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地元に根付いた活動報告

地産地診

(7)埼玉県編

取材・文:鈴木 佳文(中小企業診断士)

【第2回】活躍する3人の若手たち

取材日:2012年9月1日

独立診断士にも、企業内診断士にも、仕事の門戸を開いている埼玉県協会。今回は、「6次産業化サポートセンター業務」「独立診断士」「企業内診断士」で活躍している診断士を代表して3人の若手に活動状況を伺いました。

ご縁を大切にしたことが現在の仕事に繋がった

― 近藤美恵子さんに伺います。まずは、中小企業診断士資格を取得した経緯を教えてください。

近藤:大学卒業後、ベンチャーキャピタルで働いた後、株式上場支援のコンサル会社に入社しました。本当にベンチャー企業ですね、IT企業のフロアの片隅にデスクを置くようなところで2001年~2008年まで勤務したのですが、このコンサル会社の社長が中小企業診断士だったこともあり、事業計画書を作成するのに中小企業診断士の資格も活きるということで、社長の勧めもあって学習を始めました。そして、2007年に中小企業診断士の資格を取りました。

― まさに中小企業診断士の資格が活きる仕事だったのですね。

近藤:そうですね。ただ、いろいろと紆余曲折があって独立することになりました。2007年から研究会活動から始めて、診断協会のご縁で(独)中小企業基盤整備機構の地域資源・農商工連携アシスタントマネージャーに就任するなど、節目ごとに良い出会いに恵まれました。本当に人の縁でここまで来ました。ちなみに結婚の相手も実務補習で出会いました(笑)。

― なるほど、全部繋がっている感じですね。それでは、現在の活動状況について教えてください。

近藤:もともと東京都協会で活動していましたが、ご縁があって埼玉県協会に移りました。(独)中小企業基盤整備機構では、窓口相談から認定の申請などにも関わったので、支援機関の視点から何が求められているかということも学びました。残念ながら一定期間で終わってしまいましたが、今でも専門家派遣や商工連の指導員研修を担当させていただいています。中小機構の方々をはじめ、他の支援機関の方々ともお付き合いがあります。これらの経験を生かして、6次産業化サポートセンター業務を担当しています。そのほかにも埼玉県における女性の活躍の場を広げる活動にも携わっています。埼玉ウーマノミクスプロジェクトとして、女性商品企画研究会の講師も担当しています。

商品開発を行い、特許の取得も

― お待たせしました。次は、松本英伸さんに伺います。まずは、中小企業診断士資格を取得した経緯を教えてください。

松本英伸さん
松本英伸さん

松本:私は大手ITに勤務していましたが、連携しているコンサルティングファームに出向となったのがきっかけです。この時、プロの経営コンサルタントと接する機会があって、中小企業診断士資格を持っている人も多かったので刺激を受けました。

― なるほど、仕事で有用だったというパターンですね。その後はどんな感じだったのですか。

松本:出向から戻ってしばらくは管理部門で勤務していたのですが、情報処理関連資格と比べて診断士資格の評価は低く、資格を取っただけになっていました。実務補習のインストラクターの紹介で東京都協会(当時は東京支部)に所属していましたが、研究会にも所属していませんし、会費を支払うだけになっていました。たまたま埼玉県協会(当時は埼玉県支部)があるというのを知って話を聞きにいったところ、当時の事務員の方に診断士の仕事についていろいろと話を伺うことができ、埼玉県協会に移ることにしました。当時から月例会などをやっていたので、勤務しながら参加している間にいろいろ見えてくることがありました。

松本:そのうちに、企業内の人でも支援に関わる機会を得ることがありました。たとえば、当時はさいたま市内の支援機関で融資診断の仕事が結構ありました。年末年始に100件以上の相談があって人が足らないということで、担当させてもらって少しずつ支援に関与することができました。その後もプロコン塾などで研鑽し、先輩診断士と交流していく中で、自分は中小企業の支援に関わる仕事がやりたいんだなと感じて、退職して独立するに至りました。独立後、5年目ですが、中小企業支援に関わるさまざまな業務を経験させていただきました。機会を逃さずに一つひとつ一生懸命取り組んでいると、いろいろと学ぶことがありますし、世界が広がります。今年度は、中小企業支援ネットワークアドバイザーとして地域の商工団体に加え、たとえば信用金庫さんとの仕事などが増えてきています。

企業内診断士だからこそ協会で活動するメリットは大きい

― 次は、金澤正晴さんに伺います。まずは中小企業診断士資格を取得した経緯を教えてください。

金澤正晴さん
金澤正晴さん

金澤:入社後5年位たって、入社以来、製品開発など技術系で仕事をしていましたので、顧客との接点が少ない。仕事柄、営業担当者と接して顧客の話を聞くこともありましたが、いま一つ良く分からないという状況でした。私は印刷会社に勤務して商業印刷の部門に所属していますので、商業印刷イコールお客様の販売促進といった意味合いが強いわけです。ですから、顧客が求める真のニーズが掴めればより業務に深みがでるかなと、この資格を取れば自分の工夫次第で仕事の精度を上げることもできると考えたのがスタートです。最初はお試しみたいな取り組みからスタートして、仕事を優先しながら本格的に勉強を始めて5年近くかけて資格を取得しました。逆に、5年もかかったので、モチベーションの維持や何のために資格を取るかといった意義をじっくりと追求することができました。

― なるほど、時間をかけたなりのメリットがあったわけですね。

金澤:ストレートで合格すると、取得後のイメージが希薄になってしまうこともあるようですが、私の場合には時間を掛けた分、資格を活かすという強い意識がありました。それが今に生きていると思います。

― 企業内だと協会活動への参画が難しいといった声も聞かれますが、金澤さんは埼玉県協会の理事として活躍していますね。協会の会費がもったいないから入らないと言った人もいますが。

金澤:実務補習が埼玉県の受講者チームだったこともあって、埼玉県協会に入会しました。先ほどまでのお話で分かるようにフラットな関係で、私のような若手にもチャンスがたくさんありました。研究会からスタートして、プロコンに同席してリアルな姿を1年目~2年目で見ることができたのは、本当にありがたいです。私のために、先輩診断士が企業への訪問日をわざわざ土曜日に設定してくれたりして、本当にありがたかったですね。本業に影響が出るのは本末転倒ですから。

現在、埼玉県協会の中で企業内診断士の研究会がスタートしていて、本業の中でプラスアルファを追求できる環境が整ってきています。1年目~3年目はプロコン養成塾で学び、実務補習の副指導員を経験させていただいて、現在は理事として活動しています。

私は、普通のサラリーマンほど協会に入会した方が良いと思いますね。もちろん、本業があるのでコンサルティングなどの報酬をもらうわけにはいきませんが、プロが周囲にいて間近に見られるのは会員だからこその近道ですし、人脈や経験、仕事の進め方、顧客との接し方、考え方は、本業にもプラスになります。

― 独立する気はないんですか?

金澤:ありません。むしろ、今の仕事を頑張って「中小企業診断士を取ってから良い仕事をするようになった」と尊敬する上司に認めてもらいたいですし、会社にも貢献したいですね。今いる会社の上の人たちは、仕事の面でも人間的にも素敵な方が多いので、そういう人たちに認めてもらえるのもステータスだと思っています。

― 高澤会長も「社内で出世してもらわんと困る」と言っていますね(笑)最後に皆さまから、埼玉県協会の良いところや他の中小企業診断士に対するメッセージなどを伺いたいと思います。

(つづく)

松本 英伸(まつもと ひでのぶ)
中小企業診断士
昭和40年、神奈川県生まれ。大手情報処理サービス企業にて約20年間勤務。その間、ソフトウェア開発、営業企画、業務改革、コンプライアンス推進業務等に従事。平成20年2月から中小企業診断士として独立し、現在に至る。
現在までに支援に関与した事業所は延べ約160。主な支援内容としては、経営革新、事業再生支援、各種経営分析及び診断、制度融資の診断のほか、高齢者雇用確保措置に関わる相談・助言など多岐にわたる。
創業支援として、さいたま市内の支援機関の窓口相談員として、延べ約100件の創業に関わる様々な相談に対応。その中で創業に際しての悩みや事業計画策定支援、融資制度活用の相談などを通じて、約10件を支援し開業に至る。
平成24年度は、中小企業支援ネットワークアドバイザー(関東経済産業局)としても活動中。


金澤 正晴(かなざわ まさはる)
中小企業診断士
1972年生まれ。立教大学理学部物理学科卒業後、大手印刷会社に入社。
フラットディスプレイパネル関連の研究開発に2年、その後は商業印刷分野の技術開発に従事。
現在は工程のデジタル化や品質改善、カラーマネジメントなどを行う。
2009年中小企業診断士登録。埼玉県中小企業診断協会所属。