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地元に根付いた活動報告

地産地診

【第3回】商店街の空き店舗活用による実践的な創業支援

取材日:2015年9月2日

「地産地診」コーナー・神奈川県編の第3回は、パソコン講師・受験予備校講師と並行して、(一社)神奈川県中小企業診断協会の地域活性化支援部理事として活躍される和泉朱美さんにお話を伺いました。

地域貢献に魅せられ、診断士活動に軸足をシフト

和泉朱美さん
和泉朱美さん

―中小企業診断士に合格される前から独立されていたそうですね。

元々、フリーランスでパソコンの講師をしていて、今年の3月頃まではパソコン講師をメインに活動していました。2013年に中小企業診断士に登録し、1年目に神奈川県協会に入会しました。

入会と同時に地域活性化支援部に入り、ご縁をいただいて2年目で理事に就任しました。今年で3年目の活動となりますが、軸足を徐々に診断士活動にシフトしています。

―地域活性化支援部では、横浜市の商店街と連携して非常に実践的な取組みをされていますね。

昨年から横浜市と連携して「横浜市商店街空き店舗活用チャレンジショップ事業」というプロジェクトを始めています。これから創業したい人が、市内の商店街の空き店舗を活用し、店舗運営を実際に経験してみて、お客様の反応にも直に触れ、店舗のオペレーションも実験的に体験することによって、本格出店につなげていこうという狙いです。
1期目は、相模鉄道・和田町駅前の和田町商店街、京浜急行鉄道・金沢文庫駅前の金沢文庫ふれあい商店街でそれぞれ1店舗ずつ取り組みました。

―具体的な事業についてお聞かせいただけますでしょうか。

金沢文庫ふれあい商店街では、ママさんたちのママさんたちによるママさんたちのためのショップという形で、コミュニティサロン事業を展開されています。ママさんたちが、自分たちが困っていたことを解決するサービスを地域の人たちに提供しようということで、3つの事業に取り組んでいます。

1つ目は、ママさんたちの"居場所"を提供する「ほんわか」事業です。商店街で買い物したついでにちょっと立ち寄るとか、困りごとを相談し合い、時には愚痴を言い合うような場所です(笑)。子どもは少し横に置いて、子どものことやご主人のことを話し合う、友だちの家のリビングのような感覚の場を提供されています。

2つ目は、「小箱ショップ」という棚のエリア貸し事業です。1ボックスに対して1カ月の賃料を設定し、出品者ご自身で作ったモノ、好きなモノなどを展示して、販売するスペースを提供しています。小さいバッグや髪留め、お子さん向けのオモチャのようなものを販売し、売上を出品者と店舗側でシェアします。

最後の3つ目は、「きらりlesson」事業です。主にママさん向けの講座を行いますが、たとえば「ウクレレ教室」など一般的な趣味や嗜好に関する講座のほかに、「おんぶ紐やだっこ紐の使い方講座」といった、お子さんをあやす方法などママさんたちの困りごとを解決するようなテーマも取り上げられています。

ワクワク体験のサポートで地域貢献を

パソコン講師、診断士受験校講師としても活躍される和泉さん
パソコン講師、診断士受験校講師としても活躍される和泉さん

―創業の裾野の広がりが期待できる素晴らしい取組みですね。

金沢文庫ふれあい商店街の事例の場合、本当に初めて事業をされるようなママさんたちでしたので、オペレーションや決めごとを最初に作っていくのがとても大変でした。それを出店前からプロジェクトメンバー数名で支援をして、出店後も毎週1回、巡回訪問をし、月に1回はしっかりとミーティングを行い、支援をする中で、店舗運営が洗練されていく様を目の当たりにすることができました。2店舗500万円規模のプロジェクトで、神奈川県協会の中でも非常に意義のある活動となっています。

―チャレンジショップ事業の今後の展望をお聞かせください。

チャレンジショップ事業は今年始まったばかりの新たな取組みで、現在2期目を迎えた段階です。空き店舗と出店者をマッチングするだけではなく、1つの出店者に対して約5名の診断士がチームを組んで、半年間継続的な支援を行います。
出店者の方に店舗経営の楽しさと難しさを感じていただきながら、創業体験を自信や自立につなげ、地域に貢献していきたいと思います。

(おわり)

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和泉 朱美(いずみ あけみ)
2013年中小企業診断士登録。テレマーケティング会社勤務にて、コールセンター立ち上げ、運営等に従事後、パソコン講師となる。現在は、出身地である神奈川県をベースに、調査業務などを行うとともに診断士受験校講師として活動中。