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HOME > 支援情報・機関を知る > 全国の支援センター支援事例集


創業型
■ 創業前からの支援企業が、2年間で全国展開の有望企業に成長
熊本県中小企業支援センター(財団法人 くまもとテクノ産業財団)

株式会社エイムテック
業   種電子機器開発・販売

 支援センターには多くのご支援をいただき、心より感謝いたしております。特に眠れぬ夜がつづき、苦しいときに話を聞いていただくだけで救われたことがよくありました。お互い忙しいなかでも、継続的にメールや電話をいただきました。心のこもった「本当の支援」の意味を感じております。
本社所在地熊本県上益城郡
資 本 金2100万円
創   業平成13年1月
売 上 高6000万円(当年計画) 代表取締役
従業員数6人 有馬 慎一郎


■社内で提案したアイデアが不採用に世に送り出すために脱サラ・創業

 熊本県中小企業支援センターは平成12年6月に発足したが、その年の10月末、エイムテックの有馬社長は以下の相談のために当支援センターを訪問した。
 当時、有馬社長は会社勤めをしており、現業界で旧態依然とした機器を使ってアバウトなガス漏れ検査が行われていることに問題意識をもっていた。そこで、新たな「ガス漏れ検査機器」の開発・販売を会社に提案したが不採用となった。知的所有権センターに相談したところ、特許も取れそうだとわかり、事業化の可能性も確信した。いまから世の中に必要とされる機器を送り出すため、自ら脱サラ・創業して事業化することを決意。これから新会社の青写真もつくっていくことになるが、知的所有権センターから当センターに相談するように勧められてきたということだった。今後いろいろ相談にのってもらいたいとの話を受けて、エイムテックに対して総合的・継続的支援を開始した。


■ピンポイントの課題解決でなく総合的・継続的な支援を展開する

 当事例の場合は、1つの課題を解決するための支援ではなく、創業段階からの総合的・継続的な支援ということである。創業は未知への挑戦であり、変化に対応しながら、事業を軌道に乗せていくことが大切である。ひとつひとつの支援は小さくても、事業化に向かう企業のあり方に幅広く影響を与えていくことになる。
 時系列で支援内容を紹介していこう。
  1. 本社事務所の設置
     本社事務所探しの相談があり、当財団・電応研の事務責任者との交渉を経て、空研究室に入れてもらえることとなった。共同研究先の熊本大学・地域共同研究センターの付近に立地し、対外的には大きな信用力も得ることができた。


  2. 事業可能性評価委員会での発表
     初年度の2回目の事業可能性評価委員会で発表してもらうことになり、パワーポイントで資料を作成して発表した。このやりとりのなかで海外市場への展開を意識するようになり、国際人材の確保(2名)につながるとともに、事業化への注意点を得ることができた。その後、本人の希望で、別事業での事業可能性評価も当委員会で行った。


  3. 熊大・工学部教授を紹介
     熊大で大学院生に創業に関する話を行った際に、創業者の生の声を聞かせるために有馬社長を連れて行き、担当教授(現工学部長)を紹介した。このことで、別の先生との共同研究につながり、商品差別化力の高い特許の申請や、高付加価値商品の開発を実現。また全国規模での産学官連携会議の際に、好事例企業として発表の際に多用されている。


  4. 提携先製造企業の選定
     当社はファブレス企業であり、商品設計力をもった製造会社との提携が必要だった。当センターで候補企業を7社抽出し、一緒に訪問してプレゼンテーションを行った結果、4社からの提携希望があった。有馬社長が相性も含めて最もフィットできると感じる提携先を選定することができた。


  5. その他
     「創造活動促進法の認定による融資や助成金取得」「販路開拓支援による大手代理店との縁」「顧客管理サポートシステムの構築」「起業化支援センターからの投資」「熊大インキュベータへの入居・共同研究」「創造技術研究開発費補助金の採択」等へと広がっている。

■創業支援のポイントは変化への対応とコミュニケーション

 一般的にビジネスプランの作成支援などが重要といわれるが、創業段階においては変化への対応が、より重要性が高いと考えている。また有馬社長からは、「経営者は孤独である。くじけそうになることもある。そのようなときに、自分を支えてくれている人がいるという実感をもつことほど、心強いことはない」という話を聞くことがある。ちょっとした面談・電話・メールなどによる継続的なコミュニケーションも大きな支援ではないかと思う。
 一方で考えておく必要があるのは、「企業がうまくいかないときに責任をとるのは起業家であり、われわれではない」ということだ。創業支援において、われわれは「起業家の相談相手」や「アイデアの提供」「縁づくり(人や助成制度の紹介)」を行い、「事業化の成功確率の向上」や「課題解決の試行錯誤期間の短縮」を支援することを重要視する必要があるだろう。

 有馬社長が考える「企業成功要因」と「起業家へのアドバイス」は以下にようになる。

【成功要因】
  1. 付加価値が高く大手が余り力を入れていないニッチ分野を事業化する。
  2. いまからの社会に必要性の高いものを事業化する。
  3. 人とのつながりでいろいろと展開していった。
【起業家へのアドバイス】
  1. チャレンジ精神を常にもって成功を信じて行動
  2. タイミングがあるので、あせらずに冷静に判断する、急ぐと逆に失敗することもある。
  3. 物事は思惑どおりにはいかないもの。いろいろな手段を準備しておく(リスクへの対応)。
  4. 種を蒔いておかないと、芽は出ない。
  5. 技術のない自分でも知的ネットワークを活用し、商品開発ができ販売できるようになった。
 創業支援を通して成功の前提条件を考えると「まずは起業家資質(アントレプレナーシップ)であり、人との出会いが大きな要素」ではないかということを実感している。有馬社長は起業家資質の高い素晴らしい起業家であり、エイムテックは今後の発展が期待される企業である。

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