創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。 創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。
販路開拓・商品開発
2019.1.23

JICA「中小企業海外展開支援事業」

少子高齢化により国内需要が縮小しているわが国では、経済のグローバル化が加速しています。マーケットの拡大やビジネスチャンスを求めて海外進出を行う中小企業は増加しており、成長が著しく人口も増加している途上国や新興国に進出する企業も増えています。
 2012年よりスタートしたJICAの「中小企業海外展開支援事業」は、自国の開発課題を解決したい途上国の開発ニーズと、開発課題解決につながる中小企業の製品・技術をマッチングさせ、JICAが開発課題の解決に向けた事業を中小企業に委託するODA(政府開発援助)事業です。
 ODAのように、公的資金を使用した開発支援というと、ひと昔前では空港や道路を建設したりなどインフラ整備のイメージが強かったのですが、現在は中小企業の技術移転を通じた支援など、より身近なものになってきています。本事業に中小企業が参加することで、関係国での知名度向上、金融機関からの信用力向上、海外に関心の高い新卒人材からの求人の問い合わせ等につながるケースも見られています。

「中小企業海外展開支援事業」を活用するメリット

海外展開に関するさまざまな支援事業がある中、ここでご紹介する「中小企業海外展開支援事業」には2つの大きなメリットがあります。
 1点目は、JICAから事業の委託を受けることで、経費面の支援を受けられること。2点目は、相手国政府関係省庁とのパイプを持つODA実施機関のJICAを介して海外展開を進めることで、民間独自で海外展開を行うよりもスムーズに海外展開を実現できることです。
 JICAは日本全国15ヵ所の拠点だけでなく、世界約100ヵ所の拠点を有しています。また、政府関係省庁とのパイプを持つ人的ネットワークと、さまざまな専門知識や経験を持つ人材を保有しており、海外展開に当たっても貴重な情報源となります。

「中小企業海外展開支援事業」の概要

この事業の対象者は、中小企業、中小企業団体の一部組合である事業協同組合・事業協同小組合・企業組合・協業組合に限定されます。中堅企業(資本金の額または出資金の総額が10億円以下の会社)は、事業の一部である案件化調査および普及・実証事業のみ利用できます。
 この事業は中小企業へのJICAの委託事業であり、事業終了時に契約時に合意した必要経費の全額が支払われるのに対して、反対給付として成果品(報告書等)の提出が求められます。事業は主に基礎調査、案件化調査、普及・実証事業の3つに分かれています。

応募方法

すぐにODA事業として案件化できそうであれば普及・実証事業、相手国の公的機関向けに技術導入・製品導入ができる可能性があれば案件化調査、ODAのニーズに合うかどうかがわからず、まずビジネス展開について考えたい場合は基礎調査がおすすめです。
 ただし、進出先の選定や調査事業の企画書を書くための事前の情報収集は自社で行う必要があります。その場合、情報収集にはJETRO等の支援を受けることもできます。
 事業の公示は前年度の場合、4月頃、9月頃の2回ありました。2018年度の第1回公示は4月16日(月)予定です。

採択に向けての流れは、募集要項説明会への参加(任意)、Webサイトでの事前登録、企画書一式提出、採択結果通知、となります。採択は提出した企画書の競争方式となっており、採択予定件数は応募要項で確認できます。
 事業対象国はODA対象国21ヵ国、事業対象分野は原則「環境・エネルギー」、「廃棄物処理」、「水の浄化・水処理」、「職業訓練・産業育成」、「福祉」、「農業」(食料・食品分野を含む農林水産分野)、「保険医療」、「教育」および「防災・災害対策」の9分野となります。事業対象国と事業対象分野については、応募の際に募集要項をご確認ください。

2017年第2回募集要項(基礎調査):
 https://www.jica.go.jp/announce/notice/fs/ku57pq00001ynho4-att/170904_yoko.pdf

2017年第2回募集要項(案件化調査):
 https://www.jica.go.jp/announce/notice/investigation/ku57pq00001yndld-att/170904_yoko.pdf

2017年第2回募集要項(普及・実証事業):
 https://www.jica.go.jp/announce/notice/teian/ku57pq00001ynfpt-att/170904_yoko.pdf

まとめ

  1. 中小企業の海外展開には、相手国政府関係省庁のパイプを持つ「中小企業海外展開支援事業」がおすすめ
  2. 中小企業、中小企業団体の一部組合が対象で、中堅企業は案件化調査と普及・実証事業のみ対象
  3. 基礎調査、案件調査、普及・実証事業の3つからなるJICAの委託事業
  4. 採択は企画競争方式
  5. 2018年度の第1回公示は4月16日(月)予定
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