じて、地場企業の皆様のご相談に対応しています。そのほか、直接の契約で継続的にコンサルティングを行っているお客様が数社あります。

―最近、特に力を入れている案件を教えてください。

中期事業計画策定のご相談をいただくことが増えてきています。企業さんと一緒になって、会社を今後どうしていくか、何に力を入れていくべきか、具体的には何に取り組むべきか、などを考えながら計画に落とし込んでいきます。場合によっては、経営戦略の見直しからお手伝いしたり、経営革新計画の認定の支援を行ったりもしています。

また、よろず支援拠点や宮城県仙台市の主催で、Webや海外進出をテーマにセミナーを行うことも多いですね。Webについては、ホームページを作りたい、ネットショップをやりたい、といった初歩的なニーズに対応するものから、作ったホームページの効果を上げるためにはどうすれば良いかを指南するものまで、さまざまな内容をお話ししています。一方、海外進出については、自社の製品を輸出するためには何から取り組めば良いか、商談会にはどのように出展するか、といった相談をよくいただくため、そのような話をします。

―これまでのご経験や専門スキルを活かされてお仕事をされているのですね。

そうですね。東京にいた頃は、独立SEとしてシステム開発業務を受託していましたので、ITは専門分野です。また、サラリーマン時代には、勤めていたオンラインゲーム制作会社の中国進出に携わっていたため、海外――特に中国進出に関しては経験があります。失敗体験も含めて、ですが(笑)。

ただし、たとえば「Webマーケティング」ではなく「IT」、「中国進出」ではなく「海外進出」といったように、対応領域を広めに設定しています。これは、地方で活動するには、仕事の幅をむやみに狭めないほうが良いと考えているためで、専門外のことでも、相談者に寄り添いながらきちんと学ぶ努力をすれば、たいていのことには対応できますからね。

Uターンして気づいた、自分の中の「地元愛」

―Uターンに至った経緯をお聞かせください。

わが家に子どもが産まれるタイミングで、マンションが手狭になるため、引っ越さなければならなくなったんです。そのときふと、「仙台に戻るのもいいな」と(笑)。たぶん、心のどこかで東日本大震災のことがずっと気になっていて、「戻りたいな」という気持ちがあったのだと思います。仙台には実家もありますし、子育てには良い環境だと考える中で、イメージがどんどん具体的になっていきました。

しかし、一番の問題は、仕事があるかどうかです。当時の私は、すでに独立していたとはいえ、まだ診断士試験に合格していない、フリーランスのSEでした。最悪の場合、平日は東京に出稼ぎをしようと考えていましたが、幸いにもUターン直後に診断士試験に合格することができ、そのような事態にはなりませんでした。

―いったい何が、細野さんをUターンへと突き動かしたのでしょうか。

私は、これまでに14回も引っ越しを経験してきたため、どこが地元なのか、自分でもよくわかっていませんでした。けれど、仙台に戻ってから居酒屋で独り飲んでいたときに、「あぁ、帰ってきて良かった」とホッとしている自分に気づいたんです。やっぱり、自分の中にも地元愛があるのだな、と。きっと、それが行動を起こす原動力になったのでしょう。

―Uターン当初は、どのように仕事を獲得していかれたのですか。

実務補習でお世話になった指導員の先生から、宮城県中小企業診断協会の事務局としての仕事をご紹介いただいたことが大きいですね。電話番のような役割で事務所に常駐する中で、多くの先輩方と知り合い、徐々に仕事を紹介していただけるようになりました。

もちろん、最初は自ら支援機関に電話をして、仕事がないかを聞いて回ったりもしました。中小企業診断士であることを名乗ると、話だけは聞いていただけましたね。

―ITや海外でのご経験など、たくさんの強みをお持ちの細野さんですが、仕事を得るうえでのご苦労はありますか。

苦労と思ったことはあまりありませんが、Uターン当初は収入を安定させることが大変でしたね。Uターン初年度は、フリーのエンジニアさんとともに、ある東京の企業のシステム開発案件を請け負っていたのですが、取引先とのトラブルで、売上が入ってこないのに外注費用が出ていき、家賃すら払えなくなりそうになったこともあります。しかし、初年度は3割もあれば良いと思っていた中小企業診断士としての仕事が、終わってみれば8~9割を占め、いまではそれがほぼ100%になり、何とか安定した生活ができるようになりました。

(つづく)

プロフィール

細野 哲平(ほその てっぺい)
合同会社ジェイドキャット代表社員。中小企業診断士。モバイルコンテンツプロバイダー企業のSEとして勤務した後、26歳で独立。経営者としてさまざまな経験を積みながら診断士資格を取得し、自身の経営者経験を活かして、宮城県を中心に真に社長の身になった経営支援を行う。得意な支援ジャンルは、経営戦略・事業計画策定、IT・Web活用、中国を中心とした輸出入・海外進出など。
(一社)宮城県中小企業診断協会 理事、宮城県よろず支援拠点コーディネーター、仙台商工会議所 エキスパートバンク登録専門家、宮城県商工会連合会 エキスパートバンク登録専門家ほか公職多数。

事業所名:合同会社ジェイドキャット
所在地:宮城県仙台市宮城野区宮千代2-18-2-607
TEL:022-778-6418
E-mail:t.hosono@jadecat.biz
ホームページ:合同会社ジェイドキャット

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