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地元に根付いた活動報告

地産地診

(6)熊本県編

取材・文:大石幸紀(中小企業診断士)

【第2回】ダブルライセンスを活用し、仕事を拡大

取材日:2012年8月3日

「地産地診」熊本県編の第2回目は、シーラスコンサルティング株式会社代表取締役の原川修一さんに、ご自身のこれまでの活動や、中小企業診断士と社会保険労務士の2つの資格を活用した仕事の受注活動などについて、お話をうかがいました。

ダブルライセンスで活動中

― 診断士資格を取得したきっかけを教えてください。

原川修一さん

大学を出てから、東京でエンジニアリング会社に15年間勤めていたのですが、結果的に40歳で熊本に帰ることになりました。帰ろうと決めた際、熊本には同業種の企業が存在しないので、いままで自分が培ってきたキャリアを活かした就職が、熊本ではできないことがわかっていました。

そこで、熊本で異業種に再就職できる力をつける必要性を感じました。それが、診断士資格を取得したきっかけです。1次試験に1年目で合格後、2年目の平成9(1997)年に、旧制度の工鉱業部門で2次試験に合格しました。その頃は東京にいましたので、休日には受験校に通いました。

― 合格当初は、どのように診断士資格を活かされていたのでしょうか。

平成9(1997)年に熊本に戻ってきてから、医療のレセプトコンピュータ関係の販売会社に、医療コンサルタントとして5年間勤めました。診断士資格の取得は、再就職が目的だったのですが、その後、平成16(2004)年に中小企業診断士として独立しました。

独立後には、社会保険労務士の資格も取得しました。中小企業のコンサルティングをしていた際、労務に関する相談が多かったからです。社労士資格を取得したことは、いまの活動にとても役立っています。就業規則を作ったり、賃金関係の問題を解決したり、また助成金の申請支援などもしています。

商品開発を行い、特許の取得も

― 最近の仕事は、どのようなことが中心なのでしょうか。

第三セクターの経営診断、指定管理者制度関係の企業診断、漁協の経営診断などを手がけています。漁協も、自立して儲けなければいけない時代になってきました。

また、公益法人制度改革で財団法人と社団法人が組織改編をしなければならなくなりましたが、そのコンサルティングも提供しています。この手続きが、手間がかかるものなのです。たまたま1社、手続きを支援したのをきっかけに、もう10社以上もの制度改編支援を手がけています。

公益法人制度改革の説明会を企画し、ダイレクトメールで通知して来ていただき、そこで自分の話を聞いてもらってコンサルティング契約、という流れですね。手続きには要求事項がたくさんありますが、書類の書き方や電子申請のやり方を指導します。さらには、定款を新しく作成するのを機に、そこに存在する機関設計の在り方や組織・労務の問題点に対するコンサルティングも、併せて提供しています。以上のようなことを、だいたい1年かけて、十数回訪問して指導します。

― 他の診断士の方が、あまり手がけていない分野が多いような気がしますが。

「もったいなか」
開発した「もったいなか」

そうですね。法律や制度の改正が行われる場合には、これを機にどのようなことが必要とされるのか、どのようなお困りごとが発生するのかを考えるようにしています。

工業分野での知識を活かして、面白い活動もしています。実は、今年6月29日に特許を取得したんです。洗濯機の脱水槽の遠心力を活用し、瓶やチューブなどの容器に使われずに残ってしまった粘着性のある物質を最後まで使い切るための、「もったいなか」という商品を開発しました(ホームページはこちら)

普段、商品開発のコンサルティングもしているのですが、その知識を自分で実践し、この商品を開発したのです。特許申請も、大学時代の友人の協力などを得て、自分で行いました。

― 今後の活動の展望を教えてください。

現在は、先の見えない不安感の多い時代で、夢を持って生きるのが難しい世の中です。そうした中、経営者の2代目、3代目が事業を継承するケースが増えています。先代と同じやり方では、売上が上がらないことも多いでしょう。一方で、部下となる従業員の方は年長で、言うことを聞いてくれない。そんな悩みを持つ方が今後、ますます増えてくると思いますので、彼らの経営支援をしたいと思っています。

もう1つは、中小企業診断士も税金の知識をもっとつけないといけないと思っています。いろいろな相談に乗っていると、税金の問題に行き着くことが多いので、税金に関する知識を強化していきたいですね。

― これから独立する人にひと言、お願いします。

地域で開業するには、実感として中小企業診断士だけの資格では大変です。プラスの資格を持つダブルライセンスで臨み、間口を広げる必要があると思っています。私の場合、中小企業診断士と社会保険労務士のダブルライセンスであることが、仕事の幅を広げてくれています。将来的に開業を考えている人は、それくらいの気持ちで勉強に取り組んでほしいと思います。

士業はいわば、時間の切り売りです。しかも、利用できる時間には上限がある。売上は、時間×単価ですから、いかに単価を伸ばしていくかという商売であることを知っておいてください。

最後に、独立する前にお金を貯めておき、精神的にも安定したスタートを切りましょう、ということを申し上げておきたいと思います。

(つづく)

原川修一(はらかわ しゅういち)
シーラスコンサルティング株式会社代表取締役。経営改善や売上増加のための支援、個別労働紛争の予防や解決支援などを行う。財務分析や経営革新セミナー、介護施設の売上改善アドバイスなどを実施。平成23年度より、経済産業省中小企業支援ネットワーク強化事業巡回アドバイザーとして、小規模事業所の経営相談に対応している。

会社名 シーラスコンサルティング株式会社(Cirrus Consulting Corporation)
シーラス(cirrus)とは英語で、秋の高い空に浮かぶ絹雲のことです。中小企業の経営を高い空から総合的に判断し、企業の未来をシーラス(知らせる)コンサルティングを目指しています。
所在地 熊本県阿蘇郡西原村小森3354
ホームページ http://cirrus-consulting.tolte.net/
E-MAIL mqtks4715rl@agate.plala.or.jp
TEL 096-279-4384