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経営革新
■ 企業体質の変革と中期経営計画策定支援による新分野進出
大阪市中小企業支援センター(財団法人 大阪市都市型産業振興センター)

ユーシー産業株式会社
業   種合成樹脂製螺旋
ホース製造業

 「人の力は借りてみるもんや!」
 産創館にお世話になって感じたことです。
 ギブアンドテイクではなく、テイクアンドテイクで借りられるのですから。
 民間のコンサルを利用したことがありますが、大きな出費をしたからと期待してしまいます。実は自分たちが変わらなくてはならないのに、できないのを指導が悪いと逃げてしまう。見返りを求めない行政の支援は、参考にするもしないも自分次第です。会社は自分で育てる。それを後押ししてくれるのが産創館です。
本社所在地大阪市
資 本 金1000万円
創   業昭和38年3月
(1985年)
売 上 高1,800百万円
(グループ計20億円)
代表取締役
従業員数80名 永吉 清治


■社長就任後に環境変化マーケティングの重要性を痛感

 洗濯機やエアコンなどの家電製品に使用する合成樹脂製の螺旋ホースを製造するユーシー産業の二代目代表取締役に永吉清治氏が就任したのは平成13年4月のことである。時を同じくして生産拠点の中国進出を果たした同社にとって、経営の舵取りを行う経営者が交代するということは、大きな岐路に立っていたといっても過言ではない。
 もともと開発部門を統括していた永吉社長にとって、会社全般をマネジメントすることは初めてのことである。営業の立場も理解しないまま、「なぜ、こんなに素晴らしい製品をもっと売ってこないんだ」と首をかしげることが多かったと当時を振り返る。
 代表取締役に就任間もない永吉氏が直面したのは、同社を取り巻く環境の変化である。家電メーカーの生産拠点の海外移転が加速するとともに、長引く景気低迷により国内家電需要は減少の一途をたどっていた。このような状況から、永吉社長はマーケティングの重要性を痛感することになる。

■ワークショップに参加し自らの意識改革を図る

 就任当時、永吉社長にとって最大の課題は、経営者としての「自分自身の意識改革」であった。
 そこで、永吉社長は大阪市の中小企業支援センターである大阪産業創造館が開催していた経営課題解決支援プログラム「売って儲けるワークショップ」への参加を決意した。このプログラムは、商品や製品を売るための方法を徹底的に考え、議論し、実行する3カ月間の短期集中企業再建プログラムである。それを実践するためには、会社自体がいわば「儲かる会社」へ企業体質を変革することが求められる。その前提となるのが経営者自身の意識改革であった。
 このワークショップに参加して永吉社長自身も、(1)着地点(目標)を設定して物事を考える、(2)マーケティング的な発想をする、などを自覚するようになり、これらの意識の変化が、その後の同社の経営革新を後押しすることとなった。
 以前は「営業のことはわからない」といっていた永吉社長であるが、ワークショップ修了後は「全従業員が一丸となった営業活動」を会社の方針として掲げた。そして、社長自身が営業マンに同行して顧客を訪問するとともに、事務職の従業員にも休眠客の電話フォローを行わせるなど、マーケティング志向の企業へと脱皮していった。



■中期経営計画の策定でコンサル出前一丁」を活用

 3カ月間の「売って儲けるワークショップ」を終えた永吉社長が次に取り組んだ課題は「中期経営計画の策定」である。それまでは売上の数値計画のみで、全社的な視点からの計画立案は行っていなかった。また、社長自身に会社として進むべき方向は見えているものの、それが漠然としたものにとどまっているという状況だった。そのため、社長の想いが全従業員にうまく伝わらないままになっていたのだ。
 新商品のカフレス(継ぎ手のいらない一体成型のホース)で、さらなる飛躍を狙う同社の戦略を中期経営計画として整理するにあたり、永吉社長は大阪産業創造館の専門家派遣事業「コンサル出前一丁」の支援を受けた。経営計画の策定は、(1)第三者にも説得力のある経営計画とする、(2)計画推進にあたって全従業員の参画意識を醸成するため、策定作業の段階から主要な従業員を巻き込む、(3)内容は具体的な行動計画を落とし込んだものにする、という3点に留意しながら、専門家のアドバイスのもとに進められた。

■新市場開拓を果たしたのち従来ビジネスからの脱皮を図る

 これらの支援を受けた同社は、これまでの家電市場に加え、カフレスという新製品により建材市場という新たな分野の開拓に成功した。
 同社の「量産品は中国の現地法人に生産をシフトし、付加価値の高い製品を国内工場で生産する」という戦略は、この新市場開拓により現実のものとなった。
 従来は配管工事の建材として用いられることが多かったパイプの代替品として、新製品のカフレスを建材市場に積極的に提案したことが新市場開拓の決め手となった。カフレスはパイプによる配管よりも免震性に優れているということが建材市場で認められたからである。
 新市場開拓を果たした同社は、それまでの「ホーステクノミスト(ホースの技術集団という意の造語)」というドメインアイデンティティを「ホールテクノミスト(whole:すべての)」へと改め、合成樹脂製の螺旋ホース製造業からの脱皮を図っている。
 同社の成功にはさまざまな要因が作用しているが、永吉社長が大きく意識改革を遂げたことや、明確な戦略を打ち出したことが大きな成功要因である。
 最後に、永吉社長から「最初は行政機関のコンサルティングに期待していなかったが、今後は大いに活用したい」と意欲的に語っていただけたことは、支援機関としての大きな励みとなっている。

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