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経営革新
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■ 精密機械部品の生産性向上による競争力の確保
埼玉県中小企業支援センター(財団法人 埼玉県中小企業振興公社)
| 株式会社浦和製作所 |
| 業 種 | : |
自動車部品及び
精密機械部品製造
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日頃から技術的見地に立った製造原価の削減を進めたいという願望がありました。しかし、社内で取り組むとなると、どうしても現状のやり方を変えることに抵抗があり、思うように進みませんでした。この専門家派遣事業では、当社の現状に適した手法を現場・現物で理論的かつ実践的に指導していただいたことが成果につながったと思います。当初、現場は本当にできるのか半信半疑で取り組んでいたように見受けられましたが、いまでは現場主体で率先して水平展開を行っています。不可能と思っても、まずは実行してみるという現場の意識変化を実感しています。
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| 本社所在地 | : | 埼玉県さいたま市 |
| 資 本 金 | : | 5,000万円 |
| 創 業 | : | 昭和15年7月
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| 売 上 高 | : | 21億円 |
代表取締役 |
| 従業員数 | : | 137名 |
森谷行雄
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浦和製作所は、昭和15年に研削加工及び工作機械の改造修理を中心に浦和市(現さいたま市)で創業。昭和32年には工作機械部門を設立し、旋盤・マシニングセンタ等の開発・製造を手がけるようになり、マシニングセンタUBシリーズは、現在も当社の主力設備として活躍している。現在は、リニアガイドベアリング、ボールネジナットなどの精密機械部品加工、電動・油圧パワーステアリングギアケースなどの自動車部品加工を中心に手がけ、大手メーカー各社のメインファクトリーとして高い評価と信頼を得ている。
一方、長引く景気の低迷により、企業を取り巻く経営環境が悪化するなか、当社においても取引先からのコストダウン要請は厳しくなる傾向にあった。特に、当社の主力製品の1つである精密機械部品「A部品」については、大幅なコストダウン要請を受けていた。現状の生産体質のまま、このコストダウン要請を受け入れることは経営に与える影響が大きく、技術的な困難が伴うものであった。
森谷社長から相談を受けた中小企業支援センターでは、当社の事業内容、支援ニーズを勘案し、支援専門家として福島松洋技術士を派遣することにした。
■課題の優先度づけと三現主義に基づく支援展開
1.支援対象の事業・経営課題
支援の実施にあたっては、森谷社長へのヒアリングや現場視察を通して優先度が高い経営課題を明らかにすることからはじめた。
1)A部品の発注元から大幅なコストダウン要 請を受けており、現状の体質では適正な販 売管理費の確保が困難になっている。
2)中期展望としては、大幅な増産体制の構築 を要請されているが、現有資源で対応し、新規の設備投資は最小限に抑えて、経営体質の強化を図りたい。
2.支援のプロセス
支援を進めるにあたって、以下の考え方・プロセスによる展開方法をとった。
1)生産現場の現状を調査分析し、現在の状態を定量化(数値化)する。
2)ありたい姿(到達点)を設定する。
3)ありたい姿と現状のギャップを定量化し、マネジメントとチームで認識を共有する。
4)上記のギャップを埋めるための着想を抽出する。
5)着想の1つひとつを具体的な施策として展開する。
6)施策の効果を実際の機械上で検証する(現場、現物、現実)。
7)目標未達成項目については「ナゼ、ナゼ」分析を行い、再度「P-D-C-A」を廻す。
■企業自らの取り組みにより成果を企業の財産に
支援展開にあたっては、支援成果を当社の技術・ノウハウとして定着させ、企業自らの改革意欲を引き出すため、製造現場の担当者を中心にプロジェクトチーム(PT)を編成してもらった(コアメンバー3人+必要に応じ他従業員の協力を求めた)。派遣の最終日には、経営幹部や製造他部門を対象にPTによる成果報告会を実施し、改善成果を社内に水平展開する意識共有の場を設けることとした。支援現場には、サブマネージャーも毎回同席し、企業・支援専門家・センターが三位一体となって取り組んだ。これらは、一方的な指導のもつ弊害をなくし、成果を指向するための、埼玉独自のやり方である。
1.展開テーマの概要
(1)テーマ名:A部品の生産能力拡充
(2)目 的
A部品の生産性を大幅に向上させ今後の増産計画を現有資源で消化し、競合他社に対する優位性を確立する。
(3)目 標
1)現有設備の生産能力を50%アップする(サイクルタイム28分30秒⇒19分00秒)。
2)機種チェンジ時の段取り換え時間を2分の1以下にする(2時間35分⇒1時間15分)。
(4)目標要件
1)品質レベルは現状どおりとする。
2)現有設備をそのまま流用し、新規投資は治工具の改善レベルとする。
3)テーマ展開期間は平成14年5月〜平成15年2月とする。
4)展開施策ごとに完了したものから順次水平展開を実施する。
2.展開施策の要約
(1)サイクルタイム短縮の観点
1)計画時に見込んだ安全率を吐き出させ、生産現場での実証から攻める。
2)NET&LOSSの見方を定義して、徹底追及する⇒LOSSの追及はもちろん、NETのなかの「ムダ」を攻め、真のNETをめざす(例えば、機械加工では工具がワークと接触し切粉を出しているときだけが真のNET)。
3)理論計算値と現実との差に対して「ナゼ、ナゼ」を繰り返し、阻害要因を洗い出す。
4)稼動時間を極大化するために、固定不稼働時間、変動不稼動時間の内容を見直す。
上記の観点から、設備の加工プログラムの改善、切削工具の変更等によってサイクルタイムの大幅な短縮を図った。
(2)段取り換え時間短縮の観点
1)治具の交換部分はできるだけ一塊にし、再現精度の確保しやすい基準面突き当て方式とし、位置決めと締め付けを1本のボルトで兼用させる。
2)使用刃具を共通工具と機種専用工具に分類し交換刃具数を最少化する。
3)ツールの交換はプリセット方式による外段取り化を志向する。
4)試し加工後の品質確認は品質を代表する項 目に絞り込み、測定箇所を最少にする。
以上の取り組みによって、当初目標を上回る成果をあげることができた。
3.支援の成果
当初は支援専門家の提案と従来の社内慣習のギャップが大きく、プロジェクトチーム内に少なからぬ戸惑いもあったように思われる。しかし、とにかく「試してみよう」というプロジェクトリーダーの強い信念とチャレンジ精神、それを支えた森谷社長の力強いリーダーシップにより、目標値を大きく上回る成果に結びつけることができた。 現在、当社では、独自に生産革新プロジェクトを立ち上げ、この支援成果を他の製品・設備に順次水平展開を行い、大きな成果をあげている。
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