創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。 創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。
人材関連
2019.2.26

所得拡大促進税制

平成30年度税制改正で、平成30年3月31日に適用期限を迎える所得拡大促進税制が拡充されることになりました。これまでの所得拡大促進税制よりもシンプルな制度で、かつ、中小企業にとってより有利な制度になりました。

中小企業向け所得拡大促進税制拡充の背景

中小企業の賃上げ率は、次のグラフのとおり、大企業に比べて低水準にとどまっています。

また、中小企業は大企業に比べて労働生産性も低くなっています。中小企業が持続的な賃上げを行うためには、生産性の向上に取り組むことが課題となります。

このような背景から、国は中小企業が生産性向上により発生する利益を人材投資に振り向け、さらなる生産性向上を図るという好循環を作り出し、持続的な賃上げが可能となる環境を整える必要があると判断し、賃上げの促進に係る措置を強化することになりました。

中小企業向け所得拡大促進税制

<制度の概要>

中小企業者等が、平成30年4月1日~平成33年3月31日までの3年間に開始する各事業年度で、国内雇用者に給与等を支給する場合に、次の(1)と(2)の要件を満たすときは、給与等支給増加額の15%の税額控除(当期の法人税額の20%が限度)をすることができます。

  1. 給与等支給総額が前年度以上
  2. 平均給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加
  3. さらに高い賃上げを行い、教育訓練費増加等の次の要件を満たすときは、先ほどの控除率15%に10%を上乗せした25%の税額控除(当期の法人税額の20%が限度)ができます。

  4. 上記(2)の増加率が2.5%以上であること
  5. 次のいずれかの要件を満たすこと
  6. イ. 教育訓練費が対前年比10%以上増加

    ロ. 中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定・計画実行の証明がされること

ただし、設立事業年度は本制度の対象外ですので、ご注意ください。

<対象者>

適用要件を満たす資本金または出資金が1億円以下の青色申告書を提出する法人等が対象です。業種による制限はありません。
 ただし、同一の大規模法人(資本金または出資金が1億円超の法人等)に発行済株式総数の2分の1以上を所有されている法人や2以上の大規模法人に発行済株式総数の3分の2以上を所有されている法人を除きます。

<手続き>

適用を受けるためには、確定申告書等に明細書を添付して申告する必要があります。また、上乗せ措置の適用を経営力向上計画の認定・計画実行の証明により受ける場合には、証明書の添付も必要となります。

大企業向け所得拡大促進税制

<制度の概要>

青色申告書を提出する法人が、平成30年4月1日~平成33年3月31日までの3年間に開始する各事業年度で、国内雇用者に給与等を支給する場合に、次の要件を満たすときは、給与等支給増加額の15%の税額控除(当期の法人税額の20%が限度)ができます。

  • (1)平均給与等支給額が前年比で3%以上増加
  • (2)国内設備投資額が当期の減価償却費の90%以上

さらに、当期の教育訓練費の前年・前々年の教育訓練費平均に対する増加割合が20%以上ならば、先ほどの控除率15%に5%を上乗せした20%の税額控除(当期の法人税額の20%が限度)ができます。なお、中小企業向けと同様に、設立事業年度は対象外とされます。

<対象者>

適用要件を満たす青色申告書を提出するすべての法人が対象です。業種による制限はありません。

<手続き>

適用を受けるためには、確定申告書等に明細書を添付して申告する必要があります。

まとめ

  1. 平成30年度税制改正で所得拡大促進税制が拡充され、これまでの制度よりもシンプルで、中小企業にとってより有利な制度となった
  2. 中小企業向け所得拡大促進税制は、青色申告書を提出する中小企業者等が、平成30年4月1日からの3年間に開始する事業年度において給与等支給総額が前年度以上であり、平均給与等支給額が前年度比1.5%以上増加するという要件を満たせば、当期の法人税額の20%を限度に給与等支給増加額の15%を税額控除することができる
  3. 中小企業向け所得拡大促進税制は、さらに高い賃上げを行う場合の控除率の上乗せ措置がある。平均給与等支給額が前年度比2.5%以上で、教育訓練費が対前年比10%以上増加するか、中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定・計画実行の証明がされるかの要件を満たせば、25%の税額控除が可能(法人税額の20%が限度)
  4. 大企業向け所得拡大促進税制は、青色申告書を提出する法人が平成30年4月1日からの3年間に開始する事業年度において、平均給与等支給額が前年比3%以上増加し、国内設備投資額が当期の減価償却費の90%以上である場合には、当期の法人税額の20%を限度に給与等支給増加額の15%を税額控除することができる。
  5. 大企業向け所得拡大促進税制はさらに、当期の教育訓練費の前年・前々年の教育訓練費平均に対する増加割合が20%以上ならば、20%の税額控除が可能(法人税額の20%が限度)
  6. 大企業向け、中小企業向けのいずれの制度も、設立事業年度は対象外
  7. 手続きは、基本的には確定申告書等に明細書を添付して申告することにより行う
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