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■ 研究開発をはじめ2年で開発に成功、新事業を立ち上げる
岩手県中小企業支援センター(財団法人 いわて産業振興センター)
| 丸友しまか有限会社 |
| 業 種 | : |
海産物加工製造業
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製品開発し事業化までこぎつけるには、零細で経営基盤の脆弱な当社にとって資金調達や販路開拓が大きな問題でした。宮古地域中小企業支援センター主催の「みやこ起業家大学」を受講したのがはじまりとなり、同センターの専門家派遣、創業・経営革新相談会制度を活用させていただき、課題解決のために今後の方向性を提示していただきました。
また、当社の社内事情をよく理解しているコーディネーターの勧めで、適切な専門家を選定してもらい、県支援センターの専門家派遣事業を申し込みました。コーディネーターと県支援センター担当者との連携で短期間に派遣決定いただき、タイミングよく派遣してもらいました。
専門家と事業計画の再検討を行い、実現可能な計画に組み直す指導を受けたことで、平成15年9月、岩手県から中小企業経営革新支援法に基づく経営革新計画の承認を受けたほか、金融機関の具体的な支援を受けることができ、新規事業を立ち上げることができました。
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| 本社所在地 | : | 岩手県宮古市 |
| 資 本 金 | : | 300万円 |
| 創 業 | : | 昭和59年11月
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| 売 上 高 | : | 16,118万円 (平成15年3月期) |
代表取締役 島香 尚 |
| 従業員数 | : | 8名(パート9名) |
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■自然食品ブームで着実に業績を拡大
当社は、海の宝庫として知られる「三陸漁場に水揚げされた安全で安心できる魚介類を提供すること」をめざし、島香鮮魚店として昭和59年に島香尚社長が創業した。平成9年に丸友しまか有限会社に改組。平成12年11月には水産物の加工分野に本格的に進出することを契機として宮古市千徳に本社・工場を移転し、自然食品を中心とする宅配ビジネス業界や首都圏の自然食志向のスーパーマーケットを中心に販売ルートを確立した。これまで自然食品ブームや安全で安心できる食品へのニーズの高まりに支えられて着実に業績を上げ、平成15年3月期には1億6000万円の売上高を達成している。
当社の主材料は魚介類であるが、社長は近年の漁業用の餌の不足、特に真イワシの不漁に強い関心を抱き、餌となる魚の漁獲高の減少は原材料の高騰だけでなく、近い将来、当社の事業基盤である魚介類の入手そのものを危うくさせると考えて対応策を模索していた。
こうしたときに県外の公設試験研究機関が公開した「残さを利用した新製品の製造技術の開発」についての情報を入手したことが今回の新事業に取り組む契機となった。
■協力会社と連携し短期間に商品開発
この技術はイカの内臓(通称「イカゴロ」)などを活用し、加熱処理をして人工餌を製造するという内容だが、民間企業では商品化の動きがないことが判明した。その背景には、製造過程において加熱処理を行うことから、蛋白質等の成分が変質し、イカゴロのもつニオイ等の本来の魚餌に必要な特性が失われることで、期待した漁果に結びつかなかったことが原因と考えられた。そこで当社は、販路開拓などで付き合いのあった九州の漁具製造販売業者で釣具関連製品の特許を多数もっているベンチャー企業とのあいだで平成14年から共同研究を開始した。
製品開発にあたっては、大分大学微生物研究室、北里大学、海洋水産研究センター、宮古地域中小企業支援センター等の支援を受けて取り組み、まったく加熱せずに、かつ一定以上の硬さを有する人工餌に固化する技術を開発した。この製品を延縄船でキンメダイへの釣果をテストした結果、従来のイワシ以上の効果を得ることができた。
■自社生産を決意し専門家派遣を求める
島香社長は当初事業化にあたり、生産を外注方式とし、製造委託企業の開拓に努めた。しかし、製造設備を保有している企業がないこと、原材料となる新鮮なイカゴロの安定供給にはイカの産地でなければならないなど立地条件の制約があり、また、製造価格や製品の保管体制など契約条件の調整が難しく、自社生産とすることを決断した。
平成15年6月、自社生産への方針変更によって設備投資等のリスクを伴うことから、11月稼動に向けた事業計画の見直しと、新商品の開発、生産に関する経営革新支援法の承認申請のため、当センターの専門家派遣事業による支援を申し込んだ。その結果、9月には経営革新計画の承認を県から受けている。また、生産設備については小規模企業者等設備資金制度の優遇措置を受けて導入することとなった。
■新しい取り組みによる積極的な事業展開を評価
丸友しまかでは、タラなど他の魚介類の餌をつくるための商品改良研究、三陸沿岸の漁協や一般釣具店などの釣り愛好者ルートで販路開拓など、新たな取り組みもスタートしている。当センターでは、当社が本格的な漁業用の餌分野への市場参入をめざし、積極的に事業展開をつづけている点を評価し、FS調査事業による支援対象企業として、現在、事業可能性評価のための市場調査等の支援を行っている。また、人工餌生産の新規事業の立ち上げに際して大きな課題であった人事制度及び経理システム等の整備を図るため、より強固な社内体制の下での事業推進を新たなテーマに掲げ、11月以降も継続して専門家派遣事業による支援を行っている。
当社の新事業の立ち上げが実現したのは、有力な協力会社との共同開発、大学や研究機関との連携による技術支援等があったことが大きな要因であるが、何といっても社長自身の独自の発想力、支援制度を活用した経営面における各種課題への即応力なくしては、道のりは厳しいものとなっていた。いままた新規市場への製品開発が検討されており、今後、さらなる躍進が期待される企業である。
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