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【第2回】中小企業診断士育成を目指した、充実の資格取得サポート制度
(株)迅技術経営を支える3人の中小企業診断士

取材日:2010年8月5日

今回は、同じく石川県で活躍する(株)迅技術経営代表取締役の西井克己さん、取締役の佐々木経司さん、社員の萩野貢三子さんさんという3人の中小企業診断士に、お話を伺いました。

ベンチャー企業経営者からの転身

― まず、西井さんに独立の経緯について、教えていただきたいと思います。

西井克己さん
西井 克己 さん

西井:独立する前は、化学メーカーで研究開発を担当していました。私は、石川県の大学院で有機ELの研究をしていたのですが、社会人になって5年目に石川県にUターンし、大学院の同期と有機ELに関するベンチャー企業を立ち上げました。

その経営者時代に、現在もお世話になっている(独)中小企業基盤整備機構北陸支部(現:北陸本部)さんや、(財)石川県産業創出支援機構さんに多くの支援をしていただきました。そのご支援の一環として、初めて中小企業診断士と出会ったんです。そのときにお会いした方がとても頼りになる方で、後に「自分も中小企業診断士になりたい」と思う大きな動機づけとなりました。

― ご自身が支援された経験があるのは大きいですね。

西井:はい。相談者として、中小企業診断士と接した経験があるというのは、とても役に立っています。相談者が何を不安に思い、何を知りたがっているのか、その気持ちがわかることで、よりその方が求めるアドバイスをできると思います。

私のいたベンチャー企業は、設立当初はなかなかチャンスに恵まれませんでした。資金繰りが厳しく、一緒に働いていた人と私のうち、どちらかが去らなくてはという話になって、自分が去ることにしました。その企業は、何とか踏みとどまって、いまでも頑張っていますよ。

ベンチャー企業を去った後、「経営者時代にお世話になった方のように、頼られる中小企業診断士になりたい」という思いで、会計事務所系のコンサル会社に就職し、そこで働きながら中小企業診断士資格を取得させていただきました。そして、取得後の2006年9月に独立します。

― 独立する際に工夫された点などはありますか。

西井:お世話になったコンサル会社は、税理士のほか、社会保険労務士や中小企業診断士が連携を組んで、クライアントさんをサポートしていました。士業が連携すると、幅広いサービスがワンストップで受けられ、クライアントさんに喜んでいただけること、そして仕事を獲得しやすいことを学びました。ですので、自分が独立する際も、行政書士の方との合同事務所という形で独立しました。

独立後は、仕事に恵まれました。ありがたいことに、複数の中小企業支援機関の若手職員さんが、独立したての私を応援してくださったからです。私は昭和51年生まれなのですが、当時、県内の中小企業診断士の先輩方は、50代が中心でした。「若手の中小企業診断士を育てなくては」という思いを、皆さんがお持ちだったのでしょう。そうした背景もあって、私に機会をくださったように思います。

働きながら中小企業診断士資格取得を目指せる制度を導入

― 西井さんが経営される迅技術経営には、働きながらの中小企業診断士資格取得を支援する仕組みがあると伺いました。

西井:私が、中小企業診断士の仕事をできる会社を求めて就職活動をした際、県内には、そうした職場の選択肢が数少ない状況でした。中小企業診断士の資格を活かして働きたいと思っても、職場がない―そんな環境を残念に思っていたんです。そして自らの経験から、中小企業診断士を育成する場所が必要だと思っていました。

また、1人で仕事をするよりも、お互いに切磋琢磨するほうが、成長できるはずです。そんな中小企業診断士の集う場をつくるために、迅技術経営を設立しました。ですので、仕事をしながら同時に、マニュアルやツールをつくり込んでいきました。将来的に、組織で仕事をすることを意識していたからです。

そのような思いから、迅技術経営では、第1次試験合格者が働きながら第2次試験に合格できるよう、支援する制度を導入しました。制度内容は、まずは年間最大20万円までの学費のサポートです。勤務体系は、週4日勤務、1日10時間労働制を採用することで、休日を3日間にし、勉強に集中して取り組める環境を提供しています。また、第2次試験の前には、1週間程度の休暇を取得できます。希望があれば、先輩診断士が学習個別指導をすることもあります。

― その制度を活用して合格されたのが、佐々木さんですね。

佐々木経司さん
佐々木 経司 さん

佐々木:はい。迅技術経営に入社後、第2次試験に合格し、2009年2月に中小企業診断士に登録しました。

私は、大学・大学院時代に文化人類学を専攻し、アフリカの仮面文化などを学んでいました。そして、国家公務員2種を受け、国立大学職員になりました。

そんな中、働きながら大学のオープン講義に参加し、地域の活性化について学ぶ機会があったんです。それを機に、以前から抱いていた「地域を活性化する仕事に就きたい」という思いがさらに高まり、転職を決めました。そして、中小企業診断士第1次試験終了後に、イベント会社へ転職します。そこでは、町おこしイベントの立ち上げにもかかわらせていただくなど、貴重な経験ができました。これらの経験が、マーケティングやブランディング支援という自身の得意分野にも活きています。

そして、1年目の第2次試験に不合格となり、イベント会社を退職した際に、交友のあった西井から、迅技術経営には資格取得のサポートを受けながら働ける制度があることを聞かされます。とても魅力的な制度に思った私は、2008年2月、迅技術経営に就職します。

その後、西井のカバン持ちのようなことをしながら、中小企業診断士の勉強を続け、第2次試験に合格しました。現在は、当社のパートナー診断士(取締役)として、商品開発や知的資産経営報告の作成を担当しています。

― では続いて、萩野さんにもお伺いしたいと思います。

萩野貢三子さん
萩野 貢三子 さん

萩野:迅技術経営には、2010年3月から参加しています。その前は、事務機器の営業職をしていました。お客様は、大手企業の方々が中心だったのですが、ビジネスの話題になると、自分の知識不足に恥ずかしい思いをすることがありました。そして、体系的にビジネス知識を学べる方法はないかと模索した結果、中小企業診断士試験に出会ったんです。

資格を取得する以前は、会社を辞める気はなかったのですが、実際に取得したら、その資格を活かした仕事がしたいという思いが強くなってしまいました。そして、中小企業診断士の資格が活かせる仕事を探していたところ、迅技術経営にめぐり会いました。いまは、西井の仕事をアシストしながら、中小企業診断士の仕事を少しずつ覚えているところです。

(つづく)

西井 克己(にしい かつみ)
(株)迅技術経営代表取締役。北陸先端科学技術大学院大学材料科学研究科博士前期課程修了。化学メーカーで、フラットパネルディスプレイ関連開発に従事。現在は、製造業を中心とした事業計画策定・原価管理・品質管理支援のほか、技術ベンチャーの創業経験を活かし、実践的な創業支援も行う。

佐々木 経司(ささき けいじ)
(株)迅技術経営取締役。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科中退。国立大学法人で学生募集や大学評価に従事後、イベント会社に勤務し、地域活性化イベントに従事。迅技術経営に入社後に中小企業診断士試験合格、中小企業診断士登録を経て取締役に就任。現在は、ブランディング・商品開発や事業計画策定、ならびに知的資産経営支援を行う。

萩野 貢三子(はぎの くみこ)
富山大学経済学部卒業。事務機器販売会社に入社し、法人向け営業に従事しながら、中小企業診断士試験に合格し、中小企業診断士登録。迅技術経営に入社後、現在は美容室や飲食店などを中心とした経営支援を行う。

会社名 株式会社迅技術経営(はやてぎじゅつけいえい)
設立 2006年8月
代表取締役 西井 克己
取締役 佐々木 経司
所在地 石川県金沢市鞍月二丁目2番地 石川県繊維会館1階
TEL 076-268-5258
FAX 076-268-0659
URL http://www.g-keiei.com/