創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。 創業から事業承継まで、施策の活用メリットを具体的に紹介します。
経営強化・起業
2018.11.15

ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金

企業間の競争がますます激しくなる一方で、人手不足は深刻です。これからの企業経営では、付加価値と生産性の向上を同時に達成していかなければなりません。

ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金(ものづくり補助金)は、中小企業・小規模事業者が取り組む、生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助金です。

補助金事業の全体像

補助金による事業には独特な面がありますので、まずは全体像を把握しておく必要があります。補助金を利用する事業の全体的なスケジュールは、次のようになります。

補助金事業の全体像

応募をする前に知っておかなければならないことが3つあります。

(1)応募申請・審査・採択決定

ものづくり補助金は、所定の期間内に必要書類を揃えて応募申請をしなければなりません。平成29年度補正のものづくり補助金は、平成30年4月27日(金)が締切でした。また、応募申請をすれば必ず補助金を受けられるものではなく、審査に合格しなければなりません。

(2)補助事業期間

ものづくり補助金は設備投資等を支援するもので、実施できる期間が決まっています。これを補助事業期間といい、平成29年度補正のものづくり補助金では、交付決定日から12月28日(金)(小規模型は11月30日(金))までとなります。この間に発注、納入、検収、支払や試作開発を行わなければなりません。もし、期間内に納入が間に合わないとなると、補助金を受けることができなくなります。

(3)精算払い

上図でも支払の後に補助金支払いとなっているとおり、補助金は後払いです。したがって、設備投資等の費用を全額準備しておく必要があります。あらかじめ資金繰りの計画を作っておくことも必要になります。

補助対象事業と補助率

ものづくり補助金には、事業内容によって、「革新的サービス」と「ものづくり技術」の大きく2つの対象類型があります。この2つは、申請書を記載する上で留意すべき点が異なります。いずれの対象類型も補助対象事業と補助率は同じですので、ここでは区別せずに記載します。

「革新的サービス」、「ものづくり」それぞれ表のような事業類型に整理される
「革新的サービス」、「ものづくり」それぞれ表のような事業類型に整理される

このうち企業間データ活用型は、複数の中小企業・小規模事業者が、事業者間でデータ・情報を活用(共有・共用)し、連携体全体として新たな付加価値の創造や生産性の向上を図るプロジェクトを支援するものです。この場合、連携体は幹事企業を含めて10者までで、1者あたり200万円が追加されます(上表の※)。

また、上表の※※のとおり、一般型の補助率は1/2以内ですが、一定の要件を満たした場合には2/3以内に引き上げられます。

一般型の補助率を引き上げる要件

一般型の補助率を2/3に引き上げるためには、次のいずれかの認定・承認が必要です。

(1)先端設備等導入計画の認定

生産性向上特別措置法(案)に基づき、固定資産税の特例率にゼロの措置をした市町村において、補助事業を実施する事業者が先端設備等導入計画の認定を得た場合です。

(2)経営革新計画の承認

3~5年で、付加価値額年率3%および経常利益年率1%に加え、従業員一人当たりの付加価値額(=労働生産性)年率3%を向上する中小企業等経営強化法に基づく経営革新計画を、平成29年12月22日の閣議決定後に新たに申請し承認を受けた場合です。

いずれも申請から認定・承認にはある程度の期間を必要とするため、応募申請時と交付決定時で以下のように取り扱われることになります。ここで注意しなければならないのは、認定・承認が得られないと交付決定がなされないことです。交付決定がなされないと、補助事業を実施することはできませんので、速やかに認定・承認を得られるよう申請書を作成することが重要になってきます。

一般型の補助率を引き上げる要件

提出書類と提出先の確認

応募申請には、多くの書類を準備して提出しなければなりません。どのような書類を準備し、どこに提出すればよいのかを確認しておきましょう。

なお、提出書類や提出先を含め、公募の情報は必ず公募要領を確認するようにしてください。公募要領は各都道府県の地域事務局(中小企業団体中央会)のホームページで公開されています。
公募要領(参考版):http://www.chuokai.or.jp/hotinfo/29mh_koubo_201802.html

(1)提出書類

応募申請では、正本1部、副本5部の合計6部の書類を提出します。これらはすべて、1部ずつ紙製のフラットファイルに綴じます。綴じるべき書類は公募要領をご確認ください。なお、応募申請書類のうち一部のものは、電子データもCD-Rに収録して提出します。

(2)提出先

提出先は各都道府県の地域事務局(中小企業団体中央会)です。補助事業の主たる実施場所に所在する地域事務局に提出します。
 たとえば本社が東京で、工場が京都にある場合に補助事業を京都で行うのであれば、京都の地域事務局に提出します。また、提出方法は郵送(または電子申請)となります。持参しても受け付けてもらえませんのでご注意ください。

申請書作成の前に必要なこと

最後に審査項目を確認しておきます。審査項目には技術面、事業化面、政策面と加点項目がありますが、申請書を作成する際は、技術面と事業化面でどのような点を審査するのかを理解しておくことが必須です。

  1. 技術面の審査項目
    • ア. 新製品・新技術・新サービスの革新的な開発となっているか

      a)「革新的サービス」においては、中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインで示された方法で行うサービスの創出であるか。また3~5年計画で付加価値額年率3%および「経常利益」年率1%の向上を達成する取組みであるか。

      b)「ものづくり技術」においては、特定ものづくり技術分野の高度化に資する取組みであるか。また3~5年計画で付加価値額年率3%および経常利益年率1%の向上を達成する取組みであるか。

      c) 「企業間データ活用型」においては、連携体内の企業間によるデータを有効に活用した取組みであるか。

    • イ. サービス・試作品等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか
    • ウ. 課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか
    • エ. 補助事業実施のための体制および技術的能力が備わっているか
  2. 事業化面の審査項目
    • ア. 事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか
    • イ. 事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケットおよび市場規模が明確か
    • ウ. 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法およびスケジュールが妥当か
    • エ. 補助事業として費用対効果(補助金の投入金額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等)が高いか(「革新的サービス」、「ものづくり技術」のいずれにおいても、3~5年計画で付加価値額年率3%および経常利益年率1%の向上を達成する取組みであるか)

まとめ

  1. 設備投資等の計画がある場合には、ものづくり補助金の利用が有効である
  2. 平成29年度補正の公募期間は、平成30年4月27日(金)までである
  3. 補助対象事業には、企業間データ活用型、一般型、小規模型の3類型があり、それぞれ補助上限額や補助率が異なる
  4. 一般型で補助率を引き上げるためには、先端設備等導入計画の認定または経営革新計画の承認が必要となる
  5. 申請書を作成する際は、審査項目を理解し、その項目に沿った内容とすることが重要である
登録無料

J-Net21新着情報メールマガジン

毎週火曜日、元気に活躍する企業の情報や経営に関するQ&Aなど、中小企業ビジネス支援サイト「J-Net21」で更新されたお役立ち情報をお届けします。登録は無料です。

ご登録はこちら