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地元に根付いた活動報告

地産地診

(9)福岡県編

取材・文:大石 幸紀(中小企業診断士)

【第2回】福岡で独立して

取材日:2013年5月30日

独立した後に食べていけるのか、中小企業診断士としての独立を考える際、常に頭をよぎる不安です。では、福岡県で独立した場合はどうなのでしょうか。平成24年に独立されたばかりの井上哲也さんにお話をうかがいます。

独立直後から大きなチャンスを与えてもらう

― 井上さん、独立した初年度の活動はいかがでしたか。

井上哲也さん
独立2年目の井上哲也さん

将来は独立したい、私はその思いで、中小企業診断士の勉強を始めました。4年かかって合格し、平成24年4月に中小企業診断士登録をしました。ちょうど勤務先での異動が重なったこともあり、登録と同時に独立しました。

独立前は、仕事は何とかなるかなと思っていましたが、実際には何もわかっていませんでした。ところが、福岡県協会に入ってメーリングリストに登録されると、ポンポンと仕事の募集が出てきます。それらに手を挙げると、独立直後にもかかわらず、いくつか仕事を任せてもらうことができました。創業支援、経営革新支援、再生計画の策定などを、先輩から指導を受けながら進めましたが、現金収入がすぐにあったのは助かりました。

― それは、恵まれたスタートを切りましたね。独立2年目の現在はいかがですか。

初年度の収入は、勤務時代よりは当然落ちましたが、いまは心配していません。なぜなら、2年目に入ると福岡県協会経由でなく直接、声をかけてもらうことが増えているからです。去年できたつながりから、新しい仕事をご依頼いただけています。

現在は、人口5万人の筑後市に活動の拠点を置いています。最初は、もっと大きい久留米市に置こうかと思っていたのですが、筑後市に拠点を置いている中小企業診断士は私しかいないことがわかったのです。地元の商工会議所や市も、地元の専門家ということで、何かと声をかけてくれます。ニッチ戦略を地で行っているのですね。

また、地元の士業の方々と接点を持ったことで、地元のクライアントの経営相談に乗ってほしい、経営革新の申請を頼まれているので手伝ってほしいと、声をかけてもらっています。

独立する前は大企業に勤めていたのですが、当時は常に会社の看板で仕事をしていたように思います。でもいまは、人の縁を感じます。人から大切にしてもらっていることを強く感じています。

地方ならではの中小企業診断士の活動

― 今後は、どのような方向性に進みたいとお考えですか。

福岡県協会の皆さん
福岡県協会の皆さん

今後の方向性としては、このままローカルに根ざしていきたいと考えています。仕事の依頼が増えても、大都市圏ではなく、福岡県の南方を中心に地域を拡大していこうと思っています。志士の会のおかげで、私個人としてもさまざまな専門家のネットワークを築くことができつつありますので、お客さんから声をかけてもらえれば、幅広い問題解決を提供できるようになってきています。このネットワークを活かして、地域中小企業の総合相談窓口のような存在になることができればと考えています。

また、私だけの何か尖ったものを持ちたいとも考えています。私は製造業出身です。地元には木材の加工など、伝統工芸的な産業が多いのですが、目立たないために置き去りになっている分野に、生産管理の視点を持ち込むことで、効率化などのお手伝いができるのではないかと考えています。

― 独立を検討している後輩の方に向けて、ひと言お願いします。

福岡県協会は、面倒見がいい人が多いと感じます。また、市場も大きいので、独立するには良い場所ではないでしょうか。まじめにやっていけば、ちゃんとそれなりのものは返ってきます。積極的に手を挙げさえすれば、チャンスを与えてくれますし、そのチャンスを活かせるかどうかは自分しだいです。

今年に入って、案件の募集が10件程度ありました。私が手を挙げただけでも4件あります。福岡県協会はそうしたありがたい環境で、何とかなるのでは、と思わせてくれる地域です。迷っているのなら、やってみればよいのではないかと言える環境だと思います。

(つづく)

井上 哲也(いのうえ てつや)
 1971年福岡県生まれ。製造業を中心に、経営改善や生産性改善、事業再生のための支援を行う。また、コーチングスキルを活用し、経営者向けのコーチングや従業員のモチベーションアップにも取り組む。相談者に寄り添い、ともに考える支援をモットーに、日々精進している。

会社名 T&Iコンサルティング
所在地 〒833-0001 福岡県筑後市一条1396-5
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