創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。 創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。
販路開拓・商品開発
2019.3.12

農商工等連携の支援

わが国の経済を支える産業は、戦後からの技術進歩と経済成長の段階により、第一次産業、第二次産業、第三次産業に分類されます。第一次産業は農業、林業、漁業等の農林水産業、第二次産業は製造業、建設業、鉱業等の工業、第三次産業は小売業、卸売業、運輸業、情報通信業、サービス業等の商業です。
 農林漁業者と工業・商業等を営む中小企業者が連携して事業活動を行う場合、補助金の活用や専門家による支援、融資制度や信用保証の特例を受けられる支援策があります。

農商工連携について

2つの事業者のうち、一方は米、野菜、魚等を生産しているものの、輸送手段や販売力がない農林漁業者。もう一方は輸送手段や販売力はあるものの、米、野菜、魚等を生産する土壌や漁場と生産力がない工業・商業等の中小企業者だとします。このような事業者がお互いの強みを活かして協力することで、売上や利益の増加を目指す取組みを、「農商工連携」といいます。
 農商工連携を支援する国の法律として、「農商工等連携促進法」があります。この法律による各種支援を受けるには、農商工連携に取り組む農林魚業者と工業・商業等の中小企業者が連携して新商品・新サービスの開発、生産等を行うための「農商工等連携事業計画」を共同で作成した後、両者が連名で国に申請し、認定を受けることが必要です。

計画の認定を受けると使える支援策

農商工等連携事業計画の認定を受けると使える支援策は、次のとおりです。それぞれの支援策ごとに、支援機関の審査を受けたり確認をとったりすることが必要となります。

(1)国内・海外販路開拓強化支援事業費補助金(農商工等連携事業)

試作品の開発、展示会への出展等にかかる費用の一部が補助されます。計画の認定を受けていても、別途補助金の審査を受ける必要があり、必ず補助金が使えるとは限らない点にご注意ください。
 (以下は平成31年度募集時点の情報です)

  • 補助対象経費の2分の1以内、補助上限額500万円
  • ただし、機械化・IT化事業の場合、補助率3分の2以内(1回目)、2分の1以内(2~3回目)、補助上限額1,000万円(1回目)、500万円(2~3回目)

(2)政府系金融機関による融資制度等(海外展開に伴う資金調達支援を含む)

設備資金と長期運転資金について、政府系金融機関から優遇金利で融資を受けられます。

(3)信用保証の特例

中小企業者が金融機関からの融資を受ける際、信用保証協会が債務保証する範囲について、次の特例が適用されます。

  • 保証の別枠設定:普通保証2億円、無担保保証8,000万円等。それぞれ別枠で同額保証
  • 新事業開拓保証の限度枠拡大:限度額2億円→4億円(組合は4億円→6億円)

(4)食品流通構造改善促進機構による特例

食品関係の事業を行う中小企業者が金融機関からの融資を受ける際、食品流通構造改善促進機構が債務保証する範囲について、必要な資金の借入にかかる債務保証等を受けられます。

(5)農業改良資金融通法、林業・木材産業改善資金助成法、沿岸漁業改善資金助成法の特例

中小企業者が農林漁業者の行う農業改良措置等を支援する場合に、農業改良資金等の貸付を受けることができます。また、農業改良資金等の償還機関および据置期間が延長されます(償還期間:10年→12年、据置期間:3年→5年)。

計画を申請できる事業者

農商工等連携事業計画を申請できる事業者は、農林漁業者と中小企業者です。それぞれの分類について、下図で表しています。

計画の認定に必要なポイント

農商工等連携事業計画が認定されるには、認定基準である4つのポイントを入れて計画を作成することが大事です。下の(1)~(4)のうち、特に下線部は重要なキーワードとなります。必ず申請書に記載しましょう。

  1. 中小企業者と農林漁業者が有機的に(お互いが利益があるように)連携して実施する事業であること
  2. 両者の経営資源(経営資産、技術、ノウハウ等)を有効に活用するものであること
  3. 連携事業により新たな商品、サービスの開発、生産、需要の開拓等を行うこと
  4. 中小企業者および農林漁業者の経営を向上させるものであること 等

申請窓口

認定を受けるには、「農商工等連携事業計画」を作成し、管轄の経済産業局等の担当部局に申請してください。認定申請書の様式や記載例は、各経済産業局等のホームページまたは後掲の「農商工等連携パーク」のページからダウンロードできます。本ページでは、これまでに認定を受けた事業計画の概要も検索できます。

まとめ

  1. 農商工等連携促進法は、農林漁業者と中小企業者が連携して新商品・新サービスの開発等を行うことを支援する国の法律である
  2. この法律に基づいて農商工等連携事業計画を共同で作成し、認定を受けると、補助金、融資、信用保証の特例等の支援策を利用できる
  3. 計画申請書が認定されるには、4つのポイント(有機的連携、経営資源の有効活用、新商品・新サービスの開発等、経営向上)が記載されていることが重要
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