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地元に根付いた活動報告

地産地診

(9)福岡県編

取材・文:大石 幸紀(中小企業診断士)

【第3回】協会広報という仕事にかける思い

取材日:2013年5月30日

協会活動の活性化には、若手診断士の参加が欠かせません。福岡県協会では、30代の米倉さんが広報委員長に就任し、得意のITを駆使して協会の広報活動を担っています。米倉さんの広報に対する思い、ご自身の中小企業診断士としての方針についておうかがいしました。

コンサルティングファームでの経験が、現在の仕事に役立っている

― 最後に、福岡県協会の常任理事で、広報委員長の米倉博彦さんにお話をうかがいます。

米倉博彦さん
米倉博彦さん

私は、平成18(2006)年に中小企業診断士登録をしました。大学を出てからは、IT企業でSEをしていました。ネットワークの構築などを中心に手がけていましたが、30歳の頃は、会社の中でどのようにお金が流れているのかなど、少しもわかりませんでした。営業さんから言われた仕事を構成図に起こして、システムをインストールするくり返し。このままでは、つまらない大人になってしまうのでは、といった思いから、勉強することにしました。そして、せっかく勉強するのなら、成果の明快なものをということで、中小企業診断士に挑戦することにしました。その後、受験学校に入って必死で勉強し、何とかストレートで合格することができました。

― 合格後、すぐに独立されたのですか。

中小企業診断士登録をしたら、やはり資格を使って生きてみたくなりました。しかし、いきなり独立するのではなく、会計事務所系のコンサルティングファームに転職することにしました。そこで2年間働き、コンサルティングのいろはを学びました。そのコンサルティングファームを退職して、3ヵ月間くらいゆっくりしてから独立しようかと思っていたのですが、すぐに先輩の診断士から、仕事を手伝ってくれないかとお声がけをいただいたので、そのまま独立することになりました。

― 現在のご活躍の要因は、どこにあるのでしょうか。

独立して4年が経過し、昨年の収入は、30歳でITの上場企業にいた頃を超えています。独立前に2年間、会計系コンサルティングファームにおいて仕事の面でさまざまな経験をさせてもらったのが良かったと思います。そこで得た人脈や仕事のやり方によって、自分の幅が広がりました。もし、IT企業を辞めた後、すぐに独立したとしたら、いまでも提供できるスキルはITだけだったと思います。しかし、コンサルティングファームでの経験があったからこそ、現在、事業再生の分野などで活動できていると思います。

また、私は読書が趣味でして、読書好きが高じて速読術を習得し、必ず1日1冊以上読んでいます。ジャンルはさまざまですが、本から得たあらゆる知識が仕事に生きています。経営者の方は本好きで、中でも古典好きな方が多いと思いますが、私も古典をよく読みます。最新の経営の知識だけでは、どうしても薄い内容になりがちなところを、古典をはじめとする読書で得た知識でカバーできているため、経営者との会話にも深みが出て、それが私の評価につながっているのではないでしょうか。

いまは、福岡県中小企業団体中央会や福岡県商工会連合会の会報に、連載を持たせてもらっています。そこでは、仕事術やExcelの小技、精神論や経済学まで、仕事にまつわることを幅広く書かせてもらっています。

― そのほかに、力を入れられている活動があれば、教えてください。

福岡市が開催している、福岡県内の大学生を対象にしたビジネスプランコンテストにかかわっています。福岡県には大学が多いのですが、ビジネスプランが優秀な4グループには補助金を50万円支給し、実際に事業を立ち上げてもらいます。私を含めて福岡県協会の中小企業診断士4名が、それぞれのグループの担当となり、事業を進めるための支援も行っています。今年が初めての企画だったのですが、25件の応募があり、大いに盛り上がりました。

協会の活動をオープンにする、それが広報の役割

― 福岡県協会で担当されている、広報の仕事について教えてください。

米倉博彦さん
協会の広報担当としても活躍

福岡県協会では、最年少の常任理事をやらせてもらっています。広報委員長を任されていますので、最近ではHPのリニューアルを担当しました。このほかには、会報の編集・発刊などをやらせてもらっています。独立診断士だけでなく、企業内診断士の方にも関心を持ってもらえる内容を心がけています。

また、中小企業診断士という仕事をもっとたくさんの方に知ってもらうことにも力を入れています。他の士業に比べて中小企業診断士の認知度は、まだまだ低いと思っていますので、福岡県協会として中小企業診断士の認知度を高める活動を積極的に行いたいと思っています。

そのほか、中小企業診断士の若手育成にも力を入れています。福岡県協会では、登録したばかりの会員診断士を対象に、半日かけて新人研修を行っています。福岡県協会の組織や県行政機関の仕組み、仕事の取り方などを説明するとともに、先輩の成功体験談などをお話ししています。研修会を通じて、早い時期に先輩診断士とのマッチングの場を作ることで、後輩が先輩の仕事を手伝う関係づくりを促進しています。

さらには、福岡県立図書館では毎月2回、経営窓口相談が開催されており、相談員を福岡県協会の会員診断士が担当しています。これは、我々が飛び込みで館長に提案して実現したのですが、その窓口は企業内診断士や新人診断士に、積極的に担当してもらっています。日当は交通費程度ですが、実務従事ポイントを与えることができますので、企業内診断士の方も資格を維持しやすい環境を提供しています。

― 今後の米倉さんの方向性について、教えてください。

今後は、できれば仕事を東京や大阪でも行い、活動の幅を広げていきたいと思っています。誰かと組むのか、独力で進めるかはまだ決めていませんが。ただ、そのためには、提供するサービスの種類がまだまだ足りないと思っています。独立後4年が経過し、経営も安定してきましたので、あらためて勉強して、自分の知識の幅を広げたいですね。

(おわり)

米倉 博彦(よねくら ひろひこ)
 フロウシンク代表。中小企業診断士、テクニカルエンジニア(ネットワーク)。上場IT企業から会計事務所系コンサルティング会社を経て独立。主な仕事のフィールドは事業再生、業務改善、Webマーケティング支援、システム開発、資金調達など。福岡県中小企業診断士協会常任理事・広報委員長、同福岡部会広報委員長、九州志士の会理事・広報副委員長。趣味は1日1冊の読書とカメラ、自転車。

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