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■ 焼酎由来素材を用いた必須アミノ酸が豊富な食酢の開発
宮崎県中小企業支援センター(財団法人 宮崎県産業支援財団)
| 大山食品株式会社 |
| 業 種 | : | 食品製造
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産業支援財団には製造工程から販売に至るまで、さまざまな見地から支援をいただきました。ビジネスチャンスは20億円。まだまだ、これからもお世話になるつもりです。
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| 本社所在地 | : | 宮崎県東諸県郡国富町 |
| 資 本 金 | : | 1000万円 |
| 創 業 | : | 昭和5年 |
| 売 上 高 | : | 450百万円 |
専務取締役 |
| 従業員数 | : | 22名 |
大山 憲一郎
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■焼酎の蒸留粕に着目 高品質の酢の原料とする
大山食品は、「酒が百薬の長なら、酢は"百利あって一害なし"の健康食品である」という信念の下、昭和5年に創業した。以来、高品質な玄米酢の製造販売を行い、昭和30年からはこんにゃくの製造も開始し、総合食品企業として「環境・安全・自然」をキーワードに、人と地球の健康を守るべく、活動してきた中堅企業である。
今回の開発は、専務の大山憲一郎氏が「そもそも酢は酒の製造工程に酢酸発酵の工程を加えてつくるもの。麹の仕込みや、熟成の技法など参考になることが多く、以前から地元の米焼酎メーカーに通って勉強してきた。あるとき蒸留後の残りを試飲すると、香りもいいし味も驚くほどまろやかだった。分析してみると、総窒素量は従来の3倍、必須アミノ酸をはじめ有機酸も豊富で、これを原料にしたらこれまでにない高品質の酢をつくることができる」と考えたのがきっかけである。
焼酎の蒸留粕は、従来使い道がないとされていた部分であるため、原料調達コストは低く抑えることができる。ところが、有効成分(アミノ酸、有機酸等)を豊富に含んでいるがゆえに、腐敗も急速に進みやすいというのが再利用の大きな妨げとなっていた。また飼料・肥料として再利用するとなれば、水分除去のために大量のエネルギーを要することから、処理コストを低くできないという問題を抱えている。
■支援財団を訪れることから可能性へのアプローチがはじまる
第1ステップとして、大山専務は、宮崎県産業支援財団の相談窓口を訪れた。サブマネージャーと打ち合わせを繰り返し、そのアドバイスから雑菌汚染防止対策を施した焼酎蒸留粕輸送施設を試作して研究することにし、そのために、財団が実施している平成13年度「中小企業ものづくりスタートアップ補助金(県単独補助金)」の交付を受けることになった。
そうして試作した酢を、原料用食酢として酢の物、すし飯、ドレッシング、たれなどに試験的に使用し、従来の食酢を使用したものと比較し味覚テストを実施したところ、90%以上の方から風味の向上が認められるとの回答を得た。この結果から、あとは腐敗を防止して発酵工程に進むことができれば、栄養価が高く、風味と味のよい高品質な食酢ができる可能性はかなりあると確認できた。
この試験結果を踏まえ、小規模量産規模での醸造管理、品質管理、製造方法をさらに研究開発するため、「中小企業創造活動促進法に基づく研究開発等事業計画」を申請。平成13年度(平成14年3月29日)に宮崎県知事から認定を受け、さらなる研究への基盤を固めた。
第2ステップとして、平成14年度に財団の「地域技術起業化助成金」の交付を受け、高品質食酢の製造において腐敗を防ぐための最適な生産設備管理方法の研究と、販売方法・ネーミングを含めたデザイン開発及びマーケティングを行った。この過程で財団は、雑菌等の影響を受けにくい環境を構築するため、瓶詰室の床、壁補修、発酵、殺菌温度周辺機器の整備などにあたっての助言も行った。
また、専門家派遣事業を利用し、栄養成分が豊富な原料からの発酵工程管理、瓶詰工程管理、生産管理の充実に取り組み、新規設備導入に向けて押さえておくべき項目についても指導した。
■量産化にも成功し新たな研究にも着手
大山専務を中心とした企業の熱意と財団の支援が結実した。大山食品は通常の2倍以上のアミノ酸を含む米酢の量産化についに成功したのである。
次の課題は、いかに販路を開拓するかに移った。大山食品はすでに米酢をはじめとした食用酢を販売していたので、完成した米酢をそのまま販売したのでは、既存の自社製品と市場の共食いが生じてしまう。そこで完成した米酢そのものを販売するのではなく、これを蜂蜜で割った健康飲料として販売することを決断。
財団では、知的所有権を守る観点から、米酢の製法に関する特許出願と清涼飲料水「アミノ黒酢」の商標登録出願についての指導を行った。
現在実用化しているのは、米焼酎の蒸留粕のみであるが、繊維が多いイモについても開発研究中である。また、生産過程で生まれる「酢のしぼりかす」も、商品化研究中である。
■県産品が抱える問題に解決の糸口循環型社会への取り組みともなる
焼酎は重要な県産品であり、基幹産業の一翼を担っている。焼酎の蒸留粕の処分方法をめぐっては、海洋投棄ができなくなったために中小焼酎業者にとって大きな問題となっている。このため、県内でもこの焼酎粕の上手な処理方法について多くの学者や企業の研究者が日夜奮闘しているところである。
大山食品が確立した製法は、そのまま放置しておくと使い道がないものを高品質の米酢に変えるという画期的なものである。循環型社会をめざす環境政策の面からみても、また焼酎メーカーの多い宮崎の産業振興という面からみても、実に可能性豊かな取り組みであると期待される。
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