創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。 創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。
商品開発・販路開拓
2018.11.15

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が置かれている厳しい状況に対処すべく、平成26年に「小規模企業振興基本法」の成立、「小規模事業者支援法」の改正が行われました。小規模事業者の成長発展のみならず持続的発展を支援するため、商工会および商工会議所の支援機能を活用するものです。そして、小規模事業者が持続的に発展するための支援策として、「小規模事業者持続化補助金」が生まれ、平成25年度補正予算に始まって現在、平成29年度の補正予算まで実施されています。

経営計画を作る過程で自らの事業を見直し、発展の方向性を見出す良いきっかけとなる補助金です。ここでは、平成29年度補正予算案の要件で説明していきます。

小規模事業者持続化補助金の概要

この補助金は、小規模事業者(※1)が、商工会議所・商工会の助言等を受けて経営計画を作成し、計画に基づいて実施する販路開拓等の取組みに対し、原則50万円を上限に補助金(補助率2/3)が出るものです。また、以下のいずれかの取組みを行う場合は、補助上限額が100万円に引き上げられます。

  1. 従業員の賃金を引き上げる取組みを行う事業者
  2. 買物弱者対策の取組み
  3. 海外展開の取組み

原則として、個社の取組みが対象ですが、複数の小規模事業者が連携して取り組む共同事業も応募可能です。その際には、補助上限額が100~500万円となります(連携する小規模事業者数により異なります)。

補助対象者の範囲

製造業その他の業種に属する事業を主たる事業として営む商工業者(会社および個人事業主)であり、常時使用する従業員の数が20人以下(卸売業、小売業、サービス業(宿泊業・娯楽業は除く)に属する事業を主たる事業として営む者については5人以下)の事業者であること、と規定されています。

<小規模事業者の定義>

補助対象者となる者、ならない者は以下のとおりです。

補助対象となり得る販路開拓等の取組みとは

この補助金は前述のとおり、販路開拓等のための取組みを支援する補助金ですが、販路開拓等の取組みと併せて行う業務効率化(生産性向上)のための取組みも対象となります。

(1)販路開拓等の取組みについて

開拓する販路として対象となる市場の範囲は、国内に限らず海外市場も含むことができるものとします。また、消費者向け、企業向け取引のいずれも対象となります。また、本事業の完了後、概ね1年以内に売上につながることが見込まれる事業活動(=早期に市場取引の達成が見込まれる事業活動)とします。

<例>

  • 新商品を陳列するための棚の購入
  • 新たな販促用チラシの作成、送付
  • 新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告)
  • 新たな販促品の調達、配布
  • ネット販売システムの構築
  • 国内外の展示会、見本市への出展、商談会への参加
  • 新商品の開発
  • 新商品の開発にあたって必要な図書の購入
  • 新たな販促用チラシのポスティング
  • 国内外での商品PRイベントの実施
  • ブランディングの専門家からの新商品開発に向けた指導、助言
  • (買物弱者対策事業において)移動販売車両の導入による移動販売、出張販売
  • 新商品開発に伴う成分分析の依頼
  • 店舗改装(小売店の陳列レイアウト改良、飲食店の店舗改修を含む)

(2)業務効率化(生産性向上)の取組みについて

業務効率化には、「サービス提供等プロセスの改善」および「IT利活用」があります。あくまでも副次的な支援であり、メインは販路開拓であることが前提です。

<「サービス提供等プロセスの改善」の取組み事例イメージ>

  • 業務改善の専門家からの指導、助言による長時間労働の削減
  • 従業員の作業導線の確保や整理スペースの導入のための店舗改装

<「IT利活用」の取組み事例イメージ>

  • 新たに倉庫管理システムのソフトウェアを購入し、配送業務を効率化する
  • 新たに労務管理システムのソフトウェアを購入し、人事・給与管理業務を効率化する
  • 新たにPOSレジソフトウェアを購入し、売上管理業務を効率化する
  • 新たに経理・会計ソフトウェアを購入し、決算業務を効率化する

補助対象経費の範囲

補助対象となる経費は、次の(1)~(3)の条件をすべて満たすものです。

  1. 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
  2. 交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費
  3. 証拠資料等によって支払金額が確認できる経費

たとえば、機械設備等を購入したものの、補助事業完了までに当該機械設備を使用して販路開拓等の取組みを行っていない場合には、当該機械設備は補助対象となりません。同様に、新聞・雑誌等と広告掲載の契約を締結しており、広告掲載料を支払ったものの、補助事業完了までに掲載が行われない場合も、当該広報費は補助対象となりません。

また、経費の費目は次に掲げるもので、これ以外の経費は本事業の補助対象外となります。

(1)機械装置等費、(2)広報費、(3)展示会等出展費、(4)旅費、(5)開発費、(6)資料購入費、(7)雑役務費、(8)借料、(9)専門家謝金、(10)専門家旅費、(11)車両購入費(買物弱者対策事業において)、(12)設備処分費、(13)委託費、(14)外注費

手続きの方法

申請に際しては、地域の商工会・商工会議所の確認が必要となります。補助金事務局への提出の前に、地域の商工会・商工会議所に「様式2・経営計画書」(「様式2-2・事業承継計画書」(任意)の添付提出を希望される場合は、これも含みます)と「補助事業計画書 様式3」の写し等を提出のうえ、「様式4・事業支援計画書」の作成・交付を依頼してください。また、代表者の年齢が満60歳以上の事業者はすべて、地域の商工会・商工会議所とご相談のうえ、商工会議所が作成・交付する「様式6・事業承継診断票」も必要となります。

審査のポイント

審査には、基礎審査と加点審査があります。それぞれのポイントをしっかりと押さえ、申請書に展開できていることが重要です。

<基礎審査>

次の要件をすべて満たすものであること。

  1. 必要な提出資料がすべて提出されていること
  2. 補助対象者・補助対象事業の要件に合致すること
  3. 補助事業を遂行するために必要な能力を有すること
  4. 小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ等を基にした取組みであること

<加点審査>

以下の項目に基づき加点審査を行い、総合的な評価が高いものから順に採択を行います。

(1)自社の経営状況分析の妥当性

自社の製品・サービスや自社の強みを適切に把握しているか。

(2)経営方針・目標と今後のプランの適切性

経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。

(3)補助事業計画の有効性

補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。

(4)積算の透明・適切性

事業費の計上・積算が正確・明確で、事業実施に必要なものとなっているか。

なお、平成29年度公募要領等については、こちらをご参照ください。
<商工会の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者の方>

<商工会議所の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者の方>

まとめ

  1. 「小規模事業者持続化補助金」は、経営計画を作る過程で自らの事業を見直し、発展の方向性を見出す良いきっかけとなる補助金である
  2. 販路開拓等のための取組みを支援する補助金であるが、販路開拓等の取組みと併せて行う業務効率化(生産性向上)のための取組みも対象となる
  3. 申請に際しては、地域の商工会・商工会議所の確認が必要
  4. 審査のポイントをしっかりと押さえ、申請書に展開できていることが重要
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