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地元に根付いた活動報告

地産地診

(10)長野県編

取材・文:住田 俊二(中小企業診断士)

【第3回】青年部を通して診断士活動を活性化

取材日:2013年9月12日

協会活動の活性化には、若手診断士の参加が欠かせません。地産地診・長野県編の最終回は、長野県協会の若手を代表して、内田英明さんに青年部での活動や、ご自身の中小企業診断士としての活動方針などをうかがいました。

資格取得から独立まで

― では、長野県協会の若手代表ということで、内田英明さんにうかがいます。まずは、診断士資格を取得された経緯をお聞かせください。

内田英明さん
内田 英明さん

東京の会社に就職して3~4年目だったと記憶していますが、会社の自己啓発の通信教育プログラムに中小企業診断士があり、それが目にとまりました。当時は営業職で、何か手に職をつけたく思いましたし、業務の中でいろいろと考えることや提案することもあり、裏づけを持って言う必要があると考えていました。また、いつかは個人で独立して仕事ができたら、とも漠然とは考えていました。

― それで、通信教育を経て、受験されたわけですね。結果はいかがでしたか。

一次試験は落ちたと思ったのですが、受かっていました。二次試験は、ちょうど制度が変わる境目をまたいで3回受け、3回目でようやく受かりました。

新制度の初年度で、二次受験資格が失効する年に受かったんです。制度が変わり、どのような問題が出るのか不安で、予備校の直前講習を受けましたが、おかげで勘所を知ることはできましたね。

― 合格されてすぐに独立されたのですか。

実は、それから2回転職しました。合格前から父の体調が思わしくなく、また満員電車にもうんざりしたところがあって、長野県内の広告会社に転職し、そこに4年間勤めました。広告代理店は「何でも屋」で、イベントやノベルティ作成、住宅展示場の運営など、さまざまな仕事をやりました。

その会社に在籍中に父が死去し、安曇野市の実家が空き家になりましたので、この家から通えるところということで、地元企業に転職し、そこに6年間勤めました。ここは事務のアウトソーシング受託企業で、主に営業を担当しましたが、最後の1年は畑違いの分野で、パート女性12人の教育から体制づくり、シフトづくりや顧客との条件交渉などを担当しました。その後、会社の組織や方針が変わり、自分のやりたい仕事ができなくなりそうでしたので、独立を決意し、平成24年7月に独立しました。

― 協会には、独立以前から入会されていましたか。

合格直後に、東京支部中央支会(当時)に入会しました。その後すぐに、長野県支部(当時)に転入し、10年以上在籍しています。実は在籍中から、中小企業診断士の仕事のお手伝いもしてはいたんです。

― でしたら、独立されるときの不安は少なかったのではないでしょうか。

不安はありましたが、企業勤務中に軍資金などの準備はしました。

独立して最初の3年間程度は、自分の中小企業診断士としての基礎を固める時期と考えています。ですから、いろいろな仕事を追いかけるのではなく、ご縁の中で得られた仕事にしっかり取り組み、自分の中で消化することを考えています。

― たとえば、どのような仕事が多いのでしょうか。

現在は、物産開発や農業者の経営診断などに取り組んでいます。

たとえば、飲食店が外販商品を新たに作ろうとする際に、その原材料に地元の産品を使って、付加価値を高めた新商品を開発するのを支援するなどです。美味しい、良い品物ができていますね。今後、業態を広げることにつながればと思っています。

― 今後の仕事の方向性については、どのようにお考えですか。

独立後3年間の先はまだ漠然としていますが、当面は「石の上にも3年」の気持ちです。

― 中小企業診断士を目指す方に、アドバイスをお願いします。

合格して資格を取得できれば、それに越したことはありませんが、仮に取れなくても、ひととおりの体系的なものは習得できると思います。それを自分の仕事の中で掘り下げていくこともできますので、まずは挑戦することに意味があると言えます。

― 内田さんは企業内診断士として、10年のご経験をお持ちです。企業内診断士の皆さんにもひと言いただけますか。

大手企業ですと企業内診断士の会を作ることができますが、中小企業ではそうもいきません。社外に出て、さまざまな中小企業診断士とつながりを持つことが大切だと思います。そうすると、自社で当たり前と思っていたことが世間ではそうではない、などの気づきや学びを得られることがあります。

青年部の活動

― 社外に出るということは、たとえば診断協会の活動などですね。

青年部例会の風景
青年部例会の風景

そうです。私がリーダーを勤めている「青年部」は、企業内の方のほうが多いくらいです。銀行やメーカー、企業経営者など、さまざまなバックボーンをお持ちの方と交流できますので、それだけでも青年部の存在価値は大きいですね。

― 長野県協会に青年部ができた経緯を教えてください。

ちょうど2年前、プロコン養成塾の1期生で顔見知りだった原祐治さんと自分が発起人になり、設立しました。発足時は10人ちょっとでしたが、時間の経過とともに会員が増え、いまでは20人近くになっています。

― 会の開催は、どれくらいの頻度ですか。

2ヵ月に1回程度、例会を開催しています。開催場所を長野市、松本市、上田市でローテーションしていますので、会員の出席の機会が確保されます。

― 始めたきっかけを教えてください。

滝澤会長:北関東信越ブロックの会議を栃木県で開催した際に、栃木県協会の青年部の方が多く参加され、いきいきとしていたのが印象に残りました。それを若手に話したところ、内田さんと原さんが発起人になって始めたというわけです。栃木県協会の矢口会長(当時)にはアドバイスをいただき、大変ありがたく思います。

― 参加資格、たとえば年齢制限などはあるのでしょうか。

50歳未満で診断士資格を持っている方なら、誰でも参加できます。長野県在住で、他県の協会に所属している会員の方も参加されています。おそらく、これまで他の診断士と話をする機会のなかった方が多いのではないでしょうか。また、同年代で集まることができるのが好評なようです。来年には、私より若い方が東京から転入予定ですが、その方はすでに、前回の青年部例会から参加されています。

― 長野県出身の方は、やはり地元での開業を志向される場合が多いのでしょうか。

滝澤会長:東京の連合会などに行く機会もありますが、あの電車の混雑にはなかなか慣れませんね。自然の豊かな長野県で生まれ育つと、そのように考える方が多いのではないでしょうか。

(おわり)

内田 英明(うちだ ひであき)
内田中小企業診断士事務所代表。一般社団法人長野県中小企業診断協会理事。1971年長野県生まれ。1994年より東京の企業に勤務し、2001年診断士合格。長野県での企業勤務を経て、2012年7月、内田中小企業診断士事務所を設立して独立。サービス業・農業・流通業のマーケティング、営業戦略の立案と実行支援、企業の組織設計・マネジメント、経営革新・創業支援などに携わる。

会社名 内田中小企業診断士事務所
所在地 〒399-8204 長野県安曇野市豊科高家4097-1
E-MAIL h_uchida@d7.dion.ne.jp
TEL 0263-87-9018