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特集 値上げのテクニック-高くても売れる手法 価格が上がってもお客さまに買ってもらえる妙手

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値段を上げても買い続けられるための工夫

世の中ではデフレ脱却の動きが顕在化するなど、ようやく値下げ一辺倒の動きからの変化が見えてきました。しかし、ここ20年近くデフレ環境にあった日本では「値上げの仕方」を忘れてしまっている店舗・会社が多いように感じます。
当然のことですが、単純に値上げをすれば売行きは下落傾向になります。その落込み分を値上げ額でカバーできなければ、全体の売上は減少してしまいます。
本稿では、どのようにすれば売上や利益を落とさずに値上げすることができるのかについて取り上げていきたいと思います。

値上げしたように思われない心理的なテクニック

単純に値札表を書き替えただけでは、当然、お客様は値上げに気づき、購買を控えるでしょう。しかし、実質的に値上げをしているにも関わらず、お客様がそれを意識しない売り方というものも存在します。

その1つが3段階で価格を設定するやり方です。
例えば、あるそば屋さんで天ぷらそばを頼むとします。その時のメニューが、
1000円
800円
のように2種類だった場合、「上」が3、「並」が7の割合でお客様は注文しました。

しかし、つぎのようなメニュー構成
特上1500円
1000円
800円
にすると、「特上」が1、「上」が6、「並」が3のような売上構成に変化しました。つまり、「上」がよく売れるようになったので、実質的な値上げに成功したわけです。

この結果に合理的な理由があるわけではなく、「真ん中のものを選びやすい」という人間の心理を利用したものです。
つまり、ある商品において高価格のラインを用意すると、売れ筋の水準が上がるという現象が起きるのです。この場合、高価格のラインのアイテムはあくまでも売れ筋のラインを上げるための「見せ商品」ですので、売行きが悪いからといって撤去してはいけません。
他にも包装を変えて高級感を増すことで値上げに成功している事例や、価格はそのままに内容量を変えることで実質値上げをしているケースなどがあります。商品そのものを変えなくても、お客様に納得してもらえる値上げの方法は意外とあるものです。

ストーリーで売ることを考える

消費者は価格に対して合理的な判断をしないケースがあります。その1つが明確な「ストーリー」が存在する場合です。
実演販売は典型的な例です。ただ陳列してあるだけでは高価で見向きもされないようなモノでも、口達者な販売員がお客様の前で実演することで「これを買う必要性」、つまりストーリーをお客様が理解します。そうすると多少高くても、買う理由ができた人はその商品を購入していくのです。

駅弁も同じです。弁当としては高すぎる価格ですが、旅情を演出するものであったり、希少性があったりとやはり価格をストーリーが下支えしています。冷静に考えればいくら美味しくても、普通のコンビニ弁当の2〜3倍ものお金を払う合理性はないわけです。

貴店の商品・サービスはお客様にストーリーをきちんと伝えられているでしょうか。
POP1つとっても、ただ「お得」「おいしい」だけではストーリーとして弱く、買う理由にはなりません。「今年最後の〇〇町産のミカンです。今回を逃すと来年まで食べられません!」とするだけで、多少高くても買う理由はかなり強固なものになるでしょう。
POP、口頭での説明、販促物などさまざまなものをもう一度見直してみましょう。しっかりとストーリーが伝わっていれば値上げしても売れるはずです。

値上げすることをためらうお店や会社はたくさんあります。売上の減少や顧客離れを危惧する気持ちはよくわかります。しかし、価格で掴んだお客様は、より低価格のお店を見つけるとそちらに流れてしまうものです。
永くおつきあいできるお客様とは、貴店・貴社の良さをわかっている方です。その方に理解されるよう、工夫した価格改定を行ってほしいと思います。

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中小企業診断士 遠藤康浩