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■ 専門家の助言・指導により事業計画の見直しからよみがえった経営
秋田県中小企業支援センター(財団法人 あきた産業振興機構)
| 海と入り陽の宿 帝水 |
| 業 種 | : |
旅館業
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男鹿戸賀湾を一望する小高い丘に立つ「帝水」。
約1年半の休業を経て、平成15年7月、装いも新たにリニューアルオープンした。「モダン和風」がコンセプトという当館の客室はすべてオーシャンビューで、大きく開かれた窓から沈みゆく夕日を眺めながら、日本海の旬の素材を味わうことができる。
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| 本社所在地 | : | 秋田県男鹿市 |
| 資 本 金 | : | 7000万円 |
| 創 業 | : | 昭和42年6月
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| 売 上 高 | : | 165,388千円 (平成13年度10カ月間) |
代表取締役 副社長 鈴木 利一 |
| 従業員数 | : | 35名 |
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■経営危機に見舞われ新築開業を決断する
昭和42年(1967)に創業した帝水は、35年の年月とともにホテル施設の老朽化が目立つようになってきた。と同時に、他の観光地においてはホテル・旅館設備の近代化やサービス面の向上が見受けられ、このままでは、ますます競争力を失うことが予想された。
このことは全国に知れ渡っている当地、男鹿半島地区の観光産業をも脅かすことにもつながると、鈴木利一社長は危機感を抱いていた。
開業以来、大幅な改修工事がなかったことから、施設の老朽化が激しく、建物、付帯設備の修繕費用が年々かさみ、比例して宿泊客の伸び悩みから売上の減少も余儀なくされていた。
そのため、経営の見直しを模索検討しようとしていた矢先、突然、経営の危機に見舞われた。
平成13年12月に男鹿地区を襲った暴風雪である。強風により建物被害が発生し、営業中止を余儀なくされ、施設の老朽化、宿泊客の伸び悩みに加え後継者問題等とも相まって、一時はこのまま廃業することも考えた。
しかし、国民の休日が増加傾向にあるなかで、レジャー産業の充実が期待されている時代である。秋田県の代表的な観光ルートにもなっている知名度の高い男鹿半島から、他観光地に比べて極端に少ない温泉宿がさらに減少することは、観光地としてイメージを低下させることになる。
このようなことから、代表者は「ホテル帝水」の新築開業を決断した。
計画は、総事業費15億円を投じ、平成15年春の営業再開をめざすものだった。
計画新旅館規模
・鉄筋造 3階建て ・客室総数 47室
・宿泊人員 216名 ・大広間 250名収容
・中小広間数カ所 ・多目的ホール1室
・レストラン 100席 ・コーヒーラウンジ40席
・カラオケクラブ50名収容 ・館外レストラン等
備える総床面積4795平方メートルの再建計画設計図ができあがった。

建設資金調達計画
・建物本体工事費 1,224百万円
・既存解体・調査費 40百万円
・設計・申請料 36百万円
・運転資金 200百万円
営業必要資金 1,500百万円
(内借入額 1,440百万円)
このように規模、資金面のほか、売上、収支、営業の具体策等再建計画ができあがったものの、資金調達に難航、進展しない状態になってしまい、当機構に対し、専門家の派遣要請となった。
■支援前の課題は適切な経営計画の立案
平成15年の春オープンに向けて経営全般、施設、組織・人材、営業・販売、食事・調理、接客等について計画を立案したものの、銀行から計画を認めてもらえず、特に建築資金の借入依存度が高く融資の目途が立たないという課題を抱えてしまった。
当初の事業計画書は、過去の経営・営業実績の分析、地域の現状分析、また、今後の予測等綿密な分析結果をもとに作成したものだったが、いざ、検討を加えると、どこをどのように、どの程度変更したら適切なのか、判断に迷うことが多く、大きな壁にぶちあたっていた。
■専門家が指摘した6つの改善ポイント
専門家に指摘された問題点は次のとおりだった。
(1)基本的コンセプトが明確でない。
(2)投資規模が過大であり、投資後の資金回収や経営を考えると縮小案が妥当。
(3)設計プランニングが適切でない。
旅館業としての商品価値・経営の効率性面等基本的な設計がまずい。
(4)最高責任者としての社長の存在感なく、責任の所在が不明確。
(5)要因計画にもムリ・ムラが感じられる。
(6)資金調達手法がはっきりしていない。
以上の6項目から大幅な改善を要すると指摘、「適正な方策を模索し、有益な設備投資を実現させたい」というのが専門家の考えであり、この点が支援のポイントといえる。
■投資額を抑えた計画が認められ資金調達が可能になる

専門家の指導・助言に従った結果、投資規模を縮小、全面新築を止めて、既存建物全体の40%を活用した。投資額は当初計画の約43%に縮減し、必要最小限に留めた。これが金融機関等に評価され、資金調達が可能となり着工することになった。平成15年7月にオープンしたあとは、以前に比べて客足も好調で、売上を含めて経営はおおむね順調に推移しており、今後に大きな期待ができる結果を示している。成功要因は、代表者の地域を思う気持ちと経営革新に取り組む姿勢が専門家による大胆な改善計画とベストマッチしたことによるものと考える。
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