創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。 創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。
販路開拓・商品開発
2019.1.28

地域ブランド保護に関する支援(地域団体商標支援)

三重県松阪市の「松阪牛」、大分県大分市佐賀関地区の「関サバ」、愛媛県今治市の「今治タオル」――これらの名称を聞いたことがある人は多いと思います。これらには、地名と特産物名が合わさった名称が付けられ、地域団体商標として特許庁で登録されています。
 「わが地域の特産品は、味は良いのに知名度がない」といった地域の課題を解決したい場合、地域団体商標を取得する方法があります。

地域団体商標制度について

地域団体商標制度は、地域の産品等を地域ブランドとして保護することで、事業者の信用度を維持し、地域経済の活性化や産業の発展を図ることを目的としています。
 地域団体商標を取得すると、次のようなメリットを得ることができます。

  • 商標権で保護されているため、他者から商標権を侵害された場合に攻撃・防衛できる
  • ライセンス契約による収入が得られる
  • 大企業から信用が得られ、取引において競合他社との差別化が図れる
  • 国が認めた商標を持っていることで、商品・サービスの訴求力が上がる
  • 知名度とブランド力の向上によって商品単価が上がり、売上アップが図れる
  • 地域団体の一体感が高まり、組織力が向上する

地域団体商標として登録できる要件は、次のとおりです。

  • 地域団体の構成員に使用させる商標であること
  • 地域名+商品・サービス名の組み合わせからなる文字であること
  • 地域名と商品・サービスの産地・提供地とが密接に関連していること
  • 商標が一定の地理的範囲で周知されていること

地域団体商標を登録できる対象者は、限定されています。

  • 特別の法律により設立された法人格を持つ組合(事業協同組合、農業協同組合等)
  • 商工会
  • 商工会議所
  • NPO法人
  • これらに相当する外国の法人

地域団体商標の商標権は、次の性質を持っています。

  • 地域団体の構成員は、地域団体からの許諾がなくても、登録商標の使用権がある
  • 地域団体商標の商標権は、譲渡できない
  • 地域団体商標の商標権は、専用使用権を設定できない
  • 国内において、地域団体商標の出願前から商標を使用している者は、先に準備している者として保護される
  • 地域団体商標の要件を満たしていないのに登録された場合、登録の異議を申し立て、無効を訴えることができる

地域団体商標取得の流れ

地域団体商標の取得には、特許庁への出願から審査、査定、登録料の納付、権利の発生、更新という流れがあります。審査の段階で登録要件を満たさない場合は、出願者に拒絶理由通知が送付され、それに応答する必要があります。

【地域団体商標取得の流れ】

地域団体商標の出願支援

地域団体商標について、出願を予定している者が受けられる支援策は4つあります。

(1)支援窓口の専門家によるアドバイス

地域ブランドになる文字を地域団体商標として出願する際に、知的総合支援窓口を訪ねると、弁理士等の専門家から申請手続等の説明やアドバイスを受けることができます。

(2)中小企業等の外国出願および係争支援による地域ブランドの海外での商標出願

地域団体商標を登録できる対象者が地域団体商標を外国の特許庁に商標出願する際、補助金を受けることができます。また、商品・サービスを真似して作られないようにするための模倣品対策支援、訴訟を提起された場合の防衛型侵害対策支援、出願権利のない者が勝手に出願して商標権を取得してしまう冒認商標の無効・取消係争支援も受けることができます。

(3)日本発知的財産活用ビジネス化支援事業による地域団体商標の海外展開支援

地域団体商標によるブランド戦略や海外商標等の知的財産権の取得戦略の策定、ウェブサイト等によるプロモーション支援、商談会・展示会によるマッチング支援を通じて、地域団体商標登録団体の海外展開支援を受けることができます。

地域団体商標の活用支援

特許庁のウェブサイトでは、地域団体商標の登録案件や活用事例を紹介しています。毎年発行されるガイドブックには、地域団体商標制度の概要、Q&A、活用事例、特許庁の支援策、登録されている地域団体商標の全案件が掲載されています。
 ガイドブックは、下記のサイトからPDFファイルをダウンロードすることができます。

紙媒体の冊子を希望される場合は、次の窓口にご連絡ください。

  • 〇特許庁 審査業務部商標課 地域ブランド推進室(電話:03-3581-1101 内線2828)

「地域団体商標ガイドブック」を読めば、地域団体商標のことは丸わかりです。中小企業等の皆様、まずはガイドブックを読んで、地域団体商標取得の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

まとめ

  1. 地域団体商標制度は、地域の産品等について地域ブランドの保護、事業者の信用度の維持により、地域経済の活性化や産業の発展を図ることを目的としている
  2. 地域団体商標を登録するには、登録できる対象者が「地域名+商品・サービス名の組み合わせからなる文字であること」等の登録要件を満たし、審査で認められる必要がある
  3. 地域団体商標を出願・活用する際には、専門家によるアドバイスや事例集の紹介等の支援を受けられる
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