創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。 創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。
事業承継・事業再生
2018.11.21

事業引継ぎ支援事業

近年、中小・小規模企業の経営者の高齢化に伴い、事業承継が国の重要課題となっています。中小企業庁「事業承継ガイドライン」(平成28年12月版)によると、中小・小規模企業の経営者のボリュームゾーンが平成27年時点で66歳前後となっている一方、引退年齢は平均で67~70歳程度となっていることから、これから数年の間に事業承継の時期を迎える中小企業・小規模事業者が多数発生すると考えられています。

後継者不在の現状とM&Aの増加

中小・小規模企業の経営者が高齢化する一方で、中小・小規模企業の後継者不足も深刻化しています。これには、少子化、将来の事業への不安、子どもの価値観を尊重する風潮といった背景があります。(株)帝国データバンク「2017年後継者問題に関する企業の実態調査」によると、国内企業の66.5%が後継者不在です。つまり、3社に2社は後継者がいないという状況です。

「そろそろ現役を引退して誰かに会社を受け継いでほしいが、親族にも社内の従業員にも後継者候補がいない」、「どこかにうちの会社を渡したいが、買ってくれる会社はあるだろうか」――このような悩みを抱えている中小・小規模企業の経営者は少なくないのではないでしょうか。

一方で近年、M&Aを行う企業が増えています。これには、国内市場の競争激化の中で生き残るための経営資源(ヒト・カネ・モノ・情報ノウハウ)の獲得、多角化のための手段といった背景があります。

ここでは、後継者を探している企業、M&Aに取り組みたい企業のための支援事業である「事業引継ぎ支援事業」をご紹介します。

事業引継ぎ支援事業とは

国は事業引継ぎ支援事業を全国47都道府県の中小企業支援センターや商工会議所等に委託し、事業引継ぎ支援の専門機関として「事業引継ぎ支援センター」が全国47都道府県に設置されています。また、(独)中小企業基盤整備機構が運営する「中小企業事業引継ぎ支援全国本部」は、全国47都道府県の事業引継ぎ支援センターをとりまとめてサポートするための支援機関です。

事業引継ぎ支援事業では、後継者がいない中小企業、小規模事業者が次世代の後継者を見つけ、円滑に事業をバトンタッチできるように、相談窓口を設けています。そして、後継者に関する情報提供、アドバイス、M&Aを行う登録機関(金融機関、M&A専門の仲介会社等)への橋渡し、税理士、弁護士等の専門家と連携したマッチング等の支援を行います。

事業引継ぎ支援事業の支援内容

事業引継ぎ支援事業の流れを説明します。

後継者がいない中小企業、小規模事業者は、まずは地元の事業引継ぎ支援センターの窓口へ相談に行きます。窓口相談の費用は無料です。事業者はセンター内に常駐している専門家と面談し、取引内容、財務状況、社内、社外に後継者候補がいないか等、事業引継ぎに関する情報を伝えます。その後、センター内の専門家は、ヒアリングの内容からセンターとして事業引継ぎができるか否かを判断します。

センターとして事業引継ぎに対応できる場合、センターに登録している支援機関やM&A専門仲介会社等は、事業引継ぎ支援センターのデータベースに登録されている事業者の情報を参照し、事業引継ぎのマッチングを行います。ここでの費用は有料となります。1回でマッチングがうまくいくことは少なく、会社の規模、売却金額、後継者の能力や資質、従業員の継続雇用等の条件が合わずに、何度かマッチングを行うこともあります。マッチングによって両者がお互いの条件を確認して納得できれば、事務手続きにより事業引継ぎ成約となります。

<事業引継ぎ支援事業の流れ>

事業引継ぎ支援センターの各地域の相談窓口

中小企業、小規模事業者には、事業承継の準備を早めにしておくことをおすすめします。

全国47都道府県にある事業引継ぎ支援センターの各地域の相談窓口については、下記に連絡先の一覧を掲載します。事業承継を考えているのに後継者がいない事業者は、事業所のある都道府県の事業引継ぎ支援センターに問い合わせを行い、気軽に窓口相談をしてみてください。

まとめ

  1. 近年、後継者不在が深刻化している一方で、M&Aを希望する企業が増加している
  2. 事業引継ぎ支援センターは、後継者の発掘や企業の売却・買収を希望する中小・小規模企業の登録情報をデータベース化しており、マッチングをサポートする外部の支援機関やM&A専門仲介会社、士業等の専門家とのネットワークがある
  3. 社内に後継者がいない中小企業、小規模事業者が外部で後継者を探す場合、全国47都道府県にある事業引継ぎ支援センターを利用するのも1つの手段
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