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【第2回】市長が最後まで席を立たなかった「夢」のイベント

取材日:2011年5月1日

夢で地域活性化を図れると考え、夢を語る会を立ち上げた篠田さん。第2回目は、篠田さんが企画して実施した夢を語るイベントの模様について、お話をうかがいました。

「夢」を見据え、じっくりと足場を固める

― では、地域とつながるきっかけになった「ドリームプランプレゼンテーション」(以下ドリプラ)について簡単に教えてください。

これは、自分が描く夢の事業を、見る人にあたかも実現したかのように体験してもらうプレゼンテーションを行うことで、それに共感した人たちから事業に必要な経営資源を集める手法です。一般的なビジネスプランコンペでは、精緻な事業計画が求められますが、ここでは将来像をいきいきと描き出すことが求められます。そのために、プレゼンにはさまざまな制約条件が課されるのですが、この制約条件をクリアしていく過程でプレゼンターが大きく成長していくのです。東京で行われた大会では、実際に株主を集めて資金調達をするなどの成果が出ていました。

― どのように進めたのですか。

新事業挑戦塾の講義風景
新事業挑戦塾の講義風景

事業ですので、しっかりと足場を固めるために、商工会主催で創業塾と経営革新塾を合わせた連続セミナーを開催させていただきました。夢を軸にしたカリキュラムを組み、ビジョン・理念から事業計画までみっちりと考えていただく場をつくりました。それと並行して、地域の中学校・高等学校を商工会の担当者と一緒に片っ端から訪問し、思いを語って回りました。結果として中学生がプレゼンターとして参加したり、高専の学生がスタッフとして参加したりと、若いパワーがイベントに取り込まれたのは大きかったと思います。イベントの場で地元企業のPRをしてもらおうと、商工会を通じて声かけを行ったことからは、目立った成果を得られませんでしたが...。

― ドリプラの過程は、どのようなものでしたか。

発表者と商工会青年部の有志を中心とした仲間たち
発表者と商工会青年部の
有志を中心とした仲間たち

ドリプラは、プレゼンそのものよりもプレゼンをつくるプロセスが重要です。新事業挑戦塾が終了した後、7回の会合を行いました。これは、プレゼンターとプレゼンづくりを支援するメンバーとが集まり、お互いに助け合う活動をするもので、「支援会」と呼んでいます。見た人が共感するプレゼンをつくるためには、過去も含めて心の深いところまで見つめ直す作業が必要になります。そこで、最初につくったプレゼンから何度も白紙に戻し、作り直すことをくり返していました。あたかも実現したかのような写真を撮るために、実際に作品をつくったり、ロケをしたりと、相当な苦労もしました。でもこの過程を通して、プレゼンターの中にブレない軸というか、事業に取り組む確固たる覚悟ができたのだと思います。途中、プレゼンターとしてエントリーした中学生が支援会に参加し、プレゼンについてアドバイスを受けるなどしていましたが、当日はプレゼンターの誰もが、300人を前に堂々と夢を語っていましたね。

― こうした中で、中小企業診断士はどのようにかかわっていったのでしょうか。

実際に夢のイメージを現実に落としていくときのステップや事業計画書の作成、知的財産権に関するアドバイスなど、さまざまな場面で出番があります。ただもっとも大切なのは、プレゼンターの成功を信じて傍らで支え続けることです。そして、プレゼンターのやる気に火をつけることが私たちの役割です。この役割を担う人を、私たちはドリームメンターと呼んでいます。

次々と道が拓けていく不思議な現象

― イベントに参加された市長が、プレゼンターのプレゼンを最後まで聞かれていたとお聞きしましたが。

ドリプラ発表者
ドリプラ発表者

そうなんです。当日は中学生のプレゼンがあり、『障がい者がいきいきと暮らす袖ケ浦の街づくり』についての夢を発表しました。中学生の真摯な態度と夢あふれる発表に、市長も感じ入ってくださったのだと思います。子どものパワーは、本当にすごいです。大人顔負けのプレゼンをしていました。

― プレゼン大会の成果はありましたか。

次々と事業展開が進んでいくプレゼンターが、何名か出てきました。あるプレゼンターは、古民家を活用したセラピー宿を開設するのが夢ですが、実際に古民家を使ったプログラムを提供したり、ご縁がつながって古民家の再生プロジェクトにかかわったりしています。プレゼンをつくる前はただの夢だったのが、どんどん具体的に形になってきているんです。またあるプレゼンターは、中学校からの教材提供依頼やさまざまな形で講座の開設依頼が舞い込んでくるなど、対応に大忙しの状態です。ドリプラに参加する前は、仕事が途切れて頭を抱えていたのですが、ドリプラを境に大きく変わりました。

― 実際に成果が出てくると嬉しいですね。ほかにはどのようなことがありますか。

いわゆる創業塾とは違い、受講生同士の結びつきが非常に強固になっているのも大きな特徴です。商工会主催のセミナーから引き続き、ドリプラに参加してくださっているので、メーリングリストで近況報告がされますし、定期的に会合をする話も出ています。いまだに、お互いが助け合って活動していますね。地域活性化手法の1つとして、他の地域でもどんどん使っていただければと思います。もちろん、袖ケ浦でも続けていきたいです。

― 私にもぜひお手伝いをさせてください。では次に、地元農家とのかかわりについてうかがっていきたいと思います。

(つづく)

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篠田 法正(しのだ ほうせい)
株式会社LBC(ライフ&ビジネスクリエイト研究所)代表取締役。1962年名古屋生まれ。大手化学メーカーの研究開発部門で20年間、キャリアを積む。新素材の研究開発に携わった経験を持つ工学博士として、「理系思考で問題の本質を見抜く」コンサルティングで2007年に独立。マーケティングや新事業展開、起業支援を中心にセミナー、コンサルティング活動を展開中。工学博士、中小企業診断士、(財)生涯学習開発財団認定シニアスキルリーダー、日本FP協会認定AFP(ファイナンシャルプランナー)、日本技術経営責任者協議会認定技術経営責任者、金融検定協会認定ターンアラウンドマネージャー。

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代表取締役 篠田 法正
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