創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。 創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。
研究開発
2019.2.12

医療機器開発支援ネットワーク

わが国の医療機器産業は、(1)開発に時間を要することが多い、(2)生命に直接かかわる分野のため製造物責任が重く、参入リスクが高い、(3)医療現場の有するニーズがものづくり現場に行き届いていない、といった点が要因となり、欧米諸国に比べて遅れをとってきました。わが国成長戦略の大きな柱の1つである医療分野の活性化のためにも、世界トップレベルを誇る中小企業のものづくり技術を医療現場のニーズに合致させ、医療機器産業を活性化させることが求められています。
 経済産業省では平成22年度より「課題解決型医療機器等開発事業」を、平成26年度からは「医工連携事業化推進事業」を実施しています。本事業は平成27年度から新たに設立された「国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development、通称:AMED)」に引き継がれ、継続して実施されています。
 ここでは、医工連携事業化推進事業の2本柱である、開発事業としての「開発・事業化事業」と、ソフト支援事業としての「医療機器開発支援ネットワーク」のうち、「医療機器開発支援ネットワーク」についてご紹介します。医工連携による医療機器等の開発・事業化を行う際の補助金を活用したい場合には、「医工連携事業化推進事業(開発・事業化事業)」をご活用ください。

「医療機器開発支援ネットワーク」の概要

中小企業やベンチャー企業、大学等が医療機器を開発・事業化するに当たっては、医療現場のニーズ把握や薬機法への対応、販路開拓等、さまざまなハードルが存在します。「医療機器開発支援ネットワーク」は、先に経済産業省により実施されていた補助金による支援に加え、専門家による伴走コンサルを提供することで医療機器開発の事業化を促進することを目的として、平成26年10月に発足しました。
 医療機器の開発・事業化に向けては、市場の探索からコンセプト設計、開発、製造体制の整備、マーケティング等、あらゆる分野における専門知識が必要です。「医療機器開発支援ネットワーク」では、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)や産総研(国立研究開発法人産業技術総合研究所)等の専門支援機関や、自治体や商工会議所等の地域支援機関、コンサルタント企業、金融機関、学会等が連携してネットワークを構築していますので、これらの各ステップにおいて、切れ目のない支援を受けることが可能です。

受けられるサービス

本事業では現在、「伴走コンサル」、「製品評価サービス」、「アイデアボックス(医療ニーズ抽出スキーム)」の3つのサービスが提供されています。

<伴走コンサル>

事業戦略やコンセプトの設計から、薬事、知財、販売戦略等まで、医療機器の事業化プロセス全般について専門家による助言を受けることができます。課題の特定等、「何をすべきか(What)」までの助言については原則無料となっています。「どのように課題を解決すべきか(How)」については、有料の専門家・支援サービス等を紹介してもらうことも可能です。
 主なカテゴリとしては、(1)事業戦略・コンセプト設計、(2)臨床ニーズ、(3)研究開発、(4)治験、(5)QMS体制構築、(6)承認申請、(7)知財戦略、(8)資金調達、(9)販売戦略、(10)海外展開、(11)保険償還があります。これまで、FDA(米国食品医薬品局)への承認申請プロセスに関する助言を受けることで、効率的にFDA承認取得を受けた事例や、事業戦略に関する助言を受けることで、段階的な事業展開を選択し、非医療機器での早期上市を実現した事例等があります。

<製品評価サービス>

自社開発の医療機器について、専門領域の複数の医療従事者から評価を受けることができます。支援機関へ評価依頼を行うことで、適切な評価者を選定したうえで、(1)市場性評価、(2)コンセプト評価、(3)試作品評価、(4)上市後評価といった評価を受けることができます。これらは有料のサービスです。

<アイデアボックス>

医療現場のニーズを開発企業へ橋渡しするサービスとして、平成28年8月にリニューアルされました。
 橋渡しの流れとしては、まず、医療関係者や地域支援機関等のコーディネーターが日頃感じている課題やニーズがアイデアボックスに投稿されます。次に、専門家(医療従事者)による目利きによって有望なニーズが厳選され、対象疾患のデータ等の情報を付加して、地域支援機関等のコーディネーターや開発企業に対して公開されます。ニーズの詳細として、現状の課題と現場のニーズ、参考情報としてニーズに対する専門家の評価やコメントを閲覧することができます。

これにより、医療機器の開発に必要なマーケット情報や重要性の高いニーズの収集が可能となります。無料の会員登録制サービスですので、ぜひご活用をおすすめします。

サービスの利用方法

<伴走コンサル>

まずは、ワンストップ窓口に相談申込みを行います。「医療機器開発支援ネットワーク」のポータルサイトとして、MEDIC(Medical Device InCubation platform)が用意されています(https://www.med-device.jp/)。「お問い合わせ」からご連絡いただくか、MEDICサイトへ記載のe-mailアドレスへご連絡ください。担当者から折り返しの連絡が来ます。
 なお、ワンストップ窓口は「医療機器開発ネットワーク」の事務局サポート機関(三菱総合研究所/AMEDより委託)が担当しています。ご相談にあたっては、事務局サポート機関との秘密保持契約を締結することになります。
 続いて、事務局との事前面談により、具体的な相談内容の整理を行います。そして、事前面談で作成されたカルテをもとに、相談内容や開発フェーズに応じた伴走コンサルが実施されます。

<製品評価サービス>

e-mailまたは電話でお申込みいただきます。お問い合わせ先のe-mailアドレスや電話番号は、MEDICのサイトをご参照ください。

<アイデアボックス>

医療機器アイデアボックスのWebサイト(https://www.med-device.jp/db/index.php)にアクセスしてください。「新規ユーザー登録はこちら(下図赤枠)」からユーザー登録が可能です。

ユーザー登録を行うと、ログインすることでニーズの閲覧ができるようになります。ニーズの公開時にはメールで通知が来ます。詳細はWebサイトをご参照ください。

まとめ

  1. 「医工連携事業化推進事業」は、「開発・事業化事業」と「医療機器開発支援ネットワーク」の2本柱で構成される
  2. 「医療機器開発支援ネットワーク」では、中小企業やベンチャー、大学等による医療機器の開発・事業化を促進するために、必要となる幅広い知識について専門家による切れ目ない支援を行う
  3. 「伴走コンサル」、「製品評価サービス」、「アイデアボックス(医療ニーズ抽出スキーム)」の3つのサービスが提供されている
  4. 「伴走コンサル」では、課題の抽出までの助言が無料で提供される。課題解決のための支援先の紹介も受けられる
  5. 「製品評価サービス」は、専門領域の複数医療従事者から評価を受けられる有料サービス
  6. 「アイデアボックス」は、医療現場の有用なニーズを吸い上げることが可能な登録制無料サービス
  7. 「伴走コンサル」、「製品評価サービス」の手続きは、MEDIC(「医療機器開発支援ネットワーク」のポータルサイト)から。「アイデアボックス」は専用サイトからユーザー登録を行って活用
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