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地元に根付いた活動報告

地産地診

【第2回】若手にもチャンスが多い事業再生支援プロジェクト

取材日:2015年9月2日

「地産地診」コーナー・神奈川県編の第2回は、コンサルティングファーム・(株)ライブリッツ・アンド・カンパニーの代表取締役で、(一社)神奈川県中小企業診断協会の経営支援部長も務められる小野史人さんにお話を伺いました。

中小企業支援機関や金融機関との連携を強化

小野史人さん
小野史人さん

―経営支援部では、事業再生支援プロジェクトに積極的に取り組まれているそうですね。

神奈川県の大きな特徴は、神奈川県信用保証協会、横浜市信用保証協会、川崎市信用保証協会と、県内に3つの信用保証協会が存在することです。神奈川県中小企業診断協会ではそれぞれの信用保証協会と提携し、会員の中小企業診断士が外部専門家として派遣され、延べ3日間の経営改善提案、延べ5日間の経営改善計画策定支援に従事しています。
また、県下の金融機関との関係も深めており、八千代銀行、神奈川銀行のほか、2015年4月には湘南信用金庫との連携も始まりました。

―派遣される専門家はどのように選定されるのでしょうか。

事業再生プロジェクトは昨年立ち上がったばかりですが、1年目は70名、2年目の今年は80名が参加しています。プロジェクトでは、メンバーのキャリア情報を共有するだけでなく、3カ月に2回のペースで定例の支援事例の報告会や勉強会を行うことで、お互いの交流を図り、顔が見える関係を築いています。

信用保証協会や金融機関からの依頼に対しては、プロジェクトメンバーの中から公募で受任希望者を募ります。案件情報はプロジェクトメンバー全員に平等に与えられるようにしています。メンバーは元々事業再生の分野への意識が高い方々ですので、積極的に案件に手を上げてくれていますし、2名ペアで案件に取り組めるルールを取り入れるなど、経験値の少ない方でも参加していただきやすい環境を心がけています。

―ペアだと取り組みやすいですね。

経験者をリーダーとし、サブ担当も募集することで、プロジェクトメンバーのスキルの底上げを図っています。経験のない方にとっては、「0」を「1」にすることで実績となります。リーダーにとっても、サブ担当者に作業を分担できますし、双方にメリットがあります。

このような工夫により、4月に入会されたばかりでも、夏頃にはすでに神奈川県協会の代表として信用保証協会のモニタリング支援に帯同している方もいらっしゃいます。

協会運営での得がたい経験

経営セミナーで活躍される小野さん
経営セミナーで活躍される小野さん

―経営支援部でほかに注力されていることはありますか。

事業再生以外の支援では、国際化支援を担当しています。今年度から本格的にスタートしたところで、現在は試行錯誤の段階です。実際に未経験の会員の仕事につなげていくのは非常に難しいテーマですが、まずは会員が国際化支援の業務にかかわる機会を作るところを目的に活動を進めています。

具体的には、海外経験が豊富な方からの経験談や、JICA横浜など、地域の国際支援団体の方々の講演などを企画し、会員が国際化支援に取り組むきっかけづくりに注力しています。

―会社の代表者でありながら、経営支援部の部長を務められるのは大変ではありませんか。

本業の経営コンサルタント業と神奈川県協会の組織運営の活動フィールドを切り分けることで、バランスをとるようにしています。神奈川県協会では運営側に徹し、会員やプロジェクトメンバーの活動を支援することで地元企業の発展に貢献するように努めています。

―協会運営のやりがいはどこにありますか。

個性の強い中小企業診断士の組織として、県協会にはさまざまな立場の方がかかわられています。しかし、そのさまざまな意見を調整しながら物事を前に進めていくことは、実際に企業のコンサルティングを実施するときや自分の会社の代表者として組織運営をするときの経験として非常に役立っています。さらに、診断士の業界団体の代表者として金融機関や信用保証協会の役職者の方々と折衝することも、非常に得がたい経験となっています。

(つづく)

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小野 史人(おの ふみと)
従業員100人未満の老舗企業・成熟企業の経営改善と経営革新に特化した株式会社ライブリッツ・アンド・カンパニー(経営革新等支援機関)の代表取締役を務める。経営者とその従業員・スタッフが夢や目標に何度でもチャレンジできる環境と可能性を提供できるコンサルティングを心がけ、経営改善という枠組みのなかで、コンサルティングだけではなく、出口戦略の1つとしてM&Aアドバイザリーにも取り組んでいる。