創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。 創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。
人材関連
2018.12.5

65歳超雇用推進助成金

多くの企業で、従業員の高年齢化が課題として挙げられています。日本の生産年齢人口(15歳以上64歳未満の人口)は今後も減少を続け、社会の高年齢化はますます進行します。企業もこれに対応し、65歳を超える方々に安心して働き続けてもらえる職場環境を作っていくことが求められます。

高年齢者の就労を促進するための職場環境づくり

これからの日本では、高年齢者が意欲と能力のある限り、年齢にかかわりなく働くことができる生涯現役社会を実現することが求められています。このような社会の要請を踏まえ、65歳以上への定年引き上げや高年齢者の雇用環境の整備、高年齢の有期契約労働者の無期雇用への転換を推進する際に役立つ「65歳超雇用推進助成金」をご紹介します。

65歳超雇用推進助成金の概要

65歳超雇用推進助成金には3つのコースがあります。それぞれの制度は雇用関係や職場環境を整備し、高年齢者が安心して働き続けられるようにすることで、高年齢者の就労を促進するものです。まずは、各コースの概要を確認しておきましょう。

65歳超継続雇用促進コースの助成を受けるには

3つのコースの内容を詳しく見てみます。なお、ここで見るのは代表的な要件のみで、要件のすべてを挙げているわけではありません。詳細は厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139692.html)に掲載されているパンフレット等をご参照ください。

(1)65歳超継続雇用促進コースの助成を受ける要件

ア. a)65歳以上への定年引き上げ、b)定年の定めの廃止、c)希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入のいずれかを導入すること
 導入する制度や対象となる高齢労働者の人数により、助成金の額が異なります。

【a)65歳以上への定年引き上げ】【b)定年の定めの廃止】
【c)希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入】

イ. 制度を規定した際に経費を要していること
 制度を規定した労働協約または就業規則の作成・改正、いずれの制度を導入すべきかの検討等、制度導入に際して費用がかかっていることが必要です。

ウ. 制度を規定した労働協約または就業規則を整備していること
 すでに労働協約や就業規則がある企業であれば、これらを改正して所定の制度を規定する必要があります。

エ. 高年齢者雇用安定法の規定に違反していないこと
 60歳未満の定年を定めている場合や、65歳までの高年齢者雇用確保措置を講じていない場合が規定違反に当たります。なお、制度の実施日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間の違反が対象です。

オ. 60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いること
 この雇用保険被保険者は、1年以上継続して雇用されている者でなければなりません。支給申請日の前日が判断の基準になります。

(2)65歳超継続雇用促進コースの助成を受ける手続き

65歳超継続雇用促進コースの助成を受けるためには、定年引き上げ等を実施した後、2ヵ月以内に必要書類を揃えて、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構に申請します。

高年齢者雇用環境整備支援コースの助成を受けるには

(1)高年齢者雇用環境整備支援コースの助成を受ける要件

ア. 「雇用環境整備計画書」の計画内容について認定を受けていること
 雇用環境整備計画は、次のいずれかの支給対象措置に係る措置を含む必要があります。
 a)機械設備、作業方法または作業環境の導入または改善による既存の職場または職務における高年齢者の雇用の機会の増大
 b)高年齢者の雇用の機会を増大するための能力開発、能力評価、賃金体系、労働時間等の雇用管理制度の見直しもしくは導入または医師もしくは歯科医師による健康診断を実施するための制度の導入

イ. 高年齢者雇用環境整備の措置の実施
 雇用環境整備計画に基づき、当該雇用環境整備計画の実施期間内に支給対象措置を実施します。

ウ. 高年齢者雇用安定法の規定に違反していないこと
 60歳未満の定年を定めている場合や、65歳までの高年齢者雇用確保措置を講じていない場合が規定違反に当たります。なお、雇用環境整備計画書提出日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間の違反が対象です。

エ. 60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いること
 この雇用保険被保険者は、1年以上継続して雇用されている者でなければなりません。支給申請日の前日が判断の基準になります。

オ. 雇用環境整備措置の実施に要した経費であって、対象経費を支給申請日までに支払ったこと

(2)高年齢者雇用環境整備支援コースの助成を受ける手続き

高年齢者雇用環境整備支援コースの助成を受けるためには、2回に分けて手続きが必要です。まずは、計画開始の3ヵ月前の日までに、雇用環境整備計画の認定申請をします。計画期間内に支給対象措置を実施した後、計画期間終了後2ヵ月以内に支給申請をします。
 なお、支給額は雇用環境整備措置の実施に要した経費の額により異なり、次のいずれか少ないほうの額(上限1,000万円)となります(生産性向上に関する要件を満たしていない場合)。
 a)措置に要した費用の60%(中小企業以外は45%)
 b)1年以上雇用されている者であって60歳以上の雇用保険被保険者のうち、措置の対象となる人数×28.5万円

高年齢者無期雇用転換コースの助成を受けるには

(1)高年齢者無期雇用転換コースの助成を受ける要件

ア. 「無期雇用転換計画書」の計画内容について認定を受けていること

イ. 有期契約労働者を無期雇用労働者に転換する制度を労働協約または就業規則その他これに準ずるものに規定していること

ウ. 雇用する50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換すること

エ. 転換された労働者を、転換後6ヵ月以上の期間継続して雇用し、当該労働者に対して転換後6ヵ月分の賃金を支給すること

オ. 高年齢者雇用安定法の規定に違反していないこと

60歳未満の定年を定めている場合や、65歳までの高年齢者雇用確保措置を講じていない場合が規定違反に当たります。なお、無期雇用転換計画書提出日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間の違反が対象です。

(2)高年齢者無期雇用転換コースの助成を受ける手続き

高年齢者無期雇用転換コースの助成を受けるためには、2回に分けて手続きが必要です。まずは、計画開始の2ヵ月前の日までに、無期雇用転換計画の認定申請をします。無期雇用労働者への転換後、賃金を6ヵ月分支給した日の翌日から起算して2ヵ月以内に支給申請をします。
 なお、支給額は中小企業では48万円、中小企業以外では38万円となります(生産性向上に関する要件を満たしていない場合)。

平成30年度に予定されている変更点

ここまでは平成29年度に実施されている内容です。平成30年度は以下のような変更が予定されています。

<65歳超継続雇用促進コース>

  • 高年齢者雇用推進者の選任に加え、高年齢者雇用管理の措置を講ずることが支給要件に追加されます。
  • 助成金の額が変更となります。

<高年齢者雇用環境整備支援コース>

  • 雇用環境整備計画に基づく措置の実施状況、雇用環境整備計画の終了日の翌日から起算して6ヵ月を経過する日までの期間における当該措置の実施後の状況を明らかにする書類の提出が要件となります。
  • 支給申請期間が、雇用環境整備計画の終了日の翌日から起算して6ヵ月を経過する日の翌日からその2ヵ月後の日までの間となります。

まとめ

  1. 高年齢者の雇用促進のための職場環境づくりに取り組むと、65歳超雇用推進助成金を受けられる
  2. 65歳超雇用推進助成金には3コースあり、定年引き上げや無期雇用への転換の推進を支援している
  3. 65歳超継続雇用促進コースは、定年制度の改正により65歳を超えて働き続けられる制度を作るための助成である
  4. 高年齢者雇用環境整備支援コースは、高年齢者が就労を継続するための職場環境づくりを支援するための助成である
  5. 高年齢者無期雇用転換コースは、50歳以上の労働者の安定した雇用を促進するための助成である
  6. 毎年度、内容が変更されるため、注意が必要である
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