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(14)奈良県編

取材・文:平井 彩子(中小企業診断士)

【第2回】中小企業診断士資格を取得して活躍の場が広がる

取材日:2015年10月5日

第2回は、奈良県出身で奈良中央信用金庫にお勤めの山田章生さんに、奈良の県民性や中小企業診断士資格の活用について、お話を伺いました。

奈良の県民性

―奈良の県民性についてお聞かせください。

奈良県は、県外就業率(29.9%)が全国1位で、昼夜間人口比率(89.9%)が全国45位と昼間は仕事等で県外におられる方が多く、大阪圏のベッドタウンという特徴があります。奈良県の北西部に位置する古来国中(くんなか)と呼ばれた奈良盆地に人口の大半が集中しており他府県より転入して来られた方も多くおります。他府県から来られた新住民と、先祖代々奈良県に住んでいる旧住民とでは気質に違いがありますが、総じて、保守的で倹約を旨とする県民性があります。

普段はあまりお金を使わない堅実な県民性を反映してか?奈良県は、人口単位当たりの小売業年間商品販売額が全国45位、コンビニエンスストア数が全国最下位となっており、小売店の多くは苦戦されています。倹約して、しっかりと預貯金を蓄えており、世帯当たりの貯蓄額は全国2位となっています。

反面、奈良県民は見栄っ張りです(一概には言えませんが…笑)。結婚式を派手にすると言えばわかりやすいでしょうか。使うときには羽振り良く使うのですよ。特に子供の教育にはお金を使います。ピアノの普及率が全国1位で、昔は女の子には弾かなくても必ずピアノを、なんて話もあったほどです(笑)。また、最終学歴が大学・大学院卒の方の割合が全国3位です。進学塾の社長さんから伺った話では、受験生千人当りの東京大学と京都大学への合格者数がダントツで全国1位だそうです。

―単位人口当たりの飲食店の数が全国最下位だそうですね。

そうです。また女性の就労率も全国最下位なのです。そのせいか、ちゃんと家でご飯を食べる方が多いようです。一方で、県外に働きに行く人の比率は全国一ですので、会社帰りに大阪や京都等でご飯を食べて帰ってくる人も多いのだろうと思います。

中小企業診断士資格を取得して、役割が広がる

―山田さんは、なぜ中小企業診断士資格を取得されたのでしょうか。

中小企業診断士には平成25年10月に登録しましたが、以前から中小企業診断士資格を取得したいと考えておりました。実は私の実家も中小企業で、製材業を営んでいました。奈良県は吉野杉が有名な様に、かつては林業や製材業が盛んな地域でした。吉野方面から切り出してきた木材を、奈良盆地の南部の地域に集積して製材する。そういった業種が以前は盛んで、私の祖父が昭和20年頃に創業し、私も学生時代はよく木材加工を手伝っておりました。親は後継ぎにと考えていたと思いますが、製材業は将来の展望が描きにくい産業でしたので、後を継ぐ自信が無く、結局、家業は後継者不在となり廃業しました。

実家が中小企業であったことから、特に自分が育った奈良の企業を支援していく仕事がしたいと地元の信用金庫で働く道を選択しました。私が勤務する信用金庫は、自宅の近隣に本店があり、親も取引をしていましたから、幼い頃から親しみがあったのです。信用金庫職員として地域の中小企業をサポートするために最適な資格ということで、中小企業診断士資格を取得しました。

―中小企業診断士資格を取得して、仕事や活動で変わった面はありますか。

中小企業診断士資格を取得するまでは、現場で融資審査の業務をしていましたが、資格を取得してからは、本部スタッフとして中小企業をサポートする仕事が中心になりました。
資格を取得した当初は、有資格者が私1名でしたので、取引先企業への経営改善・事業再生支援を中心に取り組んでおりました。平成27年4月からは診断士が1名増えて2名体制となり、業務を分担し、私はビジネスマッチングや、販路開拓支援、補助金申請サポート、専門家の紹介等を幅広く行っております。

また、アベノミクスの目玉施策である地方創生に関する当信用金庫内の担当者となり、地方自治体との、連携窓口としての業務も行っております。各自治体は今年度内に地方版総合戦略を策定する必要があり、その中では金融機関との連携を強く求められていて、私は自治体との、つなぎ役をしています。また地域産業振興センターや、よろず支援拠点、商工会議所、商工会との連携窓口的な仕事では、各種セミナーの共催、ビジネスフェアへのブース出展等を行っており、中小企業診断士としての活躍の場が広がっています。

―取得した資格と仕事内容がマッチして、やりがいがありますね。

おかげさまで、そのとおりですね。私が勤務する奈良中央信用金庫は、信用金庫でも中規模クラスで、役職員数265名と、結構小ぢんまりとした所帯でやっていますので、何でも経験をさせていただけるのは有り難いことです。

奈良県中小企業診断士会とも連携を深めており、当信用金庫独自の助成金制度である「ちゅうしん地域中小企業振興助成金制度“通称グッドサポート”」でお手伝いをお願いしております。この助成金制度は年間総額800万円程度の助成金を奈良県内の企業が実施する新規事業に対して助成するもので、今年度で8回目となり、その審査委員会に同会にも協力をいただいております。

最終審査は事業者の方にプレゼンテーションをしていただくことになっており、同会の診断士の皆様にプレゼンテーションのサポートをお願いしておりまして、専門家による助言により事業計画がブラッシュアップ出来たと事業者の方にも好評を得ております。

(つづく)

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【関連情報】

山田 章生(やまだ あきお)
1994年3月同志社大学経済学部を卒業後、同年4月奈良中央信用金庫に入庫、2013年9月中小企業診断士登録、現在は同信用金庫に勤務する診断士として地元中小企業へのライフステージ毎の経営支援や、地方自治体が策定する「まち・ひと・しごと創生総合戦略」への地域金融機関としてのさまざまな連携業務に携わっている。
勤務先:奈良中央信用金庫 営業推進部長兼地域創生推進室長
所在地:〒636-0398 奈良県磯城郡田原本町132番地の10
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