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特集 経営者としてのリスク管理【事故・クレーム対応編】 不測の事故やクレームに対して経営者が事前・事後にすべき事とはなにか

事故やクレームに適切に対処するための経営者の心得

事故やクレームに適切に対処するための経営者の心得

事故・クレームへの事前の備えと事後の対処をわかりやく解説します。

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事故やクレームに適切に対処するための経営者の心得

昨今、規模の大小を問わず企業の不祥事がマスコミ等で報道されるケースが目立っています。
これまでと大きく異なるのは、Twitter等のインターネットのメディアから拡散してそれがマスコミの目にとまり、大きく報道されるというケースがかなり増えていることです。
これまでは、内輪の話として内々に処理できていた事柄が外に出やすくなったということでしょう。
経営者としてはこの時代の変化を頭に入れたうえで、事故・クレームが起きないように事前に対策すると共に、万一そのようなことが起きてしまった場合にはどのように対応するかを考えておかなければなりません。

【事前の対策】

事前の対策としては以下のような流れで取り組むのが一般的です。

例えば顧客名簿についてみると、「顧客名簿の流出」が起こり得るリスクだと考えます。そしてこれがどの程度のリスクなのかを金額換算します。例えば以下の条件の場合のリスク評価額はつぎのようになります。

<条件>
  • ・顧客が1000人いて、その人たちの年間購買額が平均5万円/人
  • ・リスクが顕在化した場合に顧客の30%が離れると想定
  • ・リスクが顕在化した時に、10000円/人のリスク対策コストがかかる
  • ・顧客名簿が流出する可能性は20%と見積もる
<換算>
  • リスクによる売上減は(1000人×0.3×50000円)=15,000,000円
  • リスクによる対策コストは10000円×1000人=10,000,000円
  • よって、このリスクに対する評価額は、
    (15,000,000円+10,000,000円)×0.2=5,000,000円

つまり、顧客名簿流出のリスク評価額は500万円になります。同様に他のリスクについても金額ベースで算出を行い、その結果、評価額の高いリスクから低減策に取り組んでいくとよいでしょう。

リスク低減策の取組みは、リスク発生可能性をゼロに近づけていく対策を考えます。
例に挙げている顧客名簿流出のケースでは、パソコンで管理するよりも紙で管理したほうがリスク発生の可能性は低くなると考えられます。
しかし、それでは業務に支障を来たすでしょう。実行可能でかつ業務に与える不都合が最小限になる実行策を考えないといけません。

例えば、以下のような対策が考えられます。

  • ・顧客名簿を扱うPCをネットワークに接続しない状態にしておく
  • ・顧客名簿のファイルにパスワードを設定しておき、それを毎週変更する
  • ・ファイルの書き出しを禁止するために、外部出力ポートを封印する

これらの対策でも業務上の手間が増え、面倒くさくなることが想定できます。そうなると現場はルールを形骸化してしまうものです。そこで、決めたルールを遵守させるよう指導するのが経営者の役割になります。

【事後の対策】

初動が誤った方向に行ってしまったため、かえって世間の反発を招き、顧客の信頼を失い傷口を大きく広げてしまうというケースはよくあることです。
リスクが顕在化した場合に最も重要なのは初動段階でどのように対応するかにかかっていると言っても過言ではありません。中には初動が適切だったことから、かえって顧客からの信頼が厚くなったという事例もあります。

初動でもっともやってはいけないことは「隠蔽」です。例え隠蔽の意図がなく、後で公表するつもりだったとしても、顧客や取引先に隠蔽ととられてしまうと、あとにすべての情報を公開したとしても「まだ何か隠しているのではないか」という印象を与えてしまい、信頼回復に長い時間がかかってしまいます。

会社存亡の危機に直面するような大きなリスクが発生した場合、経営者の頭の中では「なるべく被害を少なく見せたい」「要らぬ情報を発信して無用の混乱を招きたくない」あるいは「ウチの会社だけが悪いわけではない」といった気持ちがわいてくるものです。
しかし、情報を小出しにしたり、他者に責任転嫁しようとする姿勢はかえって不信を招きます。
このような場合は、情報はできる限り公開し、利害関係の信頼を取り戻すことを最優先に考えたほうがよいでしょう。

なお、情報を公開する場合は「事実」と「解釈・未確認情報」を明確に分けて公表すると、相手には状況がよく伝わります。事実は潔く認めること、また解釈や未確認情報に関しては相手のリスクを考え、そのリスクを確定できる情報(つまり相手にとって最悪の場合、何が起こるのか)を提供すると、相手は安心すると言われています。なぜなら、相手には、自分にとってのリスクをどこまで考えればよいのかがわからないことが最大の不安要因だからです。

事前のリスク対策の段階で、万一何かが起こった場合、誰がどのように動き、何をどのように公表するのかのシミュレーションまでできていると、いざという場合にも冷静な対応ができます。
ぜひ、事前段階で事後対策まで含めたシミュレーションをするように心がけて下さい。

中小企業診断士 遠藤康浩

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