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経営革新
■ 究極の健康食品への挑戦
長野県中小企業支援センター(財団法人 長野県中小企業振興公社)

ドーマー株式会社
業   種加工食品等製造販売
 コメは命」……瑞穂の国「日本」で、コメの力を最大に引き出した「発芽玄米」を誕生させることができたことに大きな喜びを感じています。
 発芽玄米食の普及を通して、明るい日本、優しい社会、健康で笑いと喜びあふれる人々が育つ世界になることを願っています。
本社所在地長野県上田市
資 本 金2億4千万円
創   業昭和60年12月
(1985年)
売 上 高19億円 代表取締役
従業員数65人 塚原 菊一


■知人からの情報をヒントに研究を重ねて新分野へ進出
 
 ドーマーは昭和60年(1985年)の設立以来、畜産家向けに飼料の生産・販売を手がけてきたが、平成7年(1995年)から畜産衰退などで経営状況が悪化した。塚原菊一社長が新分野進出を模索していたところ、知人から「米は玄米でも芽が出る」という情報を得て、発芽玄米の研究と商品化に着手した。
 農水省中国農業試験場、農水省食品総合試験場との共同研究により、発芽で有効栄養成分に大きな変化が現れることが明らかになり、平成9年(1997年)には長野県と共同研究で「発芽玄米を利用した味噌の試醸」に成功し、平成10年(1998年)には「玄米麹及び玄米麹味噌の製造方法」の特許を共同出願した。
 平成11年(1999年)には農水省食品総合研究所の指導により、一般消費者向けに発芽玄米を提供していくことを目的として「安全性と炊飯性に優れた発芽玄米」の研究成果を特許出願した。
 その後、技術を商品生産に耐え得るレベルにまで研究を進め、生産工場を設置して生産活動 を本格化させた。この製品の比較優位性は需要開拓戦略で最大の武器であることから、今後はさらなる需要の開拓と、発芽玄米の利用度を高めるための応用技術の開発が求められている。

■新製品で消費拡大を図り店頭公開をめざす

 発芽玄米は「栄養に優れ、美味しい」という新しいコンセプトのコメ食品であり、これまでパック詰めした形態で生産・販売を行ってきた。しかし消費拡大を図るためには、消費者ニーズを捉えた新製品の早期開発が大きな課題となり、発芽玄米の物質特性による加工面での問題を克服していく必要があった。
 需要開拓の方法としては家庭用、業務用、加工用についてそれぞれ用途別の製品開発を進め、同時に発芽玄米の有効成分に着目した新製品の開発などが求められた。それらの方法で売上を伸ばし、企業として店頭公開を果たすことを目標に掲げた。
 生産面においては、自動化の遅れている生産ラインの整備、資金やマーケティング面でのレベル向上、先駆的メーカーとしてさらに知名度の向上を図っていく必要があった。

■創造法の認定をきっかけに資金調達は進んでいった

 新製品の研究開発費や工場建設費など多額の投資をつづけた結果、長期にわたって累積赤字を抱え、早急に資金調達を行う必要があった。平成12年(2000年)に創造法の認定を取得し、県信用保証協会の保証枠8000万円を獲得。これは結果的に、八十二銀行グループの八十二キャピタルから出資を受けることにもつながった。
 また今後は、生産ラインの改良や現工場の移転計画で多額の移転費用を要することから、同年に当センターの商品化・事業化可能性評価事業でAランクの認定を受け、大型融資の実現に向けて折衝中である。
 平成10年(1998年)度の売上高は0.5億円だったが、平成11年(1999年)度は7億円(前年度の1400%)、平成15年(2003年)度は19億円(平成10年(1998年)度の3800%)と急伸しており、今後も大幅な売上増が期待されている。
 また従業員数も平成10年(1998年)度は5名だったのが、平成15年(2003年)度は65名と大幅に増加しており、地域の雇用促進、産業の活性化に大きく貢献している。

■健康への効果が認められ社会的にも期待が寄せられる

 コメの消費拡大は国の大きな国策でもあり、玄米をわずかに発芽させた「発芽玄米」の市場は、健康志向の高まりもあって急速に拡大している。生産販売する企業は全国に約50社あり、業界全体の売上は本格展開からわずか3年で150億円に達するという成長ぶりである。発芽玄米は主食を通して健康への効果が高められることから、社会的に大きな期待が寄せられている。
 こうしたなかで、農村の復興とコメの見直し 普及を基本理念とする当社は、いち早く発芽玄米の研究に着手し、パイオニア企業として国、県、大学との共同研究を進めて14件を超える特許技術を開発し、業界の牽引役となっている。
 販売も地産地消の実践から県産のコシヒカリを主として使用し、首都圏のスーパー向けには 銘柄を決めて約20種類の原料を使い、細かな 需要に対応している。製造方法はウェットタイプを採用しているが、高温殺菌で安全性を確保し、炊飯時に水に浸す必要がなく、美味しく炊けるなど他社との差別化も徹底されており、商品としての高い評価が得られている。
 旧工場からの移転についても、上田市所有の土地に移り、生産ラインの拡充を図ることができた。
課題であった資金調達の面でも、商品化・事業化可能性評価事業のAランク認定により、ベンチャー・キャピタルによる資金調達に成功している。
 今後、新たに工場増設の必要があり、そのため増設費用の調達など資金面での課題が大きくなると予想されるが、引きつづき支援を継続していきたいと考えている。

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