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経営革新
■ 三崎の地場産業を支援する
神奈川県中小企業支援センター(財団法人 神奈川中小企業センター)

株式会社や印
業   種 冷凍水産物製造・卸
 弊社21世紀の合い言葉を『限界に挑め』として、鮪供給価格安定のため挑戦してまいります。これからも、あらゆる変化を恐れずに俊敏に、かつ勇気をもって対応する柔軟な企業姿勢と保ち、業界のパイオニアでありつづけたいと従業員一同、努力してまいります。
本社所在地 神奈川県三浦市
資 本 金 13,000千円
創   業 昭和46年
売 上 高 代表取締役
従業員数 篠田 和也


■三崎のマグロとともに歩み時代の要請に取り組む

 や印は日本最大の鮪基地三浦三崎港で、大正時代に創業された「や印商店」を前身とする鮪漁船廻船問屋である。その後、流通問屋として近代的な業務に取り組み、昭和46年に株式会社や印として改称し、鮪漁船廻船、市場流通、加工業務に積極的に取り組み、現在に至っている。  この間、オイルショック、200海里規制、バブル崩壊など厳しい経営環境を迎えながらも、鮪加工の合理化、生産地と消費者を直接結ぶ商品の直販、魚油健康食品DHAの開発など常に新たな分野への挑戦を実践している。今後も国際社会での海洋資源保護、流通機構のさらなる変化などが進むなか、鮪の安定供給に向けて、業界のパイオニアとして努力をつづけている。
 同社は新鮮で美味しい鮪を低価格で提供するための飲食部門(鮪料理専門店)の新たな設置、海洋深層水を活用した商品開発に係る(中小企業経営革新支援法に基づく)経営革新計画の承認申請について、申請窓口である神奈川県横須賀商工労働センター(県機関)に相談した。その結果、飲食店の営業は初の取り組みであり、さらに精度の高い事業計画にするため、当センターの総合的な支援を受けることとなった。

■新規事業の立ち上げから開店までの約6カ月を支援

 当センターでは、まずサブマネージャーを派遣し、同社の現状及び課題等を把握した。そして、鮪専門業者として新鮮な素材を継続的に供給でき、かつそのノウハウを活かせる点、また沈滞化傾向にある三浦市三崎地域の活性化に資する点を評価し、専門家派遣事業での支援を中心に、新規事業の立ち上げから開店までの約6カ月に及ぶ診断・助言を行うこととなった。
 診断・助言の前提条件は、自社商品の鮪のほか地魚・三浦野菜など鮮度のよい、地域の食材を活用する。また、厳しい競合があるなかでの営業であり、メニュー・価格・サービス面で特徴を出していくこととした。
 店舗運営の基本的方向性は「観光客など三浦への来訪者はもちろん、地元の人々にも、新鮮な海の幸を気軽にゆっくり食べ、くつろいで、美味しい時間を過ごすスポット」とし、店名にもなった店舗コンセプトを"鮮""味""楽"で表現した。

: とびきり新鮮なとれたての海の幸いっぱい
: シンプルな本物の味
: 気楽でおしゃれなくつろぎ空間

 基本的な調査分析としては、経営者のヒアリング(経営方針の確認)、現地調査(立地条件、建物形態の確認)、既存データの分析(顧客ターゲット、商圏の想定)、競合店分析(営業政策の検討)を行った。
 具体的な提案事項は、コンセプトに基づく店舗施設機能のゾーニング、1・2階の平面計画、外装デザイン計画、内装デザイン計画をメインに、接客サービス等に及んだ。
 店舗のコンセプトに基づくキャッチフレーズは「最上の味とは素朴であきのこない味」と定め、鮮度のよい素材による料理の提供に努め、特に鮪・米・わさび、併せてさしみのつまにまでこだわり、お客様にマグロのだいご味を味わっていただき好評を得ている。
 また、マグロを豊かに表現できる食器、新鮮な食材をさらに引き立てる店内照明にするなど店内を統一的にコーディネートし、料理の演出に工夫を凝らしている。

■オープンから1年がたちパイロットショップの役割も

 店舗の開店から1年がたち、事業計画は順調に達成されている。
 初期の目標の1つでもあった三崎鮪の消費者へのアピールは、東京や横浜など首都圏から来店されるお客様に喜んでいただき、パイロットショップとしての役割も果たしていると考えられる。
 また、同社が専門家派遣事業を受けるきっかけとなった経営革新支援法の認定も、神奈川県から受けることができた。
 飲食部門のさらなる取り組みとしては、ホームページを作成し、インターネット上で情報発信することで新たなお客様を獲得し、ならびにバラエティに富んだ新規メニューを開発して、リピーターの来店促進を図ろうと計画している。
 このように、新たな分野の飲食部門運営に成功した要因は、時代の要請を見極めて積極的に経営革新に挑戦する経営者の意欲と、お客様のニーズにきめ細かく対応できる店長はじめ従業員の努力によるものである。
 同社の飲食部門「鮮 味 楽」の開店が、沈滞する三浦市三崎港周辺のにぎわい復活の契機なることが期待される。

    

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