創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。 創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。
研究開発
2018.11.15

戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)

ものづくりは、国際競争が激しい分野です。大学等と連携して技術力を高め、国際競争に打ち勝とうという事業者もあるでしょう。そんなときに役立つのが、「戦略的基盤技術高度化支援事業」です。サポーティングインダストリー、通称「サポイン事業」とも呼ばれます。ものづくりの基盤技術の研究開発~試作品開発~販路開拓への取組みを一貫して支援します。さまざまな条件はありますが、採択されれば初年度だけで最大4,500万円の補助を受けることが可能です。

「戦略的基盤技術高度化支援事業」の大まかな流れ

「戦略的基盤技術高度化支援事業」は、他の補助金等と比べると複雑で、少しわかりづらく感じるかもしれません。まずは、大まかな流れを見ていきましょう。

(1)公募要件を確認して、(2)事業計画書等を作成・申請します。(3)申請した書類は採択審査委員会で審査され、(4)採択通知が届きます。採択されれば、(5)補助事業の実施です。作成した事業計画に基づきながら研究開発を進め、事業化を目指します。事業実施の実績を報告し、補助金の支払を受けます。

<戦略的基盤技術高度化支援事業の仕組み>

共同体を構成する

本事業に応募するためには、ものづくり高度化法の認定を受けた中小企業・小規模事業者、地域未来投資促進法の承認を受けた中小企業・小規模事業者(以下、法認定事業者)であることが必要です。ただし、法認定事業者単独では応募できず、大学や公設の試験研究機関(公設試)等と連携し、2者以上の共同体を構成する必要があります。

共同体には、さまざまな形があります。たとえば、下記のような形です。事業管理団体(研究開発計画の運営管理、国との総合連絡窓口等を行う団体)を、大学や公設試験研究機関(公設試)が務めています。研究を行うのは、法認定事業者(ものづくり高度化法の認定を受けた中小企業等)と協力者(企業や大学等)です。それぞれが役割分担をしたり、連携・協力をしたりしながら研究を進めます。

<共同体のモデルケース>

大学や公設の試験研究機関以外(株式会社等)が事業管理機関になることもあります。詳しくは、公募要領でご確認ください。
参考:平成30年度予算「戦略的基盤技術高度化支援事業」(中小企業庁)

12の技術分野

では、どのような申請が採択されているのでしょうか。平成29年度予算「戦略的基盤技術高度化支援事業」の公募では、297件の事業が申請され、108件が採択されました。

採択された研究開発名を見ると、「iPS細胞等幹細胞の高効率な継代作業を実現した3次元大量継代培養自動化技術の実用化開発(バイオ分野)」、「画像認識を用いた高効率な自律走行無人草刈りロボットの研究開発(情報処理分野)」、「長寿命で優れた耐摩耗性・耐肌荒れ性等を有するφ1000mm以上の圧延用大径ロールの開発(精密加工分野)」といったものがあります。

実は、「戦略的基盤技術高度化支援事業」は、下記12の技術分野の向上につながる研究開発、その試作等の取組みを支援することを目的にしています。12技術分野ごとに「高度化に関する指針」が定められており、その指針に基づいて「特定研究開発等計画」を作成し、認定を受ける必要があります。

<12の技術分野(平成30年3月9日時点)>

  1. デザイン開発に係る技術
  2. 情報処理に係る技術
  3. 精密加工に係る技術
  4. 製造環境に係る技術
  5. 接合・実装に係る技術
  6. 立体造形に係る技術
  7. 表面処理に係る技術
  8. 機械制御に係る技術
  9. 複合・新機能材料に係る技術
  10. 材料製造プロセスに係る技術
  11. バイオに係る技術
  12. 測定計測に係る技術

審査基準

「戦略的基盤技術高度化支援事業」の審査項目は、大きく(1)技術面、(2)事業化面、(3)政策面の3つに分けられます。

(1)技術面は、技術の新規性や独創性、研究開発目標の妥当性等が審査されます。(2)事業化面では、目標を達成するための経営的基礎力や事業化計画の妥当性等が審査されます。また(3)政策面では、産業政策・中小企業政策との整合性が評価されます。審査基準は公募要領に記載されていますので、詳細は公募要領でご確認ください。

<審査基準>

ご相談は――

「戦略的基盤技術高度化支援事業」への応募は、少しハードルが高く感じるかもしれませんが、公募が始まる時期には、各地の経済産業局で公募説明会・個別相談会が開かれます。まずは、最寄りの経済産業局で公募説明会に行くところから始めるといいでしょう。
参考:公募説明会・個別相談会の開催案内(関東経済産業局)

中小企業基盤整備機構にも、戦略的基盤技術高度化支援事業申請の相談をすることができます。詳しくは、下記サイトをご覧ください。
参考:ものづくり支援(中小企業基盤整備機構)

まとめ

  1. 「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)」は、研究開発~試作品開発~販路開拓への取組みを一貫して支援する事業。採択されれば、初年度だけで最大4,500万円の補助を受けることが可能
  2. 事業に応募するためには、ものづくり高度化法の認定を受けた中小企業・小規模事業者、地域未来投資促進法の承認を受けた中小企業・小規模事業者であることが必要
  3. 公募申請は、法認定事業者単独で行うことはできず、大学や公設試等と連携し、2者以上の共同体を構成することが必要
  4. 対象は、情報処理、精密加工、立体造形等の12技術分野
  5. 経済産業局の公募説明会・個別相談会への参加、中小企業基盤整備機構の相談活用がお勧め

※ここに掲載されている制度内容は、変更される場合もありますので、最新の制度をご確認の上、お手続きください。

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