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創業型
■ 大豆丸ごととうふの店の事業プラン作成を支援
富山南中小企業支援センター(富山商工会議所)

とっぺ屋本舗
業   種 食品製造・販売
 「オカラのでない大豆丸ごととうふ」 は現在、世界規模で叫ばれている環境問題を考えた優良な製品・健康食品であり、食品製造・販売を通して社会に大きく貢献できると確信しています。
 しかし、この信念だけでは、事業が成り立つわけではなく、経営知識や経験の少ない者にとっての起業化は困難でしたが、事業計画(利益計画、販売計画等)の立案、資金調達、PR方法等で支援センターから親切に支援いただき、開業することができました。
 この事業を発展させるためにも、今後起こるであろう諸問題の解決に、支援センターのさらなる協力を期待しています。
本社所在地富山県富山市
資 本 金
創   業平成15年10月
売 上 高月平均120万円 代表
従業員数1名 竹川 光男


■一生の仕事をみつけようと脱サラして創業を決断

 とっぺ屋本舗代表の竹川光男氏は、富山市内のある機械メーカーでコンピュータ関連の仕事に従事していたが、常日頃から「このまま定年を迎えてもその後何をするんだ。一生できる仕事をみつけたい」という起業家志向の夢を抱いていた。
 あるとき知人の話から、某食品会社が開発したオカラのでない 「大豆まるごととうふ」 なるものの存在を知り、調査したところ、考案者も本人と同様サラリーマンを定年前に退職し、この仕事をはじめたという。また、このオカラのでないとうふは、廃棄物がわずかで環境にも非常に優しい食品であり、しかも大豆のもつ栄養素を損なうことがない健康食品ともいえる。
 製造はほとんど機械化されているようで、体力のいる仕事ではない。これからは環境保全を考えて物づくりする時代であり、本豆腐の製造・販売はこの時代の要請にも合致していると判断した。定年まで2〜3年はあったが、家族の協力もあり、退職を決断する支障にはならなかった。

■すべて自分だけが頼り助言に基づいて計画を進める

 平成15年3月に円満退職し、創業の準備にとりかかったが、さて何からはじめたらよいのか、どういう方法がよいのか、五里霧中の状態であった。偶然にも公的機関から、富山商工会議所にある富山南中小企業支援センターの存在を知り、躊躇なく相談に出向いた。当センターでは本人の意向を充分に聴取し、資金の調達、業界の状況、経営上の問題、開業に向けての諸手続きについてさまざまな情報やノウハウを提供した。 特に、サラリーマン時代とは大きく異なり、すべて自分だけが頼りであることを理解してもらい、助言に基づいて徐々に計画を進行していった。事業プランの作成は、融資を受ける際にも、開業後の企業経営にも重要な影響を及ぼすので、製造原価、諸経費や損益分岐点の把握、販売先等を念入りに支援した。
 また、経営知識の修得と創業経験者の講話聴取に適している、当センターで企画した「創業塾」の受講を勧め、延べ10回、合計30時間のセミナーを修了したことが経営知識の増強となり、開業への自信となった。

■本人のイメージを現実的な起業プランへと高めていく

 まず、「オカラのでないとうふ」の製造所や販売店を視察し、併せて先輩企業の見学を実施して本人の有するイメージを現実的具体性のあるプランへと修正していった。
 1)開業資金として退職金の一部と、富山県が新たに募集を開始した「創業・ベンチャースタートアップ支援事業」の助成金制度に応募すると同時に、国民生活金融公庫の「新創業融資制度」等の諸融資制度や富山市の「創業者支援資金」制度を利用する。
 2)とうふの製造方法は本豆腐の考案者である「ファミリー食品」のシステムをそのまま使用するほうが無難である。
 3)スタッフはパートのみとし、1〜2名を富山パートバンク等を通じて雇用する。
 4)製造所と販売店舗は一体として賃借し、場所の選定にあたっては、賃借料と販売利便性を総合的に判断する。むしろ本豆腐の製造に特別な排水処理施設が不要で周囲の環境阻害にならないことを念頭に置く。
 5)PRにはチラシやタウン情報誌を利用し、地道に粘り強く口コミ効果を狙う。
以上のような内容に整理し、諸施策の実現に向け、随時支援を行うことにした。

■プラン実行の施策とそのための支援策

 1)開業に向けての必要資格である「食品衛生責任者」の講習(月1回で1カ月前に申し込み要)を受け、施設の設置検査を受ける。
 2)資金は自己資金と富山県の上記補助金に加え、残額を国民金融公庫の「食品貸付」による融資を受けた。これに必要な開業計画書の作成には製造原価の精算のほかに、経費の見積もりや販売先の設定(営業対象)等に注力した。
 3)店舗は市内の中心部に運よく適当な空店舗がみつかり、これを一部改装して使用することになった。
 4)商品としてとうふの外に豆乳を加えた。これらの製造設備はファミリー食品の紹介で主要設備を専門メーカーから購入し、付帯の備品等は自前で準備した。
 5)PRに必要なチラシ(A4判)を準備した。チラシはカラーで「オカラのでない大豆丸ごととうふ」であって大豆特有のコクと旨味が食感できる新商品であることを強調した。
 6)当支援センターでは、「とっぺ屋本舗」をマスコミに紹介し、本豆腐の存在と知名度の強化を図った。地方新聞に「脱サラし豆腐店開業」という見出しで、廃棄物を出さず大豆の旨味がそのまま食感できる、環境に優しいとうふといった内容が写真入りで大きく紹介され、商品のイメージアップとなって、高級料理店、ホテルや一般家庭への浸透が期待できた。
いずれも試行錯誤の連続だったが、本人としてはこれからの時代要請に適う仕事であること、一生つづけられるという思いが支えとなった。

■開業時の売上目標をほぼ達成し新しい販売先へもアプローチ

 屋号「とっぺ屋本舗」で開業後、順調に滑りだし、開業時の目標であった豆腐140丁、豆乳60本の売上がほぼ達成できる見通しになった。さらなるPRとして、当センターで地方のケーブルテレビ局を紹介し、出演を予定しており、併せて2枚折りの小パンフレットを発行する等、本豆腐の拡販に向けた対策を実行しつつある。
 特にケーブルテレビの番組は1日5分間ずつ5回の放映が1週間にわたって行われ、その効果が期待できる。また、支援センターの助言をもとに、さらなる販売先として計画書にも盛り込んだ病院、老人ホームに話をもちかけている。また、難しい問題が予想されるにしても宅配によるセット販売をめざし、準備をはじめている。
 いずれにしても開業から操業へと突っ走っているので、時期をみて経営状況の分析、評価を行う等、立ち止まって見直す機会をつくることを考えている。このように創業予定者や創業間もない中小企業者にとって、中小企業支援センターは大いに利用価値のある存在である。

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