HOME > 支援情報・機関を知る > 全国の支援センター支援事例集
経営革新
|
■ 偶然から生まれた技術で画期的製品を開発
名古屋市中小企業支援センター(財団法人 名古屋都市産業振興公社)
| 株式会社 優 然 |
| 業 種 | : | 空気浄化装置製造・
販売 |
 |
私たちはサラリーマンや教員などが集まってつくった会社です。 当然のごとく資本などは十分にあるはずもなく、公的な借り入れも行ってきましたが、担保がないとテーブルにも載せていただけない金融機関ばかりで、友人知人などから私的に借り入れて開発を行ってきました。そういったなかで支援センターからA評価をいただき、新たな借り入れを行なうことができ、九死に一生を得たようなありがたい支援をしていただきました。また、私たちは経営ということに関しては皆素人で、そういう点においても支援センターのマネージャーの皆様にはたくさんのことを教えていただき、あるいは親身になって相談に乗っていただき、ずいぶんお世話になりました。
|
| 本社所在地 | : | 名古屋市天白区 |
| 資 本 金 | : | 2200万円 |
| 創 業 | : | 平成7年5月17日 |
| 売 上 高 | : | 1億8000万円 |
代表取締役 |
| 従業員数 | : | 13名 |
佐久間盛敏
|
■従来に比べよりクリーンなマイナスイオン発生方式
優然の製品「快適空気システム『憩』」は微弱なX線を利用した空気浄化装置である。このX線などが照射された空間は電離され、これを弱プラズマ環境と称し、他に身近なものとしては炎などが挙げられる。
当社では、X線の照射によってつくられた弱プラズマ環境下にマイナスに荷電させた電極を置き、X線によって電離された範囲のすべてをマイナスに偏らせる、という技術を開発した。一般的なマイナスイオン発生方法として知られているのは、コロナ放電という方法であるが、窒素酸化物やオゾン等を必ず生成するという弊害を併せもつ。また、水が硬いものに衝突するときにマイナスイオンを生成するというレナード効果という方法もあるが、ミストが蒸発した段階で湿度を高めるという弊害をもっている。
■ユーザーからの声で予期せぬ機能にたどり着く
以上のようなことから、当センター事業可能性評価委員会では、当社のマイナスイオン発生は、よりクリーンな発生方法であると評価した。
佐久間盛敏社長の話では、「快適空気システム『憩』」は、最初から空気浄化装置という機能をめざした商品ではなかった。
佐久間社長は知り合いの高校教員に「静電気を除去する方法はないだろうか」という相談を持ちかけ、そのときに教えられたのが、X線による除電方法であった。帯電物にX線を照射するとあっという間に除電されることに驚き、これを商品化することを考えた。最初に導入したのは当時、静電気が大きな問題となっていたパチンコ店で、「面白いから買って試してやろう」ということで2台納入した。後日そのパチンコ店から「あの機械は空気を綺麗にしている」ということを聞かされ、佐久間社長は、最初、何かの偶然だろうと考えたが、パチンコ台のガラスやモニターテレビの汚れが明らかに少なくなっていた。当初はマイナスイオンにそういった力があるのかと思い、ある特別養護老人ホームに持ち込んで試してみたが、一向に効果は現れなかった。いろいろと試行錯誤を重ねたうえで出した結論は、マイナスイオンだけでは集塵効果はなく、電気集塵機があることによって初めてその効果が現れることがわかってきた。こうして現在の「快適空気システム『憩』」の原型が形成され、パチンコホールのタバコの煙にとどまらず、高齢者施設などのような、ほこりはあまりないが臭いで困っている所にも導入されるようになった。
■公的資金を活用しながら特許の取得を進める
十分な資金をもっていない当社では、なかなか自力での開発がままならず、公的資金を活用した。開発期間中に中小企業創造活動促進法の愛知県知事の認定を受け、ここでは基礎的な研究を行った。また、科学技術振興事業団の独創的研究成果育成事業のモデル化企業として、具体的なガス体の吸着や若干ではあるが空中浮遊菌の研究を行った。それぞれ補助金あるいは委託事業費を受給して理論的研究を進め、アメリカと日本での特許を取得するに至った。
これ以外にも公的な開発支援体制は種々あるが、結果的には資金的に安定している中企業が対象であるという観が強く、当社のような財政基盤の貧弱な企業は研究内容の前段階である財務評価で落とされてしまい、本質的なベンチャー企業が利用することはたいへん困難であることが多い。こうした制度が本質的な意味でのベンチャー企業が活用できるために、制度の抜本的な改革が望まれるところである。
■収益性を高めるために支援事業を積極的に利用
試行錯誤を繰り返しながら、当社の「快適空気システム『憩』」の完成度も次第に高くなり、それに比例して納入実績も次第にあがっていった。経営的にはまだまだ未熟であり、なかなか損益分岐点を越えることはできないが、有限会社から株式会社に組織変更し、これまでの製品開発、技術開発を優先せざるを得ない体制から脱皮し、技術開発と売上、利益のバランスも考えた経営姿勢に移行する時期が訪れてきた。
このような時期に、ちょうど平成13年4月にスタートしたばかりの名古屋市新事業支援センターを来訪された。当センターは、知名度・信頼度のアップのために、当センター事業可能性評価委員会によるビジネスプランの評価を受けることをアドバイスし、まず事業可能性評価委員会による事業評価を受けられた。そこで、製品としての将来性及びその独創的な技術力により、A評価と認定した。この高い評価に基づき、名古屋市の制度融資である「新製品・新技術開発導入支援資金融資」を利用して、融資を受けることもできた。さらに、平成14年度には、主に販売提携先などを獲得するためのアドバイスを行い、当センター主催のビジネスプラン発表会で事業計画を発表し、また、プロジェクトマネージャーのアドバイスで、産学交流テクノフロンティアなどへの出展、当センター主催のプレゼンテーション研修の受講など、PR活動を積極的に行うようになった。これまでに当センターでの相談回数は20回を超えるなど、経営者が気軽に相談できる支援機関として、事業展開の節目節目に積極的に利用されている。
創業以来、地道に努力を重ね、独自の技術に基づき開発してきた製品と、支援センターのアドバイスによる積極的な企業並びに製品のPRが功を奏し、平成15年には全国的な営業網を有する大阪二部上場企業との提携にも成功し、今後の一層の発展、飛躍をめざしているところである。
|
|
