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創業型
■ 競争力のある製造業のローコスト体制を自動化で支援する
北九州市中小企業支援センター(財団法人 北九州産業学術推進機構)

株式会社オーネスト
業   種産業系コンピュータ
システム構築専門の
プロバイダー


 平成11年に50歳で創業し、当初は会社設立に関して、何からどのようにしたらよいかわからない状況でした。「創業塾」卒業後も資金調達方法や各種助成金申請、資本政策、内部規程の整備など、当センターにサポートしていただいた。このような各種支援がなかったら、いまのオーネストはなかったと感謝しています。
本社所在地北九州市小倉北区
資 本 金35,000千円
創   業1999年1月
売 上 高285百万円 代表取締役
従業員数33名 大村 博


■50歳で大企業を脱サラ企業向けプロバイダー会社を設立

 常識を打ち破る独自の手法でビジネスを展開する創業者の大村博社長は、50歳過ぎに大手企業をあえて辞め、1999年にオーネストを設立した。現在は、年商3億円と急成長を遂げているベンチャー企業である。
 経営理念は「お客様の満足度を得ることがすべてに優先する」である。業務内容は、"産業系コンピュータシステム構築専門のプロバイダー"であり、その原点は、新日鉄や横河電機でシステム構築に携わってきた社長自身の経験である。この経験と人脈を活かし大手企業の業務上の問題点を解決し、高品質で最適な産業用コンピュータシステムを提供する。ポイントとなるのは「提案・見積もりから、試運転調整、メンテナンスまで一貫したエンジニアリングサービス」と「適切な価格」である。また当社は、従業員それぞれの技術実績が評価されるしくみをとっており、その月にいい仕事をしたなら月単位の加給もするなど、明確な成果主義を採用している。
 この"産業系のコンピュータシステム構築"は、さまざまな業種業態への対応や多種多様なユーザーのコンピュータ機種に対応しなければならない。そのため、新規に産業系システム構築を業務とするビジネスへの参入はたいへん困難であるとわかっていた。大村社長は業務分析し自問自答した結果、あえてこの業界を選択したのである。

【社長の自問自答】
・ 日本の製造業は加工産業で成り立っている。
・ 産業が強くなければ国は成り立たない。
・ 生産コストを下げ、自動化して製造業が強くならなければならない。
・ 自動化にはコンピュータがいる。

Q:ところが、なぜ、日本の労働生産性は欧米に比べて低いのだろう?
A:自動化が進んでいないからである!
一流鉄鋼メーカーや自動車メーカーは自動化が進んでいても、中堅以下の企業ではあまり自動化は進んでいないのが実情である。その理由はコンピュータシステムが高すぎるから投資する気にならない!あるいは小手先の自動化で終わっているのが実態である。

Q:では、システムはなぜ高いのか?
A:営業費などの間接費にある!
間接費は会社の肥大化に伴って膨れ上がる。コンピュータシステムのコストが高い原因はここに大きく起因する。

A:では、間接費を抑え、効率的にシステムを構築できる技術力を有すれば、安くシステムを提供できる。

 社長は自問自答と前述の経営理念(お客様の満足度を得ることがすべてに優先する!)に従い、間接費削減のために思い切って当社の営業部門をアウトソーシング(すべて商社や機械メーカーに任せる)することにした。このアウトソーシングにより、「システムを構築して自動化したいが資金がない」というユーザーの希望が商社や機械メーカーから商談として飛び込んでくる。これも大村社長の人脈と経験の蓄積、さらに価格対応力によるものである。これが当社の一番の強みになっている。

■自社製品の開発は、すでに20商品を超える

 自社製品も、システム開発の経験と技術の蓄積から、独自で安価な商品が生まれてくる。
 例えば、あるプロジェクト(システム)を構築する段階で他にも使えるソフトがあると、一般的にはこれをデフォルメして他の業界にも応用して使えるように商品化する。この結果、さらに原価を下げることが可能になるという仕組みである。IT関連業界では、このような仕組みで商品化されるシステムは多く、さまざまな現場で稼動している。
 例えば、以下のようなシステムである。
○水処理プラントに最適な"プロセス監視制御システム「マスコット」"
( 上下水道・汚泥・工場排水等の処理並びに監視システムで北九州市長賞を獲得)
○「緊急発報くん逃がさんぞ!!」
(無人化された水処理場などでの緊急時の際、トラブル情報を自動的に担当者の携帯電話などに連絡し対処する)
 このような自社の開発ノウハウを活かして商品化したシステムはすでに20を超えている。
 しかし当社は、これらの商品を大々的にPRしたり、一般ユーザーに販売する考えはない。
 "一般的な営業活動をすると、営業組織・間接費が必要になり、コストの削減ができなくなる。商品説明するのはエージェントに任せる"と ターゲット及び役割分担を明確にしている。

■マネジメント体制を構築するため支援センターの事業を利用

 大村社長は、北九州市が起業者を対象に行ってきた「創業塾」(現在は実践企業塾に名称を変更)の卒業生であり、講師として知り合った中小企業支援センターのサブマネージャーを通じて、日頃から資金調達や経営について相談するため当センターを利用してきた。
 創業6年目であるが、図に示すように着実に業績を伸ばしており、当初数名だった従業員も35名に増員してきた。しかし、このような急成長に社内の体制整備が追いつかない状況となってきた。社長は、当センター、サブマネージャーと相談のうえ、まずは「社内規程の整備」について専門家派遣(社会保険労務士)によるアドバイスでこの課題を解決した。また、今後の「資本政策を含む経営計画の策定」については、"5年後の10期目には、株式上場をめざす"ことを前提に公認会計士のアドバイスを受けたところである。
 今後も、成長に応じて内部体制をさらに充実するとともに、中長期の経営計画を着実に進め、北九州発ベンチャー企業として国内外に大きく飛躍する可能性を秘めている。(SM増田幸一)

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